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水着はないけど、スカボロービーチ

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山下由のオーストラリア滞在記。ウルルは大きなちゃんみたいでした。
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2019年8月の記事一覧

水着はないけど、スカボロービーチ

水着はないけど、スカボロービーチ

タカシくんという男の子と仲良くなった。
彼は山口にある大学を休学してオーストラリアに来ていた男の子で、僕より2つか3つ年下で、英語が堪能なよくしゃべる男だった。

何故か僕になついてくれて、よく彼の家に遊びに行ったりしていた。彼はヘラヘラしながら「コーヒー飲む?」と僕にコーヒーをすすめてくれた。飲んだコーヒーは今まで飲んだどんなコーヒーよりもまずく、どうやって作ったのか聞くとドリップコーヒーとイン

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ルームメイトのジョンくん②

ルームメイトのジョンくん②

前回の続き
ジョンはプレステが大好きだった。毎晩ケンブリッジの英語教材に向かう僕に「勉強は身体によくないよ」と言いながらプレステにいそしんだり、コメディードラマのフレンズを見て最終回には「さみしいよ俺は」とか言いながら泣いたりしていた。

ある日家に帰るとプレステがなくなっていた。遅れて帰ってきたジョンにどうしたのと聞くと「ユウ。俺はこのままじゃだめだ。何のためにここにきたのかわからなくなる」と言

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ルームメイトのジョンくん①

ルームメイトのジョンくん①

オーストラリアで最後暮らした家は韓国人と日本人が一緒に暮らしているシェアハウスだった。スワンリバーにほど近い住宅街にある家でやたらと広い家だった。オーストラリアは都市部以外は基本的に高い建物がなかった。とにかく土地があるから上に伸びる必要がないからだと思う。その家も平屋で日本ならもう一つ小さな家が建てられそうなくらいの庭があった。

僕の部屋は玄関入ってすぐのところにあり、ジョンという少し年上の韓

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スカボロービーチでデート

スカボロービーチでデート

サンダルを遠くに投げて遊んでいたらどこにいったかわからなくなってしまった。飛んだあたりを結構探したけど砂にまぎれたのか全然見当たらない。仕方がないから片方はだしで歩いた。隣ではツユカが「大丈夫?」と心配してくれていた。やっと好きな女の子と一緒にスカボロービーチに来ることが出来たのに僕はサンダルが片方ない情けない感じのまま砂浜を彼女と一緒にしばらく散歩した。

オーストラリアまでいって僕が好きになっ

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