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「くらしてん」リニューアル① リニューアルに至るまで

2018年に私たち夫婦を中心として、数人のメンバーでスタートしたメディア「くらしてん」。これまで30人を超える人たちの暮らしを記録してきた。
この活動は、企業や団体が運営しているわけでもなく、あくまで私たちの個人的な活動であるのだけれど、それにもかかわらず、これまで途切れることなくたくさんの暮らしを紹介できてこれたのは、振り返るとよくやってきたなと思うと同時に、協力してくれた方々には感謝しかない。

「くらしてん」が4年目を迎えた今年は、私たち夫婦のライフステージが大きく変化する年だった。そしてそれに伴って、サイトを運営する上での私たちの意識の変化もあり、私たちは「くらしてん」のリニューアルをすることにした。サイトもロゴも一新して、再スタートという形で。

今回のリニューアルは、私たちにとってこの活動を一度立ち止まって振り返る機会となった。
自分たちがそもそもどういう思いでこの活動をやっているのか、そして、この先どうなりたいのか。このリニューアルに込めた想いをお伝えしたいと思う。今回はその1、リニューアルに至る経緯の話。

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"参考資料づくり”としてスタートしたメディア

そもそもこの活動がはじまったのは、私たち夫婦の東京での暮らしへの違和感がきっかけだった。

地方で生まれ育った私たちは、
進学、就職とステップを重ねるなかで、
当然のように東京に流れ着いた。
仕事と自宅、そして景色もみえない地下鉄での移動。
だけど、これが本当に暮らしと呼べるだろうか。

そんな不満を抱えながら会社に勤める傍ら、スタートした「くらしてん」。当初、この活動は私たちにとって、"参考資料づくり"の意味合いが強かった。

というのは、このメディアは誰かにみてもらうためのものというよりは、自分たちが東京を脱出して次に暮らすのはどこが良いのかを考えるためのものであって、同時に色んな人から話を聞くための私たちなりの方法だったのだ。

「写ルンです」で、普段の暮らしを撮ってもらえますか?
それを元にインタビューさせてください。
普段どういう風に暮らしているか知りたいんです。

私たちのそんな怪しげな依頼をなんとか受けてもらえたのは、私たちがメディアと名乗っていたからだろう。
私たちの個人的な興味や欲求ではあったのだけれど、メディアの取材という形をとることで、色んな人の暮らしを聞くことができた。
そして、「くらしてん」に彼らの暮らしを公開していくことは、私たち自身の移住先を検討するための"参考資料づくり"のようなものだったのだ。


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「くらしてん」という”体験”の気づき

だけれど、活動を続けていくなかで、その意味合いは薄れていった。
というのも、メディアをはじめて何年かすると、私たち夫婦のライフステージが変化していき、子どもが生まれ、そしてそれを機に郊外へ暮らしの場を移し、ある程度そこでの暮らしに満足してしまったのだ。

暮らす場所に対する不満が解消した今、では、なぜ私たちはこのメディアをまだ続けているのだろう。そんな疑問にふと行き当たった。

その答えは、私たちが「くらしてん」という”体験”に価値を感じ始めたことにほかならなかった。

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活動を続けていると、はじめた当初に想定していた、自分たちのための”参考資料"以外の価値に気付かされることがあった。

取材に協力してくれた方から言われた、自分の暮らしを見つめ直すきっかけになったという言葉。
そのときに記録した暮らしは、移り変わって過去のものになっていくという当たり前の事実。
そして、そのときの暮らしを振り返るための記憶としての価値。

私たちは、取材と言いながら、撮影をするのは取材協力者本人であるし、インタビューはその写真を見ながら、その人が語った言葉をできるだけ加工せずに記事化する。
そこで見えてくるのは、同じ地域にいても一人一人違う視点で、それぞれの暮らしを営んでいるという事実であり、そこには様々なストーリーがあって、それぞれが語る言葉も独特で面白い。
そして、それらは私たちが”参考資料”、つまりデータとして私たちが当初知ろうとしたものではなかったのだった。

私たちがこのフォーマットで、暮らしを記録することでしか生み出されない価値を提供すること、つまり、"「くらしてん」という体験"を提供すること自体に私たちが面白みや意義を感じていることに気付いたのだった。

その頃から、私たちメンバーのなかで少しずつ、自分達のための"資料づくり"から、人にみてもらうための"メディア"へと意識が変換されていき、そして自然と、サイト、ロゴリニューアルについての話を現実味を持って話し合うようになっていった。


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※この後の過程は、
続きの『「くらしてん」リニューアルについて②形にしたかった3つの要素』
でお伝えします。

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