方丈庵:建具というものを考えてみた#05
こんにちは
今回は方丈記で名を知られている鴨 長明(かものちょうめい)が晩年に過ごした「方丈庵」のお話です。
■まずは簡単に
方丈記は、「無常観」を表した作品で古典日本三大随筆といわれています。(他2作品は、「徒然草」「枕草子」)
無常観とは、世の中のあらゆるモノゴトは常に移り変わり、ずっと同じものは無い、という考え方です。
著者は平安時代末期から鎌倉時代前期に生きた歌人・随筆家の「鴨 長明(かものちょうめい)」
方丈記は長明の人生の中で動乱の時代と度重なる災害を経験したことを元に書かれ、書の後半にかけて晩年に世俗から離れ過ごした方丈庵での生活が記しるされています。
▼さらに詳しくはこちらをご覧ください。
鴨 長明が下鴨神社の神事を司る禰宜(ねぎ)の家系だったこと、そこの繋がりって言われなければ気づかないもので、
なるほどなぁ、です。
ボクが気になったのは長明が晩年に過ごした「方丈庵」という建築。
それは壁、床、屋根、引戸、柱などがパーツで作られていて、それらは組立式の建築物といわれています。(方丈とは四方1丈(約3m)の正方形)
そして、以前京都に行ったときにその方丈庵が下鴨神社の境内にある河合神社に復元されていると知り、立ち寄ったのですが、、
現在は移設ため方丈庵は解体されて見ることは叶わずでした。
残念ではありましたが、方丈庵と長明の考え方を知ることで今の自分に活かせると思い、調べてみました。
建具と関連付けて綴ってみましたので
お付き合いくださると嬉しいです。
ではさっそく
■建具的な方丈庵
それでは「方丈庵」を建具目線で見ていきたいと思います。
鴨長明の方丈庵は
先程もお伝えした通り、組立式の仮設的な建築物。広さは四方1丈(約3m)の正方形で高さは7尺(約2.1m)の広さで一つ一つがパネルや部材にバラせることが特徴。
この仕組みが、建具っぽさ、を感じていまして。
どの辺りが?って言えば、何もない所に設営をして物体が現れ空間が作られる仕組みにです。
もう少し言うと、それらは仮設的で畳むとその場から消え、バラしたパーツは荷車で運び、また別の場所で設営が可能である、こうした仕組みを考えていくと建具の持つ特徴との共通性を感じています。
もう一つ建具の他に方丈庵の仕組みって、キャンプにも似てませんか。
車(あるいは人力)でアウトドア用品を運び、何もない野原に設営し、自分たちなりの居心地の良い空間を作っていく行為と方丈庵に類似性を感じます。
実は現代のボクたちにとって方丈庵って身近なのかもしれません。
他にも舞台の美術道具やイベントブースなどに挙げられますし、以前拝見したジャン・プルーヴェの建築システムを思い出します。
全ての共通点は、一定期間だけ仮設的に空間を作りバラせば運べる、です。
方丈庵での暮らし方と建具の考え方を紐付けて、固定より可動、必要な時にだけ広げ、その場を、空間を作り上げる、をベースにして自分の設計に引き続き活かしていこうと思います。
■必要なものを必要なだけ
長明にいたっては、暮らしぶりはシンプル。
4畳半程度の中で、お経を唱える仏間と趣味の琵琶や琴を弾く芸事の間、そして寝床があるだけ、です。
全てを家の中に詰め込むのではなく、自分にとって必要なモノゴトは何か、を知りそれを暮らしの中に落とし込む。
それ以上に何か必要が発生した場合は、外で用を足す。
足るを知る、っていうことなんだと思います。
今的に言えばミニマリストって感じでしょうか。
現代のボクたちにも通じるコトかもしれません。
モノも社会のシステムもかなり便利になりました。
出来ない、がだいぶ少なくなったし、結構充分なくらいやれる事は増えていると感じていますし、さらに便利になっていくんだと思います。
その分、モノもコトも溢れていますし、やる事にも追われたりします。
自身がパンクしてしまう前に、自分にとって何が必要であるかないか、を考え整理してみるっていう時間が大切になって来そうですし、身も心も空間も身軽(余白)にしておくとパンク寸前を軽減できるのかなぁと思ったりもしています。
方丈記、面白いです。
ということで、
今回はこの辺りで失礼いたします。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
ではまた
▼建具というものを考えてみたシリーズ
参考著書
▼現代語でわかりやすく読めます。
▼マンガ方丈記
絵なので内容がわかり易いです。巻末の養老孟司さんの解説も面白いです。
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