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「派遣先に謝ってもらいたい」

みなさん、こんにちは。
労基署にいる社会保険労務士、黒田英雄です。

相談の中で多いのが、派遣で働いている方のトラブルです。
派遣労働者は、雇用されているのは派遣会社ですが、実際に働くのは派遣先の会社です。

どういうわけか派遣先の従業員は、派遣労働者をぞんざいに扱いがちなようで、パワハラに関する相談があとを経ちません。
派遣会社にとっては派遣先は顧客でもあるため、あまり苦情を言えない事情もあるようです。

それでも、中には真摯に対応する派遣会社ももちろんあります。
となると派遣労働者の怒りの矛先は、当然派遣先に向かいます。

「派遣先に謝ってもらいたい」パワハラは労働基準法に規定がないため、労働基準監督署からは指導できないということは、以前ここでも書きました。
当事者同士で解決できないトラブルは、都道府県労働局の「助言」や「あっせん」を利用することになります。

これらの制度は、労働者と会社の間のもめごとを話し合いで解決するものです。
原則として、労働者が雇用されている会社に対して対応を求めることになります。

派遣労働者は派遣先に直接雇用されているわけではないので、原則的にはこの制度は利用できません。
しかし、パワハラ(いじめ・嫌がらせ)だけは例外として、労働局から派遣先に解決を促すことができます。パワハラは働いている現場で起きていることであり、そこで派遣労働者に指揮命令している派遣先にも一定の責任があるということです。
派遣先が大企業であれば、労働局からの指導もできる場合があります。

新型コロナの影響で正社員としての職を失い、一時的に派遣で働いている方も多いようです。
派遣先で理不尽な扱いを受けたら、まずは派遣会社に相談し、それでも解決しない場合は労働局に相談してみてください。

労働者側の社会保険労務士2名で、Twitter相談ライブをおこなっています。
11/20(金)19:00からのライブでは、「会社に謝罪を求めることはできるのか!?」というテーマでお送りいたしました。
アーカイブがアップされていますので、ぜひご覧ください。

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「Twitter相談ライブ」を不定期で開催しています。

You Tubeチャンネル「労働者側の社会保険労務士」に動画がアップされています。

写真はインスタグラムでアップしているものです。

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