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おとめ山公園の林間富士見ポイント

「東京、びっくり富士見ポイント」記事一覧

新宿区内唯一? 木陰から見える富士山

 お台場に行ったついでに港区から品川区の富士見ポイントを紹介してしまいましたが、23区の順番で言うと次は新宿区ですよね。さて都心の新宿から富士山は見えるのか? 見えるんです。

 新宿区は北側を神田川が流れ、その神田川に向けて南向きの崖が続いています。この崖地を利用して作られたのがおとめ山公園です。「おとめ」と言うとロマンチックな「乙女」の「文字を思い浮かべますが、実は江戸時代に幕府が立ち入り禁止とした「御留山」に由来します。ロマンどころか無粋な「禁止」の意味だったのですね。
 しかし南側に開けた崖地は庭園を作るにはもってこいです。この神田川沿いでも、椿山荘や肥後細川庭園などがあります。明治になると、旧岩城中村藩主の相馬家と近衛家が土地を買い、公園のある西側部分は相馬家の邸宅となりました。近衛家の部分は邸宅が置かれた時期もありましたが、のちに高級住宅地となりました。戦後荒廃していた邸宅跡を公園としたのが現在のおとめ山公園です。

 で、この公園のどこから富士山が見えるのか。今回は難易度が高いです。公園に向かう駅は高田馬場駅がわかりやすいでしょう。駅西側のさかえ通りに入り最初の路地を右に行きます。西武線の踏切と新目白通りを越えて行き、突き当たりを左で公園入口があります。
 公園は真ん中の車道で東西に二分されているので、西側エリアに入ります。入ってすぐに管理事務所があるので、その脇の斜面を登って行きます。

 ほぼ登り切ると、大きなケヤキの木を取り囲んだベンチが置かれている「見晴台」に出ます。しかし見晴台とは名ばかりで、樹林やビルに囲まれてちっとも展望がありません。しかしそこから公園境の鉄柵に沿って遊歩道を進んでいくと・・・。
 木が生い茂ったフェンスぎわから、公園隣のマンションの屋根上に富士山がのぞいているではありませんか! 頂上部分は全て見えています。手前の斜面も少し見えます。

 実は先ほどの見晴台の場所からもよく見ると富士山が見えます。下の写真のケヤキの木の幹の側。木々の葉の隙間、マンションの上に少しだけ見えます。目を凝らして探さないとわかりません。

 新宿区の土の上から見事に富士山が見えました。地形的には戸山公園の箱根山頂上などは見えて良さそうなものですが、周りに木が生い茂り見えないそうです。
 次は文京区で探します。江戸以来の富士見坂があるのですが、果たして今も富士山は見えるのか?

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