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口語俳句 俳句の目標の探究 〜『都市詠の探求』について〜

俳句にご興味のあるnoteのみなさまに俳句の様々なことについてご紹介していく記事です


口語俳句  俳句の目標の探究
『都市詠の探求』について

はじめに、口語俳句の基礎基本・つくり方については自分自身ほぼわかりました。

ですので次は内容、口語俳句で「何をどう詠むのか」についての探究を進めています。

今月から個人的な俳句の目標として下記の11項目について時間をかけて探っています。

「表現の新と万象の真」「驚きと感動の詩」

「一新一真」「都市詠の探求」「一句新世界」 

「ものごとの花」「沈黙の美」「内的宇宙」

「三物一句」「風情の継承」「平明深遠の詩」


これらの目標は、下記の3つに大きく分類することができそうです。


俳句の目標の分類

◇何を詠むか◇
「ものごとの花」「沈黙の美」
「内的宇宙」「都市詠の探求」

◇どう詠むか◇
「表現の新と万象の真」「一新一真」
「三物一句」「一句新世界」

◇何をめざすか◇
「驚きと感動の詩」「平明深遠の詩」
「風情の継承」「一句新世界」


今回はこれらの俳句の目標のなかの『都市詠の探求』について、簡単な解説と実際の作品をまとめました。


◇俳句の目標 『都市詠の探求』

『都市詠の探求』は、四季折々の都市の「美」と暮らしの「真」を作品に詠みあらわす試みです。

「何を詠むか」の分類に入る目標です。

これを個人的な目標に取り入れた理由は、現代の俳人として都市は詠むべき対象であり、口語俳句でどれほど現在的・現実的な作品に仕上げることができるかを検証するためです。

俳句で都市の情景を詠むことは、現在でもあまり積極的に行われていないようです。

俳句の主流である文語俳句では四季の自然とその暮らしをうたいあげることが重視され、使う言葉などの問題もあるためです。

古典語・歴史的仮名遣い・古典的切れ字を使って、現代的なものをリアルに詠むのは実際むずかしいです。

一方で、口語俳句であれば比較的詠みやすいように思います。

口語俳句の場合だと、現代語・現代仮名遣い・現代的切れ字を使って、

そこにさらに、ふだんの話し言葉、記号、句読点、カタカナ、外国文字、アラビア数字、分かち書きなども自然に活かして詠みあらわすことができます。

ただ都市の情景を詠んだ俳句作品は、

稚拙、俗、わざとらしい、大げさ、陳腐、ただ事、

などに陥りやすい傾向があるようです。

その原因として、前例となる作品がまだ少なく「十分な成功・失敗」が積み重ねられていないことがありそうです。

最後に、俳句で自然の情景だけでなく、都市の情景も自在に詠むことができるとしたら、

俳句で詠めないものは、ほぼなくなります。

都市詠は、口語俳句の本領が発揮できる分野の1つになる可能性があることも感じました。


口語俳句 『都市詠の探求』
四季折々の美  最近の10句

まちのなかさくらのなかよ大阪城

街空にきえてもとぶかしゃぼん玉

ショーウインドウ街を映すか夕桜

来る春よ蛇口を落ちるみずのおと

むこうにもせかいかがやく噴水よ

葉ざくらよかげとひざしの珈琲店

アイスティー机に琥珀いろさして

ひこうき雲夏の行方を見るような

東京は灯のかずほどのすずしさよ

なつのほし灯りたくさん帰港して


口語俳句 『都市詠の探求』
暮らしの真  最近の10句

あゆみ出てぐるり大かげろうの街

すこしずつ都会も老いておぼろ月

交番よかたわらに舞うあさざくら

ランニング朝焼けの街はずみだす

生き死にの蛾をきらめかす外灯よ

タクシーを黒く拭きあげ梅雨間近

この街よすこし見なれて土手の虹

ふんすいよあおぐ戦後の果ての空

目つむってまたふるさとへ遠い夏

コンビニのとなりコンビニ夏の月
 

*個人の見解で選句をして
小作品集として構成したものです

他の目標についても順次取り組みをすすめて、作品として具現化していければと考えています。


いつも
ご覧いただき
ありがとうございます


*個人的な目標、考えを短く記しました

*これらの俳句の目標は、過去の学びから得たものを再構築、再構成、言い換えたものです

*至らない点、充分に書き尽くせていない部分もあると思いますがご容赦ください

*俳句については個人・団体によって様々な考え方や見解があります


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