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シリコンバレー企業に聞いてみた③ “アジャイル・チーム” 実現のためのエンジン

GNUS、Business Architectの栗林です。だいぶ間が空いてしまいましたが、「シリコンバレー企業に聞いてみた」シリーズ第3段です。シリーズとしては、いったんここで完結予定です。

日本でも重要性の認識が広がりつつあるアジャイル開発について、その先駆者としてのGNUS設立パートナーである、シリコンバレー企業Gigster社へのインタビューを通して学んでいこうと言う本シリーズ。第一弾として「アジャイル開発を成功させるアイディアとチーム」についてStrategic Accounts & Innovation Program担当のPatrick Dodge氏、第二段として「アジャイル開発を成功させるプロジェクト管理と意識」と言うテーマでDirector of Product Innovation and EnablementのGirjia Goleria氏へのインタビューを行ってきましたが、第三弾は「その具体的な実践のエンジン」としての、独自プラットフォーム"GDP" (=Gigster/GNUS Delivery Platform) について、Product ManagerのKawanabe氏にお話を伺いました。

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まずは、Kawanabeさんの自己紹介をお願いいたします。

川鍋 仁です。最近、漢字で自分の名前書くことあまり無いですが。。。GigsterではHitoshiと呼ばれています。
まず、日本育ちです。最初は日本のソフトウェアベンダーでインターネットの研究などを行っていました。90年代にアメリカのオラクルというデータベースの会社にエンジニアで入ったのですが、担当製品を作っているのがイギリスだったので、イギリスに行くことになります。製品を作るという意味では、やはり日本の外で作ることがほとんどなので、その後はアメリカ・シリコンバレーでの仕事がほとんどでした。一回日本に戻ったのですが、シリコンバレーでの仕事が忘れられず、アメリカデーターベースセキュリティのスタートアップの開発責任者としてアメリカに引っ越しました。それ以降はずっとアメリカです。会社を売却後は投資家サイドに回ったり、スタートアップをいくつかやったりしています。
Gigster では、GNUS と GNUSの Network Memberの方々が日々利用されているサービス Gigster/GNUS Delivery Platform (GDP) のプロダクトマネージャ&プロジェクトマネージャーをしています。GDPでは、周辺にSlackなどの製品やサービスとの連携もしながら、商談からフリーランスの方々への毎月のお支払いまで、end-to-endのサービスを提供しています。私自身もGigster の Network Member なのです。ですので、自分たちで作ったソフトウェアを自分たちで利用する、ユーザーとしての側面も持っています。

アメリカで大手のフリーランスマッチングサービスといえばUpworksなどがありますが、Gigster/GNUSはGDPがあることにより何が提供できているのでしょうか?

Gigster/GNUSは、プロジェクトに対しチームで望むと言う点でまずOfferingが異なります。その前提で、GDPがあることにより、Gigster/GNUS HQ (運営側)にとっては、プロジェクトの管理が容易になります。なんといっても大きいのは、自分たちがスクリーニングした質の高いネットワークの管理を最適化できることが重要で、結果的にクライアントへのサービスの質も高めることができます。
一方でフリーランスの方々にとっての期待は「良い仕事」が入ってくることですが、GDPがあることによってその「良い仕事」への期待が高まります。どの会社のどういったプロジェクトかがクローズドな環境で可視化されるということに加え、GDPを持つGigster/GNUSの案件であると言うことも「良い仕事」の重要な要素です。
フレキシビリティが重要なアジャイル開発案件において、効率性との両立を担保するためには、適切なシステムと、クローズであることによる強い信頼関係が必要になります。つまり、アジャイル開発を実現するための仕組みを、ビジネスモデルとソフトウェアの両面で実現している、そのソフトウェア部分を担っているのがGDPとなります。

GDPが提供している機能の中で、ユニークなものについて教えていただけますか?

特徴的なものに CSAT、NSAT、Gigster/GNUS Feedback、そして NPSといわれる一連の評価システムがあります。それぞれクライアントの満足度、プロジェクトの満足度、ネットワーク(メンバー)の他メンバーへの評価、ネットワーク自体の評価になります。これらをシステム的&定期的にそれぞれの方々に依頼することで、より良いプロジェクトの進め方、次への反省、あるいは賞賛の対象になるなど、さまざまな観点からの信頼関係構築に向けて重要な仕組みです。
アメリカでは、CSATおよびNPSなどの仕組みがマーケティングや大手コンサルの一部で用いられていることもありますが、ステークホルダーからの多角的な評価全てをテクノロジーで実装できて実際に回せている企業は、少なくとも私は他には知りません。
フリーランスというと、日本ではまだまだ誤認されていることもあるかとは思いますが、この仕組みがあることによりある種の良い「緊張感」が働いているのは確かです。もともとプロフェッショナリズムの高い人をネットワークに入れていることもあり、フリーでありながら、チームという責任感を持つことができるのは、クライアントだけでなくフリーランス自身にとっても良い環境を提供できていると思います。

Engagement Managerのプロジェクト管理としてのGDP

少し、話はそれるのですが、Gigster Network としての信頼関係構築に欠かせないものとして、Engagement Managerの存在があります。GigsterでいえばGG*前回のインタビューに登場、GNUSでいえば三浦さん照井さん湯浅さんのような人たちです。Gigster内でプロジェクトの進行に目を光らせている彼らは、プロジェクトマネージャやプロダクトマネージャ、デザイナーやエンジニアがプロジェクトを完了するその日まで全体を文字通りエンゲージしているのです。これにより、他のサービスにはない、信頼できる「チーム」を運営しています。
他社のサービスでも、いいフリーランスは見つけらるのかもしれませんが、その成果をチームで担保できるだけの求心力をメンバーの変更などにも対応しながら持続することは非常に難しいです。それができてはじめてスピード感のあるアジャイル方式でみんなが動け、更にプロジェクトを成功に導くことができたりするのだと思っています。
そのEngagement ManagerがGDPを用いる機会も多々あります。いくつかキーになるダッシュボードやレポートがあり、案件全体の管理を補助している他、チームのスタッフのAvailability なども見られるようになっています。またチームを組成するタイミングでは、Slackでのメンバー募集へのトリガー、マイルストーンも含めてのプロジェクトのセットアップ、スタッフィングの前後のプロセス含めて、GDPの機能となります。

最後に、GDPの今後の発展に向けたビジョンについてお願いします。

GDPが提供している多岐にわたるend-to-end のサービスの中から、特にユニークだと思われる Staffing のサービスに今後は更に力を入れていこうとしています。具体的には Network の状況を intelligent に可視化したり、Elastic Staffing といって、よりフレキシブルで即効性のあるチーム作りができるプラットフォームになっていきます。これ以上は、企業秘密とさせてください。笑

Kawanabeさん、ありがとうございました!

ここまで3回に分けて、アジャイル開発における重要なポイントについて、重要になっている視点からやテクニカルな手法を含め、テーマを分けてお届けさせていただきました。

GNUSが立ち上げにおいてGigsterとのパートナーシップを結んでいるのは、「日本のイノベーションを加速させる」というミッションのもとに、彼らの手法を日本企業へ提供させていただくことにあります。「イノベーション」「デジタル・トランスフォーメーション」などの漠としたミッションを課されたり、「アジャイルにやりなさい」と突然に言われて「そんな組織もノウハウもないし・・・」とお困りの方は、是非ともお問い合わせいただければと思います。

(お問い合わせはこちらから↓↓)

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