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insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力 要約/まとめ/感想 【5分で読めます】

自分のこと、本当に理解できてますか?

こんにちは。くろです。

今回は"insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力"の要約、まとめ、感想です。

本書は組織心理学者のターシャ・ユーリックさんが書いた本で、Strategy+Business誌が選ぶ2017年ベストビジネスブック賞(マネジメント部門)を受賞しています。

目次
1.こんな人に本書はおススメです
2.わたしの購入理由
3.本書の内容
    A.本書の結論
    B.21世紀のメタスキル
    C.自己認識の構成要素
    D.自己認識を阻害する心の動き
    E.内的自己認識
    F.外的自己認識
    G.まとめ
4.アクションプラン
5.感想

1.こんな人に本書はおススメです

・自分の長所と短所をすぐに言えない方
・SNSに長い間のめり込んでしまう方
・最近周囲から注意や指摘をされていない方

2.わたしの購入理由

自己啓発やビジネス系の本を読むようになり(とは言っても10冊程度ですが…)、どの本でも自分の能力を知ることが重要としていました。

"7つの習慣"の「影響の輪」や"論語と算盤"の「蟹穴主義」、"夢をかなえるゾウ"や"Think clearly"でも同様の内容が出てきますね。

ただこれらの本は、自分を知ることが重要なことは理解できたのですが、自分を知る具体的な方法が書かれていませんでした。

そこで、本書読んで自己理解を深めようと思ったのです。

3.本書の内容

A.結論

自己認識は21世紀を生き抜くために必要なスキルであり、内的自己認識と外的自己認識の両方が必要である。

B.21世紀のメタスキル

本書では自己認識のことを「21世紀のメタスキル」と評しています。

「メタスキル」とは「スキルを活用するために必要なスキル」です。

昨今、コミュニケーション力や影響力、共感力が求められていることは周知の事実ですが、それを上手く使うために自己認識が必要なのです。

たしかに、コミュニケーション力を発揮するには自分がどういったコミュニケーションが得意なのかを理解する必要がありますよね。

また、自己認識には「内的自己認識」「外的自己認識」が存在します。

「内的自己認識」は価値観や野望、理想や行動思考のパターン等の理解を指します。
「外的自己認識」は周囲から自分がどう見られているかを理解する能力です。

近年の研究では、「内的自己認識」と「外的自己認識」の差が大きくなっていることが明らかになっているそうです。

SNS等が普及していく中で、自分の劣っている部分や弱い部分を隠し(もしくは自分でも認識せず)「いいね」を貰う投稿を繰り返すことで、本当の自分よりも良い認識をしてしまうのです。

そこで本書は自己認識を「自分自身と他人から自分がどう見られているかを理解しようとする意志とスキル」であると定義しています。

C.自己認識の構成要素

自己認識は7つの構成要素で成り立っています。

価値観 自分が送りたい人生の行動指標
情熱 自分が何に愛を持って取り組むのか
願望 自分は人生に何を求めているのか
フィット 自分が幸せで力を十分に尽くせる環境
パターン 思考や感情、行動の一貫した傾向
リアクション 自分の力量を周囲に知らしめる行動、感情、思考
インパクト 自分の行動が周囲にどう影響を与えるか

以上の7点について、内外からの視点を意識することが重要なのです。

D.自己理解を阻害する心の動き

自己理解とは逆の概念を自己欺瞞と呼びます。
例えば「自分はコミュニケーション力がある」と思っている人ほど人の気持ちが理解できないという状況です。

自己欺瞞は誰しもが起こす可能性を持っています。
なぜなら、自己欺瞞は人間の本能的な3つの心の動きが原因だからです。

1.認識の盲点
自己の能力を認識する際、人は実際のパフォーマンスからでなく自分の思い込みから認識してしまう

2.感情の盲点
重要な決断であっても、その時の感情に大きく影響されてしまう

3.行動の盲点
自分の行動を自分は客観的に見ることができない

以上3つの心の動きが自己欺瞞の原因です。

端的にいえば、理想の自分になるよりも自分は理想の状態だと思い込む方が簡単なのです。

本書では自己欺瞞に対する解決策を3点挙げています。

❶周りのせいにしない
人間は物事がうまくいかない時、周囲が悪く自分が悪いとは思わない生き物です。
「俺が評価されないのはあいつらがバカだから」というやつです。

❷学び続けること
学ぶことで以前の自分に能力が不足していたということに気づけます。

フィードバックを求める
自分のことを客観視できないのであれば、他者から評価してもらう以外に方法はありません。
このフィードバックが最も自己認識に有効であると本書は評しています。

