見出し画像

読書メモ『Z世代に嫌われる上司嫌われない上司』加藤京子


Z世代の若い部下との関わり方は、Z世代の育った環境を振り返り、価値観が自分とはまったく違うことを認識することです。

その上で自分の体験はいったん忘れて(アンラーニング)、Z世代の考え方を理解し、接し方、会話の仕方、指導の仕方を見直すこと。それが嫌われない上司になる条件です。

Z世代の育った環境を振り返ってみると、

1990年頃、バブル経済が崩壊し、長期的な不景気に突入、失われた30年に入ります。経済成長で浮かれていた時代とはまったく違うのです。

そして世間を揺るがす事件が続きます。

1995年には阪神大震災や地下鉄サリン事件
2001年にはアメリカ同時多発テロ
2008年にはリーマンショック
2011年には東日本大震災

多感な年頃に大災害を目の当たりにしています。

極めつけは2020年、彼らが新入社員として入社したころにコロナ禍に巻き込まれました。

そうした事件をZ世代は、ネットやSNSを通じて、高い解像度で情報を得ています。

社会に対して、ポジティブなイメージが持てなくなっており、従来の頑張ればなんとかなるという精神論は通じるわけがありません。

一方でZ世代は、日々SNS上での意見や議論に触れているので、新たな視点を受け入れる柔軟性を身に付けていて、多面的に物事を見る力が養われています。

こう考えると、従来のやり方や習慣を踏襲することがおかしい事はすぐにわかります。

この本ではどのようなコミュニケーションをすべきか、上司の対応の何が問題で、Z世代の部下はどう考えているかを具体的な例を挙げて説明していてわかりやすいです。

傾聴のポイントや、共感と同感の違い、キャンセルカルチャーや心理的安全性など具体的な事例も解説しています。

管理職ではなくなった今、管理職だった頃を振り返ってみると、管理職のやりがい、楽しみはビジネスそのものよりも、チームの育成、人材の育成だったと思います。若いメンバーとの会話は楽しく、若いメンバーの成長は喜びでした。そのために1on1ミーティングをしたり、会議で議事録を書かせたり、出張や外出に同行してもらったりしてコミュニケーションに心がけました。

もちろん、気の合わない人もいました。見落としてしまう人もいました。今考えると、まだまだ自分本位で傾聴はできておらず、上から目線の発言も多かったと思います。声を荒げたこともありましたし、メンタルを病んでしまった部下もいました。

この本を読んで、今の管理職は大変だなぁと思いましたが、アンラーニングして、若い仲間から新しい価値観を学び、いっしょに育って行ければ、やりがいでもあり、楽しみでもあると羨ましく思いました。

著者の加藤京子さんの無料のオンラインセミナーを企画しました。どなたでも無料で参加できますので、ご興味のある方は下記よりお申込みください。
  日時:2024/08/06 (火) 14:00 - 15:00
  Zoomミーティング

●Z世代に嫌われる上司 嫌われない上司 ~CSPA 中小企業ステップアップセミナー Vol.16 ~
https://cspa016.peatix.com/


この記事が参加している募集

「スキ」ボタンを押していただいたり、SNSでシェアしていただけると、とてもうれしいです。