マガジンのカバー画像

Twitterに書いた言葉たち

101
Twitterに書いた言葉を集めたものです。
運営しているクリエイター

2022年6月の記事一覧

Twitterに書いた言葉たち(891~900)

891)強ばった身体の中で 骨が軋んで音を立てる 肉体を夢の前で脱皮して 入水すると魂は魚に擬…

黒崎 水華
2年前
7

Twitterに書いた言葉たち(881~890)

881)黒い液体を飲んでいる 黒い液体を飲んでいると 口の中で黒い渦が巻く 口の中で黒い渦が巻…

黒崎 水華
2年前
2

Twitterに書いた言葉たち(871~880)

871)逆さまに花開く肋骨の中で 女の頭部を抱いて睡る 唇に血を塗り化粧て仮縫い 剃刀は月に…

黒崎 水華
2年前
7

Twitterに書いた言葉たち(861~870)

861)駆け回る足音たち 真夏の砂がかき乱され 瓦解する岬の悲鳴 崖から飛び降りてゆく光たち …

黒崎 水華
2年前
1

Twitterに書いた言葉たち(851~860)

851)未知なるものの声をきく その時の静かなる嵐の前触れ (沈黙に耐えきれずに 瓦解する姿を…

黒崎 水華
2年前
1

Twitterに書いた言葉たち(841~850)

841)足は秒針を真似ている 六月の風が駆け抜けた先 矢継ぎ早に積み重なった時間が 化石の形骸…

黒崎 水華
2年前
3

Twitterに書いた言葉たち(831~840)

831)香辛料が喋り出すと 晴れ間がまた曇り始めた 満月のまじないは熱に浮かされて 頭の中で弾けるポップコーン 遠目には梟に見えただろう 食べ終わる頃には三日月を磨いて 太陽を洗い場で水に浸したら 乾くまで待って夜明けが来る頃 マッチで点火してやると 空は澄み渡った水面が 丁寧に敷かれているのだ 832)不穏さを傾けて耳を澄ますと いつも女の声でくぐもっている 怨嗟は時間で相殺するしかなかった (返礼に毒を含んだ花言葉を、) 花壇の下で消化されてゆくと 膿んだ肉塊も栄養でし

Twitterに書いた言葉たち(821~830)

821)風鈴が吊るされる空 その一つ一つに名が記され 音が幾重にも反響する 透き通った街の海岸…

黒崎 水華
2年前
1

Twitterに書いた言葉たち(811~820)

811)壁に凭れた花の影が 魔女の心臓を暗示すると 1000年前の約束を 律儀に守っている薬指が 砂…

黒崎 水華
2年前
2

Twitterに書いた言葉たち(801~810)

801)骨に彫刻を施して 月は一層滑らかな光を宿す 半透明な触手を排水口で飼う 淫蕩する夜更け…

黒崎 水華
2年前
1

Twitterに書いた言葉たち(791~800)

791)目まぐるしい季節の濃厚な吐き気 花が充満すると噎せ返るような 薫りの奥で刃先がチラつく…

黒崎 水華
2年前
1

Twitterに書いた言葉たち(781~790)

781)火の海に立つと 影は夜の嵐を呼んだ 「言葉のない翻訳をしてくれ」 投げ掛けた声が音に瓦…

黒崎 水華
2年前
1

Twitterに書いた言葉たち(771~780)

771)向日葵の種がこぼれる 邪悪な太陽が黒く燃えている 見えていたものが(みえていないのだ) …

黒崎 水華
2年前
1

Twitterに書いた言葉たち(761~770)

761)水に沈めた紫陽花が呼吸する (断絶され始める会話) 耳の奥で歌い始める沈黙 (呼応する嗅覚の球体化) やわらかな死への憧れ (滑空する指先の帰休) 内側にくい込んでゆく楔 断罪の断面の潔さの 区切られた躯の境界線を 繰り返し恙無く飽和させた 眠り始めた器官の泡沫の寝言 吐かれた酸素の袋が弾ける 762)死んではいないか?」 殴るような問いかけで 私は指先を確認する いき て いるのか」 腕を持ち上げるとかわいた音 皮膚の摩擦が空気に霧散するのか 鴉の嘴が刺さったよう