さらに、今の時代が作り出した自己欺瞞として「セルフィー症候群」を挙げています。
SNSで自分の写真や映える写真をアップしても、自己欺瞞が進みます。
そもそも誰もあなたに興味なんてないにもかかわらず、理想の自分をSNS上に作り出してしまい、本当の自分を見失うのです。

E.内的自己認識

内的自己認識とは読んで字のごとく、自分を内側=自身側から認識することです。

内的自己認識への効果的アプローチは3つです。

Ⅰ.マインドフルネス
昨今は一般的になったマインドフルネス=瞑想です。
本書ではマインドフルネスを「自分の思考、感情、行動に気づくこと」と定義しています。

マインドフルネスの方法として、リフレーミングを上げています。
リフレーミングとは、物事を複数の角度から見ることです。
昨今の自粛ムードで新たなビジネスモデルが生まれているのはリフレーミングがうまくいっているケースが多いように思います。

本書で紹介しているマインドフルネスは昨今話題の格式ばった瞑想以外もあります。
毎日寝る前に「今日うまくいったこと」や「ダメだったこと」、「学び、明日からの行動変容になるもの」を思い出すこともマインドフルネスです。

Ⅱ.ライフストーリー
これまでの人生を振り返り、その時々で変化する自身の感情や一貫している考え方を見つけることです。

Ⅲ.ソリューションマイニング
問題ではなく解決策に注力することです。
自分の求める将来像とマインドフルネスで見つけた今の自分とのギャップを埋めることに集中しましょう、という意味です。

F.外的自己認識

外的自己認識とは、自分が周囲にどう見られているかを理解することです。

大抵、自分は自分を客観視できていると言う人ほど、自分を客観視できていません。
自分よりも周囲の人のほうが自分を客観視できるという事実から目を背けているからです。

そして、この外的自己認識は手に入れることが難しいです。
それは、周囲の人も人の欠点を指摘するのに心理的ハードルが高いことに加え、指摘される側も指摘を聞き入れるのに抵抗を示すためです。

本書では外的自己認識を手に入れるための最初のステップを、自己の欠点に対する指摘はとても価値のあることだと認識することとしています。

次のステップは、フィードバックを聞く相手を選ぶことです。
愛のない批判者や、愛しかない同情者の話を聞いてもムダなので、愛のある批判者を探すことが重要です。

また、フィードバックを受けた際は「受け止め」「向き合い」「行動に移す」の3ステップを踏む必要があります。
ただ、このステップにすぐに踏み切ると心が追い付かないことが多々あるので、数日経った後に実行すべきです。

フィードバックに関して留意しておきたいのは、「自分が変わらなければならない」ということではないということです。
どう頑張っても変えられないこともあると割り切っておくことも必要なのです。

G.まとめ

本書の結論を再掲します。

自己認識は21世紀を生き抜くために必要なスキルであり、内的自己認識と外的自己認識の両方が必要である。

そもそも人間は自分を過大評価しやすい生き物であり、加えて昨今の社会は自己評価を肥大化させます。
そんな中でも自分を見失わないよう、自分を見つめたり他者からのフィードバックを真摯に受け止める必要があるのです。

4.アクションプラン

毎日寝る前に「今日うまくいったこと」と「今日うまくいかなかったこと、明日からどうするか」を目を閉じて考えます。

仕事がひと段落するたびに、自分の仕事や業務について信頼できる人にフィードバックを求めます。
できれば飲み会の場を設けます。

5.感想

英語翻訳の本ですが読みやすかったです。
主張部分が太字になっていてメリハリもありました。

ただ、具体例が多く長かったです。
文字数増やして本の単価を上げたいのかな?と思いました。

また、論理構造を読み解くのが難しく、章の関係性が不明瞭でした。

しかし、この情報化社会で自分のというものを見失いがちだということ。
良い人生を送るには自己理解が不可欠だということがわかりやすくまとまっていました。

是非学生の方にも読んでほしいです。
というより、学生時代に読みたかったです。

最後に

お読みいただきありがとうございました!
良いと思っていただけたら、是非「スキ」をお願いします!
感想やよくわからない部分、おススメの本がありましたら是非コメントください!






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