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「好き」を仕事に。× 地域デザイン

くらしアトリエの活動のひとつに、「地域デザイン」、すなわち島根・鳥取を中心に地域で活動する方々を「デザイン」というツールで応援しよう、という事業があります。

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NPOとデザイン。両者が交わるところにあるのは、例えば

「念願の新規創業をするのだけど、ホームページのデザインをお願いできませんか」

「ずっとやりたかったお店を開きます。ショップカードを作ってもらえますか」

というような、何か新たな世界に一歩踏み出す、「チャレンジのお手伝い」をする、という意味合いのデザインが多いように思います。

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NPOとしては、デザインという手法で大手を振って「地域貢献」ができるというのはとてもありがたいこと。何より、新たな挑戦をしようとしている方とお会いすると、それぞれの思いやドキドキ感がじかに伝わってきます。

お仕事を通じて話し合いを重ねる過程で、大いに刺激をいただき、また羨望の気持ちも抱いています。

先日も「日々 綴る」で紹介した出雲市の「ユースパイス」の店主・うたたねさん。スパイス好きが高じてお店を開くに至った、と書けばよくあるストーリーなのかもしれませんが、一緒にキットを製作したり、ロゴやショップカードのデザインを担当したりする中で直接お話をうかがっていると、その「スパイス好き」のレベルが段違いであることに驚かされます。

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もともとは「シマシマしまね」で昨年度行っていた「おふるまいプロジェクト」に手を挙げてくださったうたたねさん。

最初にお話ししたときに「毎日カレーを作ってます」と言われて、「毎日???」とかなりびっくりしました。毎日カレーを作る人が、インドやスリランカ以外にもいるんだ…。

先日、試作の作業にお邪魔してお話を聞かせていただいた折も、「お店でカレーを食べると、だいたいどのスパイスをどう調合して作られた味なのか分かる」とおっしゃったので、「すごいですね…」と言うと、「ずーーっとスパイスのことばかり考えてます」と言われて、「うらやましい!」と感じてしまったのでした。

やりたいこと、好きなことに真っ向から向き合って、一歩一歩前に進んでおられる様子に、眩しさを感じています。


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そのあとにうかがった「ハーブティーyado」さんも、もともとは「くらしの学校」に来てくださっていた生徒さんだったのですが、あるとき「ハーブティーの専門店を開こうと思っているので、パッケージのデザインをお願いできませんか」とご依頼をいただき、「すごいなあ」とスタッフで感じ入ったものでした。

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ご自身の経験から、ハーブティーをもっと暮らしの近いところに感じてもらいたい、という熱い思いがあり、直接その熱を受け取って、思い描かれているデザインを少しずつ時間をかけて作り上げてきた、という気がしていますが、yadoさんは、お仕事をいただくたびに着実に前に進んでおられるように見えて、かっこいいなあ、すごいなあ、と思っています。


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また、大山でゲストハウスを営む「寿庵」さんも、山好き・大山好きが高じて、出身地でもない大山の宿のオーナーになったという、ちょっと真似ができない人生。

noteのタイトルどおり、いつもバタバタされているようでいて、しっかりと将来のビジョンを持ってビジネスをされているところ、すごいなあと尊敬しています。

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HPや、オリジナル手拭い、カレンダーを制作させていただきました。


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さらに、蒜山の「ユキミドリ」さんも、最初はご自宅でのアロマテラピーサロンを開業するので、ホームページや写真撮影を…というご依頼だったのですが、今は蒜山という地域全体の課題解決に向けて、どんどんと歩みの加速がついているイメージ。

いずれも、「開業のときには、デザインはくらしアトリエさんにお願いしようとずっと思っていました」とおっしゃっていただき、とてもうれしくありがたい気持ちになりました。


「好き」を他人に見える形で発信することは、その渦中にいるご自身ではなかなか具現化することが難しいのかもしれない、というのは、デザインの仕事を進めるうちに分かってきたこと。

好きすぎて、もしかしたら見えなくなっているかもしれない潜在的な思いや、見せ方のようなものを、私たちがお話をうかがったり、実際にその場に出向いたりすることで感じ、デザインという形にするのかな、それが「地域デザイン事業」なのかな、と考えています。


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ほかにも、自治体や企業、お店などが、「ちょっと新しいことをしてみたい」と一歩を踏み出すときに、お話をいただくことが多い私たち。

今年は、自粛期間があったり、それぞれが自分の生き方や働き方について立ち止まって考える時期があったことにも起因しているのか、こうしたデザインのお仕事が、いつもの年よりも多いように感じています。


実は自分は「応援気質」だということに気づいた、というのを、昨年の今頃の「時々、コラム」に綴りました。ここでは「ものづくりをする人たちへの応援」という視点で書いています。

本気の応援は楽しい。

そして、責任を伴う。そんなことを書いていますが、それはものづくりにおいても、デザインにおいても、あるいは情報発信においても同じこと。いろんな手段を使って、とにかく頑張る人を応援したい!という気持ちが活動の源で、例えばちいさなカード1枚から、ゼロから作り上げるWEBデザインまで、ひとつひとつに「頑張ってほしい!」という気持ちを込めて、携わらせていただいています。

そして、自分たちも「好き」を仕事にしています。

応援そのものも「好き」なことだし、スタッフそれぞれが「やりがいのパッチワーク」として、それぞれの得意分野を担当しています。ものづくり、ライティング、写真、デザインなどなど…。

そして、「好き」なことに一生懸命向き合うには、好きじゃないことにもたくさん向き合わないといけない、ということも知っています。楽しそうに見えることが、実は努力の賜物であるということも。だからこそ、「好き」に向かって一生懸命な人たちを、心から応援したいのです。

眩しいほどに前に進む皆さんに私たちも刺激をいただきながら、自分たちの「好き」にまっすぐに、いつも新鮮な気持ちで取り組んでいきたいなあ…と思いました。

私たちのデザインのポートフォリオはこちらです。良かったらご覧くださいね。


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