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3行日記(ガマの種、珈琲休憩、俵万智)

十一月二十六日(日)、晴れ。
小雪、朔風払葉、きたかぜこのはをはらう。

福井にいる。昨晩は気温が下がり、明け方には一度まで下がったらしい。

昼、父と蕎麦屋、おろし蕎麦を食べる。帰宅してから妻が大根を引っこ抜いた。散歩へ。小学校の同級生のお母さんが自宅でやっている紙粘土教室の前を通って、中学校の部活の後輩がやっているたこ焼き屋に行こうとしたのだが、急に計画を変えて、ふるさと文学館のほうへ歩くことにした。福井市民は絶対に歩こうとは思わない距離だ。大冒険だ。

途中、畑の一角に、ガマの群生をみつける。茶色いうまい棒みたいなものが先っぽについた茎が、たくさん伸びている。妻が、そのうちの一本を掴んで、うまい棒を指で押して刺激すると、腫れたようにむにゅっと盛り上がり、破裂し、中から大量の綿毛の種が溢れ出て、風に流れていった。チャックや、チャックの抜け毛や、と妻が喜んでいた。

最初の計画では、途中から私鉄に乗ろうと思っていたのだが、最寄り駅からも距離があり、陽射しも暖かく気持ちが良かったので、えいやと一気に歩くことにした。

途中、陶器が並んでいるお店を見つけた妻が、箸を買いたいと言い立ち寄った。主に珈琲カップがあり、奥には喫茶のスペースもある。妻が箸を選んでレジに並ぼうとすると、なんと珈琲がサービスで飲めるという。カルディのようなサービスだが、こちらは紙コップではなく陶器の珈琲カップで、しかも席に座ってゆっくり飲める。チョコレートのお茶菓子までついてくる。休憩スポットにうってつけだった。隣にいるおばちゃん二人組は昨日も来たらしい。家族へのお土産に、タオル生地のハンカチと、一輪挿しを買った。

さらに歩いてようやく、ふるさと文学館に着いた。俵万智の企画展がやっているので行ってみることに。なんと無料だった。内容も展示方法も豪華なもので、これで無料でいいのかと驚いた。帰りも歩こうと思っていたところ、駅前までの無料バスがちょうど出発するところだったので乗せてもらって帰宅した。

#3行日記

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