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#004 上司と部下の関係を超えた「教祖&信者」が組織の中で引き起こす問題

皆さんの会社や組織の中に「尊敬する上司」や「慕われる部下」はいるでしょうか?
今回は私自身の経験も踏まえて、そういう関係の中に潜む上下関係の罠について触れたいと思います。

ひろゆきが呆れる「頭の悪い人の特徴」ワースト1(ダイヤモンドオンライン)

以前に見た「Yahoo!ニュース(※)」の記事でこのような話題を見つけました。
インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」の元管理人である、ひろゆき氏の記事です。
※現在はYahoo!ニュースでの配信が終了されているため元記事の「ダイヤモンドオンライン」の記事へのリンクを載せています

特定の個人を信じてしまうことです。つまり、「信者」になること。信者になってしまうと、どんなに間違った意見を言っていても理解者であろうとしてしまいます。

私自身の経験も踏まえると、まさにその通り。
そういう「教祖と信者」のような関係の人が会社のような組織の中にいると、周りの人間関係や組織の崩壊を引き起こしたり、時にはとんでもない暴走を起こしてしまったりすることがあります。

「尊敬する上司」や「慕ってくる部下」とは違う主従関係

例えば大学を卒業して就職したばかりの新人のAさんが、その頃の直属の上司だったBさんから丁寧に仕事を教えてもらったり、疑問や悩みにも親身に相談に乗ってもらったとかで、仕事だけでなく趣味やプライベートでもつき合いのある信頼できる上司と部下の関係になることは普通にあることだと思います。

そういった信頼感が良好に構築された場合は、お互いに良い点を生かしたり課題を指摘しあうなど、欠点を補いながら上手に仕事を進めていける関係になるでしょう。

でも皆さんの会社や組織の中でも心当たりはないでしょうか?
「B係長は素晴らしい人」だと信じ込んで疑わず、指示には絶対的に従って常に後を追っていこうとするような人。

さらに他人や部下がB係長の仕事のやり方に批判や指摘をしているのを耳にしたりでもしようものなら、まるで自分の悪口を言われたかのように激怒したり反論してきたりするので、周囲から「Aさんの前で絶対にB係長の悪口を言ったらダメよ!」なんて言われている人とかいませんか?

まぁそういう部下を持つB係長のような人って、やたら仕事以外の面倒見がいいだけの親分肌だとか、仕事に関しても思い付きや行動力はあるけれど、物事を全体的にとらえて判断したり周囲に意見を求めて慎重に行動するような能力のある人ではなかったりすることが多いんですけどね…。

職場の中の「教祖」&「信者」が引き起こす問題

こういう場合、AさんはB係長の考え方や判断を疑わず、その指示や教えにも疑問を持つことなく従ってしまいます。
そしてB係長にとっては、自分の指示ややり方に異論を唱えてくるような他の部下よりも、一切反論することなく素直に従ってくるAさんの方が圧倒的に使いやすいわけですから、様々な仕事をAさんだけに任せるようになります。

このような状態が続くと、もはや「上司と部下」の枠を越えて、まるで「教祖と信者」のようなより強固な主従関係が出来上がってしまうんですね。

もちろん周りの同僚などはこの関係に気づいていて良く思っていなかったりするのですが、この時点ではまだ二人の位置は会社という組織では下の方。
それから上の幹部とか違う部署の同僚たちには直接の影響がないため、大体は「触らぬ神に祟りなし」と放置されることがほとんどなのです。

その後に起きてくる組織内での空回りと崩壊

一般的な企業や組織は、社長のようなトップから部長や課長に係長とツリー形式に部下がつく体系が一般的です。
そして古い体質の企業や組織であれば、この上下関係を外れたルートで指示を下したり、直接幹部に意見を上申することはNGという場合があります。

この2人にもやがて年月が経ち、Bさんは幹部である部長に昇進。
Aさんも自らの下に係長やヒラ社員といった部下を何人も抱える中間管理職の課長に昇進していました。
A課長の担当する部署では、コロナ禍への対応など現場では様々な問題が起き、部下の不満も日に日に溜まっていました。

そんな中、部下であるCさんがA課長に対して、幹部のB部長に対して改善を求めるよう申し出てほしいと懇願します。
ところがA課長にとってB部長に意見をするということは、自分が信じて疑わない“教祖に説法”以外の何物でもないので、絶対に申し出ることはしないのです。

むしろ、自分の絶対的"教祖”であるB部長の指示に背いて悪口を言っているととらえ、逆にCさんを攻撃するようになるのです。

そういうA課長のCさんに対する扱いを目の前で見せつけられると、もはや部下や周囲の人間は黙って我慢をし続けるしかなくなってしまいます。

その結果、状況が改善されないままとなった現場を担当していた部下の不満や失望はピークに達し、一人また一人と退職。
残ったスタッフの負担が増したことで、結果として加速度的に組織が崩壊してしまうことになりました…。

実は組織の崩壊だけではなく、こういう上司と部下を越えた「教祖と信者」の関係が、とんでもない暴走を引き起こした事例に遭遇した経験もあるのですが、こちらは折を見て触れたいと思います。

※この投稿の内容は一応フィクションです。実在する企業や団体とは多分関係がないんじゃないかなぁと思っていただけると幸いです。(笑)

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