名曲の一つに選ばれて　～【櫻坂46】秋元康が描く世界～

昨晩、TBSで「この歌詞が刺さった「グッとフレーズ」」が放送されていた。
何気なく観ていた時、突然「二人セゾン」が流れた。
やはり、この曲は、誰もが実感できる名曲である。
欅坂46というグループの存在が、秋元さんを刺激して、素晴らしい詞が生み出されることになるわけだが、秋元さんが乗りに乗っている時は、自然と言葉が溢れるのか、ものすごい言葉の洪水となってしまうことが多い。
しかし、「二人セゾン」は、非常にシンプルな歌詞である。
秋元さんの最高傑作とも言える「川の流れのように」もそうであるが、美しいメロディーに逆らうことなく、きれいに歌詞があてはまっている時は、秋元さんの作詞能力が全開の時だと言えるだろう。
いつも多忙を極めているため、そこまで推敲ができないのかもしれない。
そのため、どうしても饒舌すぎる歌詞が与えられることになってしまう場合が多い。
そんな中にあって、「二人セゾン」の異質さが際立つ。

それでも、このような名曲が与えられたことに感謝するべきだろう。
他の歌手やグループがカバーしたこともあるくらい、皆の心に残る素敵な曲である。
櫻坂46となってからは、まだセゾン級の楽曲には巡り会えていないのかもしれない。
これはあくまでも、聞き手の主観の問題なので、一概に結論づけることはできない。
それでも、秋元さんの櫻坂46への興味と期待はまだまだ高いと言えるだろう。
それは、一曲の中に詰め込まれている歌詞の量で判断できる。
彼女たちの中にある思いや情熱を、彼女たち自身の歌やパフォーマンスで世の中に伝えていきたいと考えているからこそ、言葉があふれてしまうのだ。
これが真に「歌詞」として昇華した時こそ、名曲が生まれる瞬間と言えるだろう。

秋元さんは、歌詞を大切にしている人を優遇する傾向がある。
それは作詞家として、当然のことだろう。
櫻坂46は、間違いなく、その部類に入るグループである。
櫻坂46のシングルやアルバムの中に、そんな名曲が入る日は、すぐそこまで来ているのかもしれない。