格子:建具というものを考えてみた#06
こんにちは
日本の各地の古い街並みで目にする「格子」
宿場町だったり京町家だったり、伝統的な建築群が立ち並ぶ通りに面して「格子」が連続している風景を目にするとノスタルジックな何とも言えない気分になります。
なんか良い、的な。
皆さんはいかがでしょうか。
伝統的な街並みと言えば、と聞かれたときに思い浮かぶアイコンの一つではないかなと思っています。
そんな「格子」について、こんな見方や考え方も出来るのかなぁっていうぼんやり思ったことをお話していきます。
合間ができた時にのぞいてもらえたらと思います。
では始めますね。
■格子って?
まず、格子ってなに?、から。
開口部に棒状のモノが縦や横に連なって並んだモノを「格子」と呼んでいます。
プライバシー保護の目隠し、通気を目的としたモノ、外からの害に対して家を守るモノ、など機能はいくつかあります。
それら用途によって格子の部材の寸法や隙間が異なるので、伝統的な建築を訪ねた時に外部にある格子と内部にある格子を見比べても面白いかもしれません。
例えば、外部にある格子が太い場合はその場所は何かしらの衝撃から耐える(守る)ためだと考えられますし、反対に格子が細く隙間が広い場合は中が見えやすい場合は、わざと見せるように(遊郭の見世張りとか)とも言われています。
商店なのか住居なのか公共施設なのか、各々の用途で格子の形状が変わってきますし、昔の人は格子の形状で建物(お店)を判断していて格子ってサインの役割もあるかも、そう思うと面白く感じます。
■これもあれも格子かも
ざっくり、格子とは、をお話しましたが、仕切りや結界という役割であるので建具とも通じるところがあります。
現に内部の格子は建具の格子戸が多く見られます。
では、ここからは視点をズラしてみると、これも格子っぽいかも、っていうお話をしていきますね。
※あくまでボクの個人的な見方ですので正解ではありません。
・一つは光と影
日が差し込んだ時の情景もボクは格子的なものを感じます。
格子という連なったタテヨコの棒状のモノがプライバシーの保護であったり、風通しであったりの機能があると先ほど言いました。
ただ、それらとは異なるかもしれませんが光と影であるとまた別の役割があると思ったんです。
例えば、曇り空から時折差し込む「光芒」や木々の間から差し込む「木洩れ日」、あるいは格子そのものに日が差し込むときに生じる格子の影と光。
そこから感じ取れるのは演出性。
光線であればその場所に視点が集中して際立って見えますし、影が掛かるとハッキリと姿はわからないが、何かある的な、察する気持ちになるのではないでしょうか。
▼「コモレ日ダマリ」という展示空間では光と影を格子的なものとして考えています。
・もう一つは森で見られる木々
森の中を歩いていると木々が立ち並んでいる姿を目に入ってきます。
自分が動いているからではあるのですが、木々が交互に行き交うような見え方になりませんか。
そうした状況の中で歩みを進めていくと木々の向こう側にある景色が、見えたり隠れたり、ハッキリとわからないけれど、何かが向こう側にある、と思わせる面白さを森の木々から感じ取れます。(抜けた先に見えた景色は素敵ですよね。)
そう考えていくと立木の並んでいる姿に、格子的なもの、を感じたりします。
以前にこの考え方を基にして作った展示空間があります。
それは写真家さんとコラボという形で合同で展示会をやったときに、格子を木々に見立て森の中を歩いているような空間を作ってみたんです。
ではどのような展示空間だったのか。
というのは次のときにしていきたいと思います。
よろしければ次回もお付き合いくださると嬉しいです。
格子についてはまだまだ色々な見方や機能があると思いますので、どこかの機会でお話出来ればと思います。
それではこの辺りで失礼します。
ありがとうございました。
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