見出し画像

#007 コンプライアンス意識のない会社に共通して置いてあるモノ

今回は、私が実際にかなりの確率で経験した、とある“指標”に触れたいと思います。

博多駅前の路上でタクシーを拾うな

福岡に住むようになって、ひとつ先輩から教えてもらったことがあります。
それが、博多駅前からタクシーに乗る時は、必ず「タクシー乗り場」から乗って、駅前のバス停や交差点の横断歩道とかで客待ちしているタクシーには絶対に乗るなという教えでした。

現在の建物に建て変わる前の当時の博多駅は、駅前にやたらと広いタクシープールがあったのですが、その割に乗り場が少なく、天候や時間帯によっては順番待ちの長い列ができることもありました。
少し歩いた駅前の通りには各方面へのバス停がいくつも並んでいるのですが、その近くや交差点の横断歩道の真横とかに停まっているタクシーならすぐに乗れたりするんですね。

でも、こういう場所は本来「駐停車禁止」なので、そこにタクシーを停めて客待ちすることは「違法行為」なんです。

道路交通法はお客様を乗せて目的地まで安全にお送りするタクシーとしては、真っ先に守らなければいけないルール。
その基本的なルールが守れないという事は、いわば「氷山の一角」なので、そのルールのひとつすら守れないドライバーが、挨拶やマナーといった接客態度や安全運転といった「他のルール」だけは守れて気持ちよく乗る事ができるか考えたらわかるだろ?という理由でした。

職場内に「灰皿」がある会社は要注意

これと同じような理由で、私の経験上かなりの確率で経験したのが、商談に使うスペースや応接室といった職場内に「灰皿」がある会社は要注意ということ。
もしスタッフのいる事務室にまで灰皿があるような会社は…もうアウトですね。

一昔前なら、お客様や取引先のお座りになる場所に灰皿が置いてあったりするのは“おもてなし”の一つとして当たり前で、特に応接室などでは切子細工のようなガラス製とか、手描きの模様のついた有田焼が漆塗りの箱に納まったような、見るからにお高そうな灰皿が置いてあったりして、それがその会社の格やステータスの一部に見えたりもしたものです。

私のような年代だと、国内で「たばこ」の生産や販売をしていたのは日本専売公社で、例えば肺がんのリスクやニコチン依存といった健康への影響を問われても、国営事業ですから一切認めようとせずに完全否定していた時代があったのを記憶している方もいらっしゃると思います。

ただ…時代の変わった現在は、喫煙が健康に与える悪影響をWHOや厚生労働省が認めて、国が逆に禁煙を勧めるような時代。
さらには直接喫煙をする本人だけではなく、いわゆる副流煙が周囲の人に与える悪影響も認識されるようになり、受動喫煙防止法のような法的な整備までされるようになりました。

つまり職場のような喫煙者ではない不特定多数の人間が集まる場所での喫煙は、もはやただの「マナー違反」ではなく、立派な「違法行為」なのです。

そんな時代の変化にもかかわらず、地方の小さな会社とかにありがちな従業員やお客様は全面禁煙なのに、社長室や幹部の机だけには灰皿があって喫煙が許されているような会社は…要注意ですね。

これは前述のタクシーと同様に単なる喫煙に関わるだけの問題ではなくて、企業自体にはコンプライアンスや社内ルールが定着しているように見えても、実は社長や幹部だけは無法地帯でやりたい放題だったり、法律やルールを無視して勝手な解釈をしたり、部下が社内でそのルール違反に上申できないようなワンマン経営だったりするサインかもしれません。

また「俺達の頃は当たり前だった」と古い時代のしきたりが残っていたり、時代や法律のの変化や業界のトレンドなどにも「昔は大丈夫だった」みたいに対応しきれずに、後々取り残されていく会社の可能性もありますね。

ちなみに私は喫煙をしないので、その時に吸っていなくても、その場所で普段から喫煙しているかどうかはすぐに嗅ぎ分けられます。
実はとある企業の採用面接時に、小さな部屋なのにやたら大型の空気清浄機が置いてあって、それなのにその部屋全体から煙草の臭いがするのと、机の上に使用感のある灰皿があるのに気がついていました。

今思うと、この灰皿と空気清浄機の存在が労働環境とかの喫煙以外のコンプライアンスも守れる会社なのかどうかを教えてくれていたサインだったはずなのですが、それを見て就職を考え直さなかったことを今更ながら後悔していたりします…。(笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?