口語俳句 作品集 29 〜冬菊〜
「 冬菊 」
~口語俳句〜
はるばるといち羽なげうつ鷹匠よ
はなったりもどりきたりよ腕の鷹
鳴きかわす鯨にこころうみのおと
千鳥とぶ沖がもっともかがやくと
日がさして野にあらわれる冬菊よ
木を伐っていまあきらかに眠る山
いっさいが雪スクランブル交差点
マスクして自分が宇宙ではないか
しあわせに背まるめてこそ置炬燵
俳諧よ挙句の果てのおおくしゃみ
◇
木枯らしよじだいはためく万国旗
吸いこんで肺つめたいかふゆの霧
マフラーよ目を曇らせて街をみて
片おもいしがち冬薔薇えらびがち
ベンチにもれきし落葉の並み木道
山茶花よ空に見惚れているように
そのしたを水脈のはしるか龍の玉
日がさせばそこらじゅうによ寒雀
陽に燃えているかに燃えず大枯野
マスクして自分じしんという宇宙
◇
冬菊よにちげつかすいもくきんど
とじひらくはねのおもさよ冬の蝶
鷲舞ってどこまでもどこまでも風
茶の花よ畑のとっぱずれの日なた
ものごころついて今日まで冬暖か
鐘凍る明けぞらなんど撞いてもよ
ラグビーよ組んで軋ます骨からだ
もともとはたねひとつぶか大根煮
今空のオリオンのものがたりこそ
真夜なかよホットワインの赤と白
11月16日〜11月29日
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文語体・口語体・しゃべり言葉
現代語・現代仮名づかい・現代的切れ字
を基本にして詠んだ作品集です
ふだんの話し言葉・記号・句読点・
カタカナ・外国文字・アラビア数字・分かち書き
なども活かして必要最小限使用しています
下記は、俳句における
文語・口語の大まかな図です
◇文語=文語体=古典語=古い時代の文体
◇口語=口語体=現代語=書き言葉
∟==話し言葉
◇仮名づかい 歴史的仮名遣い 現代仮名遣い
◯使用している切れ字について
この作品集では
現代的な切れ字の候補を使用しています
「現代切れ字 十八字(推奨)」
よ・か・ぞ・と・に・へ・せ・で・まで
ず・れ・け・た・が・て・は・な・こそ
◯口語俳句の基礎基本・つくり方について
下記に簡潔にまとめました
◯俳句の目標
下記について、毎日の投稿などで
月日をかけて探っていければと思っています
「表現の新と万象の真」「驚きと感動の詩」
「一新一真」「都市詠の探求」「一句新世界」
「ものごとの花」「沈黙の美」「内的宇宙」
「三物一句」「風情の継承」「平明深遠の詩」
いつも
ご覧いただき
ありがとうございます
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