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本のおすすめ『承認をめぐる病』

コラム742:本のおすすめ『承認をめぐる病』

 精神科医の斎藤環氏のこの本は、難解な箇所が多くて、実のところ、読みきれない部分もあったのですが、「スクールカースト」についての気づきがあったので、書いてみます。

 私は50代のおばさんとして、カースト的なものは、序列でしょ、と分かったつもりになっていたのですが、もっと根深い問題のようです。(お若い方は笑って飛ばしてください)

 クラスで「キャラ」が固定され(「いじられキャラ」「おたくキャラ」「天然キャラ」など)、それを変えることが難しいというところに驚かされました。その、キャラを変えられないという事実が、「変化の断念」を生んでいると著者は言います。ということは、キャラを変えない限り、成長もないということでは?と怖くなりました。

 また、著者が「子どもから学ぼうという謙虚な姿勢」が大切、と説いているところに感銘をうけました。「分かったつもり」になっているダメな大人に成り下がっていた自分に気付かされました。何が学校や若い人の社会で起こっているのか、積極的に当事者に聞くことが大切だ、と痛感。「大人に話しても仕方ない」と思われないように、努力も必要なのですね。
(日本評論社 2013年)

2023年12月19日

クララ

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