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大人も子どもも笑顔になる「見守る」子育て

日本の親たちは、わが子をもっと信じていい

 この言葉を読んだ時、ドキッとしました。これは、「頭のいい子の親がやっている『見守る』子育て」(著 小川大介)という本の冒頭、一行目にある言葉です。

 いや、わが子を信じてないわけではないんです。でも、どうしても自分が口を出し過ぎてしまったり、よかれと思って与えすぎてしまったりしていることに、思い当たる節があるからです。


親や教師から「笑顔」が消える理由

 本書の「はじめに」には、このように書かれていました。

 子どもの幸せを願うあまり、「子どもに将来の幸せに直接つながりそうなもの」を与えすぎ、つめ込みすぎている親御さんが多いのも事実です。その結果、時間にも心にも余裕がなくなり、親からも子どもからもいつの間にか「笑顔」が消えてしまっています。

 まさに自分事でした。親としてだけではありません。教師も同じことが言えます。子どもの成長を願い、少しでも多くのことを「与えよう」とするあまり、笑顔を失ってしまう教師はたくさんいます。

 例えば行事。運動会や学芸会など、よい発表・よい演技を「与えよう」とするあまり、教師にも子どもにも「笑顔」が消えてしまっていることに気付かない時があります。

 学習においても同様です。子どもたちによい結果を与えたくて、必死につめ込む授業。明らかに多すぎる宿題。これらは教師の「あせり」から来るものではないでしょうか。

 大人の行き過ぎた目標設定に子どもたちが付き合わされるケースが、家庭でも学校でも起きています。そして、いつの間にか両者から「笑顔」が消えてしまっているのです。


 ここまで偉そうに書いてしまいましたが、最近の僕の悩みがまさにこれです。

 少しでも長く家族の時間を取りたいし、学級の子どもたちへの質も落としたくない。自己成長の時間も確保したい。だから、短時間で質の高い仕事を詰め込む。時間のやりくりを考える。結果、時間にも心にも余裕がなくなり、子どもたちの前で「笑顔」が消えてしまう瞬間が生まれる。それは家に帰ってからも。

 家族と幸せな時間を過ごしたいと思って行動しているのに、一番大切な時間に「笑顔」でいる余裕がなくなってしまっているのです。これでは、まったく本質を捉えられていません。

 僕は、行き過ぎた目標設定に子どもを付き合わせているつもりはありませんが、子どもたちの前で「笑顔」でいる余裕がないのは、くやしいですが事実です。

 そんな僕の胸に、本書の冒頭の言葉が響きました。


「見守る」子育てとは

 本書では、頭のいい子の親がしている子育てを「3原則プラス1」と名付けて紹介しています。その「3原則プラス1」とは、「認める」「見守る」「待つ」プラス「期待する」です。

 そして、「認める」「見守る」「待つ」子育てに反して、頭のいい子の親がしないことを3つの章に分けて解説しています。それが「否定しない」「与えすぎない」「あせらない」です。どれも子どもの将来を案じるがゆえの思いであり、行動です。しかし、「否定」「与えすぎ」「あせり」は子どもの成長の芽を摘んでしまうと筆者は言います。そして、子どもが意欲を持って学び、毎日を楽しそうに過ごしている家庭のほとんどは、親御さんがこのような姿勢で過ごしていると書かれていました。

 僕はこの「否定しない」「与えすぎない」「あせらない」という姿勢こそ、子どもだけでなく大人も笑顔でいるために大切な姿勢であると感じました。それはもちろん、僕のような教師にも言えることではないでしょうか。


親の自己肯定感を高めよう

 僕は、娘にもっと自由にのびのびと育ってほしいと願っています。親の都合で堅苦しい思いをせず、おおらかに生き生きと楽しそうに毎日を過ごしてくれれば、それほど嬉しいことはありません。本書を手に取ったのも、子育ての参考にしたいという思いからでした。

 しかし、本書はいい意味で違っていました。もちろん参考になることはたくさんあった上で、「まずは自分を大切にしましょう」「今までの自分の頑張りを認めましょう」「たくさん自分をほめてください」といった、親をねぎらう言葉が随所に書かれてありました。

 本書は、子育ての指南書でありながら、「親の自己肯定感を高めてくれるメンタル本」でもあったのです。

 僕は本書を読んで、すっと肩の力が抜けるような感覚になりました。

僕は十分頑張っている。
もっと子どもたちを信じていい。

 学校でも家庭でも、「見守る」子育てを実践して、いつも「笑顔」でいられる自分でありたいと思います^^


 本書は、自分が子どもに対して「否定しがち」「与えがち」「あせりがち」な親だなと感じた方に、「認める」「見守る」「待つ」プラス「期待する」子育てが無理なくできるようになるための考え方や行動のヒントを与えてくれる一冊です。とてもオススメの本ですので、ぜひ手に取ってみてくださいね。





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