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3行日記 #126(暦とぴたり、食い散らかす、傘事件)

一月二十五日(木)、晴れのちくもり、時々雪がちらつく
大寒、水沢腹堅、さわみずこおりつめる
大寒、款冬孕苞、かんとうほうをはらむ ふきのとう

昨日からこの冬いちばんの寒気がやってきているらしく、たしかに寒い。昨日からときおり雪がちらついている。積もるほどではないが。田舎に電話をすると、それなりに積もっているらしいが峠は越えたとのこと。スマホに昨年の写真が映し出される。ちょうど一年前の同じ日、ベランダに積もった雪を丸めて、ちいさな雪だるまをつくったようだ。昨年も今年も大寒のさなか。季節の暦とぴたりとあっていてすごいもんだなと思う。

夕方、喫茶店の隣の席で、二十代の女性二人が向かいあって話している。片方の女性が仕事の上司とのエピソードを話しているようだ。なんでできないんだと思う? 仕事のミスを上司に責められた片方の女性は、いやいやこんなにたくさんやってるから、詰め込みすぎやねん、と心のなかで叫びながらその言葉を飲みこんで、私の力がおよばないからです、と応えると、そうだね、と上司に返されたそうだ。どうすればいいと思う? 上司がさらに問い詰める。スケジュールを見直してしっかり管理します。女性がそのことを友人に話して当時の心境を思い出し、それを一年、続けたんやで! と語気を強めて訴えていた。いろいろ抱えながら、自分を押し殺して生きているひともいる。

夜、鶏もも肉とほうれん草と菜の花のペペロンチーノのペンネ、林檎。物価高が影響しているのか、最近、少し遅い時間にスーパーに行くと、鶏むね肉が売り切れている。チャックの散歩、区役所をかすめて南へ、夜の公園、文旦の黄色い実が、何者かに食い散らかされていた。引きちぎられた皮があちこちに散らばり、果汁がつまった実がぐちゃぐちゃになっていた。カラスかなにかの獣か、それとも、醜い人間のしわざか。帰宅後、ゆいてぃの傘事件の話を聞いた。

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