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心理的安全性×年功序列の相関性

私事ですが、最近組織における心理的安全性について調べ資料にまとめる機会があり、その中で年功序列との関連性が見えてきたので、メモとして投稿します。

こんにちは、株式会社クロコという会社を経営しております谷田部といいます。
2020年7月に会社を作り、人材にかかわる仕事をしております。

本日の谷田部の流儀は、【心理的安全性×年功序列】について書きたいと思います。

本投稿を読んでほしい方は以下の通りです。
・長年同じ会社にいるが徐々に働きにくさを感じている方
・新卒でどんな会社に入ろうか迷っている22卒の方

心理的安全性とは?

「心理的安全性」とは、他者からの反応に怯えたり、羞恥心を感じたりすることなく、自然体の自分をさらけ出すことができる状態を意味する。

 2015年に米グーグル社が、「心理的安全性は成功するチームの構築に最も重要なものである」と発表したことで注目を集め、以降は心理的安全性に多くの企業が関心を寄せています。

年功序列とは?

年功序列とは、年齢や勤続年数に応じて、役職・賃金を上昇させる人事制度のこと。 「年功賃金」や「年功序列型賃金制度」とも呼ばれています。 

「年功」とは「長年にわたる功労や功績」という意味で、年功序列制度は「勤務年数や年齢が高くなるほど経験やスキル、ノウハウが蓄積される」という考えに基づいて運用されています。

相関性について

前提として、心理的安全性とは組織活性化のための考え、年功序列は評価制度であり、この2つはもともと別軸の話であることを認識ください。

そのうえで従業員に与える影響という観点で相関性を考えてみました。

年功序列が当たり前だったころ(サザエさんの世界をご想像ください)は、自分から会社を辞めない限り会社に居続けることで社内評価が上がり続けるという状況でした。

だからこそ従業員は会社からの様々な要望を受け入れることができたのです。

新卒の給与が能力を問わず一律、全国転勤、全職種異動等。

つまり従業員としては会社からの要望を受け入れるかわりに終身雇用、年功序列という特典(プレミアム)を手に入れていたのです。

だからこそ従業員は会社や従業員から怯えることなく、日本的心理的安全性(造語)を担保できていたのだと考えられます。

では、現在を見てみるとどうでしょうか?年功序列を体現していた日本最大の企業体であるトヨタが成果主義を取り入れ状況は一変しました。

年功序列が崩壊したということは、日本的心理的安全性も同時に崩壊したと言えます。

メディアではしきりに年功序列の崩壊や終身雇用制度の崩壊を取り上げていますが、私として深刻だと思うのが、この事象により心理的安全性が担保されずに組織に不調和音が生じる会社が発生する可能性が高いということです。

今後どうなる?

まず、第一に新卒社員にその波が押し寄せると考えます。

能力があるなしに関係なく社内で一番低い給与で雇われ、今後成果主義ということで年収が上がらない可能性が高いからです。

そんな中で若いからという理由で全国転勤、総合職として専門性が身につかないようなジョブローテーションが発生するので、転職市場で価値が付きにくい人材となることが予想されます。

第二に、働かない世代への希望退職を踏まえた圧力が考えられます。

この谷田部の流儀でもたびたび取り上げていますが、赤字でもない会社が日々希望退職を実施しています。

これもまた年功序列の崩壊がもたらした事象と言えます。

つまり社内で生き残るのは有能な新卒、経営層、中間世代ということになります。

上記だけを切り取ると、その会社はとても心理的安全性が担保されているとは言いにくいです。

しかしこれが現実に起こっています。

この問題は、会社側にも従業員側にも当てはまる話で、誰が悪者であるかを問うている話ではありません。

最後に

この状況は年功序列から成果主義へ大転換する上での産みの苦しみかもしれないし、その痛みに耐えきれず、年功序列が生き残り日本社会が後退する可能性もあります。

今はサザエさんの世界か、それとも生き馬の目を抜くサバイバルな世界か。

あなたの目にはどんな世界が見えていますか?

以上です。
またよろしくお願いいたします。

株式会社クロコ 谷田部

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