見出し画像

【5分で読めます】ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式  要約/まとめ/感想

殺しあうのがニュータイプじゃないでしょう

今回は"ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式"の要約、まとめ、感想です。

著者の山口さんの著書である”世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか”を読み、非常にためになったため今回も読むことにしました。

今の時代に対する考察と、これから評価される考え方を「ニュータイプ」として紹介しています。

本書の結論

これまで評価されてきたような従順で論理的で勤勉な人材は「オールドタイプ」として価値を失い、一方自由で直感的で好奇心の強い「ニュータイプ」は今後価値を生み出し評価されるでしょう。

6つのメガトレンド

なぜオールドタイプは評価を下げ、ニュータイプは評価を上げるのか。
それは昨今の大きな社会情勢(メガトレンド)が関わっています。

モノの飽和と意味の枯渇

今の日本では、日常生活に必要なものはまず間違いなく手に入ります。
一方、そんな恵まれた状況にもかかわらず我々は何とも言えない欠乏感を持ちながら生きています。
ニーチェはこの状況をニヒリズムと呼び、「何のために、という問いに答えられない状態」としています。
我々は「モノ」はあるけど「意味」が無い時代を生きているのです。

問題の希少化と正解のコモディティ化

前項でも触れましたが、我々は日常生活を送るうえで必要な物にはまず間違いなくアクセスできます。
言い換えれば、目立った不安や不満が無い状況です。
つまり、今の時代は問題が希少化してきています。
逆に、問題解決(正解を出すこと)は検索すればすぐに出てくるようになりました。

ビジネスは問題があってそれを解決するという構図でしかありません。
問題が希少化し、正解があふれかえるこの時代では、問題解決よりむしろ問題発見のスキルが求められます。

クソ仕事の蔓延

モノがあふれ問題が希少化した結果、我々は意味のない仕事いわゆるクソ仕事を生み出すようになりました。
もうすでに我々は働かずに生きていけます。必要最低限の生活は働かなくともできます。
それでも我々は1日8時間以上働いています。
労働に対する需要減っているのに、供給量が変わらないためにこういった問題が発生しているのです。

VUCAの時代

社会がVUCA化してきているということが昨今騒がれています。
社会のVUCA化について3つポイントがあります。
①経験の無価値化
 ⇒すぐに状況が変わる社会では経験に価値がなくなります。
②予測の無価値化
 ⇒未来の予測は構造的に不可能です。そのため、予測すること自体が無価値です。
③最適化の無価値化
 ⇒システムに対して自己を最適化しても、それ自体が明日には時代遅れになりうる時代です。
このように移り変わりが激しい社会では、最適化よりも柔軟に構えるほうが重要です。

スケールメリットの消失

これまでは強いビジネスとは大きな工場を立てて莫大な広告費をつぎ込むような巨大ビジネスでした。
しかし、今日スケールの大きさはメリットよりもむしろデメリットになるようになります。
それは限界費用のゼロ化とメディアと流通の変化が原因です。

スケールメリットの代表はコストの縮小でしょう。
たくさん買った分安くすむというアレです。
しかし、インターネットが普及した現在はコストが限りなく低くなります。
また、テレビをはじめとしたメディアでの広告は大衆向けであるあまり全体最適をとるようなものでしかありませんでした。
ただ、現在は大衆向けにするよりもむしろ尖らせてある一定層のみにアプローチするような商品設定が成功するきらいにあります。

寿命の伸長と事業の短命化

ライフシフトにも書かれていましたが、まもなく「人生100年時代」がやってきます。
結果として、60歳でリタイヤして余生を過ごすというライフプランは描けなくなります。
一方で企業の寿命は年々短くなっているという統計結果があります。

したがって、我々はリタイヤまでに複数回の職業変更を迫られることとなります。

これまでは腰が据わらない、一貫性がないと批判的に捉えられていた、何が本業なのかハッキリさせずにいろんな仕事をする方がニュータイプなのです。

ニュータイプの行動様式

本書にはニュータイプの行動様式が24つ紹介されています。
本まとめではその中から3つ、ピックアップして紹介します。

未来は予測せずに「構想」する

現代はみんな未来を予想しようとします。
しかし、これまでの大きな社会問題を予想できたことは実は無いのです。
リーマンショックも、コロナショックも、専門家の予想を遥かに上回る打撃を与えています。
オールドタイプが好むような「予測」は実は意味がないのです。

逆にニュータイプは未来を「構想」します。
我々が手にしている全てのものが、誰かが「これを作りたい!」と思って発明したものなのです。

人工知能に取られる仕事はなんなのか、そんな「予測」をする暇があるなら、こんなことができたら素敵だなと言った「構想」をすべきなのです。

専門家と門外漢を区別しない

先に述べたVUCAの時代や、予測の無意味化が意味することとして、専門家の権威失墜があります。
これまでにどんな実績があっても、それがこれから先も続くとは限らないからです。
広い知識を持っていても、それがすぐに役に立たなくなるのです。

逆に、門外漢の評価が上がってきています。
専門家の評価が下がるので相対的に評価を上げる以外にも、インターネットの普及で門外漢の数が大幅に増えていることで最新の知識を持った門外漢に出会える可能性が上がっているのです。

また、門外漢だからこそ自由な発想ができるというのもあります。
具体例をあげれば、進化論で知られるダーウィンは生物学者ではなく地質学者です。
また、長きにわたって数学者を悩ませ続けたフェルマーは、数学者ではなく裁判官でした。

専門家の意見で意思決定するのはオールドタイプであり、ニュータイプは色んな人から意見を集めてフラットに判断するのです。

積極的に逃げよう

生物には痛覚があります。
痛覚がなければ自分の体に良くないことが起きていてもそれを感じられないため、大変なことになります。

しかし、日本は痛みといったネガティブな状況を我慢することを美徳としています。
これは生物が生きるために作り出した痛みという武器を捨てる行為に等しい、オールドタイプの考え方に他なりません。

なぜ我々は「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ」となってしまうのか。
それは逃げないということが社会システムとして逃げる人を作らない方が良いからです。

逃げる人がいると、逃げない人が不安になります。逃げないという選択に自信が持てなくなるのです。
また、逃げる人が出ると残された人の負担が増えます。
こういった不具合がシステム上に発生するので、逃げるのは良くないという規範を作ったのでしょう。

ただ、孫氏の兵法でも逃げることは最上の策とされていますし、逃げることをしなかった日本軍が第二次世界大戦でどうなったのかは皆さんの知る通りです。

行き先が決まっていなくとも、「なんかヤバそう」という匂いを感じたら逃げるのがニュータイプなのです。

感想

山口さんの著書「なぜ世界のエリートは美意識を鍛えるのか」でも思いましたが、非常に読みやすい本でした。

今の社会がどうなっているのかが良くわかり、実感することもあり、これかあのキャリアを考えるいい機会です。

転職を考えている人や就活生に読んでほしい本です。

毎章に明言があるのですが、そこにララァが居て笑いました。

最後に

お読みいただきありがとうございました!
良いと思っていただけたら、是非「スキ」をお願いします!
感想やよくわからない部分、おススメの本がありましたら是非コメントください!


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?