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3行日記 #162(鼬、赤いロボット、反発)

三月二十日(水・祝)、台風のような横殴りの雨のちくもり
春分、雀始巣、すずめはじめてすくう、スズメが巣をつくり始める。
春分、雉鳴撲翅、きじなきはねをうつ、雉が鳴いて母衣(ほろ)打ちをする。

午前、嵐山へ。うわさには聞いていたが、海外からの旅行客だらけ、ひとで溢れている。途中、電柱の根元に一匹の猫が休んでいるのを見つけて近づいてみたが、いっこうに逃げる気配がない。おかしいなと思いながら、さらに近づいて顔をのぞくと、猫ではなくイタチだった。目をつむったまま動かなかった。妻の職場に通っている男の子の個展へ。型紙でつくったロボットの頭のところにプラスチック容器でできたコックピットがあり、そのなかで赤いロボットが操縦していた。

昼、展示を見てうろうろしているうちに、台風みたいな横なぐりの大雨になった。雨宿りしながら木のベンチに座って、持ってきたサンドウィッチを食べる。たまご、カツサンド、最後にパウンドケーキも。

午後、雨が弱まってきた瞬間をねらって福田美術館へ。竹内栖鳳の企画展をやっていた。お弟子さんとの相関図があり、橋本関雪という画家との間柄には、反発、と書かれていた。飾られていた画の作風も、まわりの作品とくらべて異質に見えた。てらおかなつみさんとコラボしたメモ帳とポストカードを買った。

夕方、チャックの散歩、雨が降るかもしれないからガード下に行こうと誘ってみたが乗ってこず北へ。しばらく進んだところで案の定、雨脚が強くなりはじめ、慌てて帰宅。不満そうに引きずられながら帰ってきた。商店街の喫茶店へ。店の前の角にひとが集まっている。そのなかの一台の自転車のハンドルに、スマホが四つも並んで取りつけられていた。どうやら、ポケモンのなにかで盛りあがっているみたいに見えた。

夜、ポークチョップ、肉じゃがの残り、林檎。チャックの散歩、神社を抜けて東へ。ブラックな美容室をのぞいてみると、四人くらいが扇状に椅子に並び、その視線の先にひとりの男が脚を組んで怖い顔をしていた。ファミマを右に折れて、ぐるっと回って、JRの駅前をかすめて帰宅。最近、チャックが家の玄関をまたごうとしない。まだ散歩をしたい、家に入りたくない、ということなのかなと思っていたが、もしかしたら、玄関の上がり框をジャンプしてあがるのが怖いのでは、という話になった。そういえば、夕方は雨で足の裏が濡れていて、足を滑らせていた。しばらく様子をみよう。

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