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ESG投資の教育体制整備を

以下のように「ESGスピークアウト」という連載を始めました。第1回ではタイトルのようなテーマをここ数年でのESG投資の拡大とともに取り上げています。

日常業務を通じて機関投資家と接すると、ESG投資の基本について認識不十分、誤解がある、と感じることがあります。例えば、ESG投資は手法が多岐に亘っているにもかかわらず、一部の手法のみをESG投資全体と捉えている場合があります。

別の言い方をすると、ESG投資を法律への遵守と同様に、一定の固定的な方法論があると考えているということになります。もちろんESG投資のそれぞれの手法には一定の傾向はあるものの固定的な方法論は存在しません。それぞれの機関投資家による投資哲学が反映されることを考えれば、その多様性は尊重されてしかるべきです。また相対的な投資リターンの低さの言い訳をESGに求める運用関係者に会うこともあります。しかし投資である以上、ESG投資と言えどもリターンの低さは厳しく指摘されるべきでしょう。

以上のエピソードを思い起こすと、日本ではESG投資残高が急成長したものの、必ずしも金融機関の担当者の認識はまだまだ成熟していないのではないかと考えています。全国銀行協会、日本証券業協会、投資信託協会等各種業界団体にも先進事例共有のハブとしての期待が高まります。また知識習得について業界団体が資格制度の運用を行っている場合には、資格試験の必須項目としてESGを含めるのも考慮すべきタイミングに来ていると考えています。証券業界であれば、証券外務員や証券アナリスト、AFPやCFPなどファイナンシャルプランナーの資格などが挙げられます。


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