見出し画像

【参加者レポート】神宿りし町、三重県御浜町で育てられる幻のみかん 学生が1週間で感じとった町の魅力や課題とは?

2022年12月12日(月)~18日(日)に、三重県御浜町にて社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」(以下「クラチャレ」)を実施し、2023年1月18日(水)にはクラダシのオフィスにて事後報告会を実施しました。

このnoteでは、参加した学生たちに体験した内容をレポートしてもらいます。
▼クラチャレについて詳しくはこちら
https://kuradashi.jp/pages/kurachalle

▼御浜町でのクラチャレ開催の背景はこちら
https://corp.kuradashi.jp/news/22-11-28/

■レポートを書いた人(クラチャレ参加者)

・荒関尊
・有吉亨介
・池田青輝
・中島 沙紀
・松永侑貴惠
・宮下亜美

■三重県御浜町ってこんなところ!

三重県御浜町は、人口が約8,000人ほど(令和5年1月1日現在)の小さな町で、水捌けの良い土と適度な潮風から生み出されるみかんが特産物です。砂利浜の海岸から臨む海は、朝夕はオレンジ、昼は透明な深い青と、見るときによってさまざまな色を見せ、「見るたびに海の色が変わる、同じ海を見たことがない」と地元の方がおっしゃるほど。また、夜は海岸で満点の星空を見ることができます。滞在中、海や星空などの自然の景色に癒されながら過ごすことができました。

夕日がとてもきれいでした!

■活動内容

【みかん収穫】

1日かけてコンテナ71箱分、1200kgのみかんを収穫。
慣れない体勢で長時間の作業の行い、改めて農家さんの大変さを実感しました。

奥田農園さんにお世話になり、みかんの収穫を行いました。一つの木に対して100個近くなっているみかんを全て収穫。しゃがんで採れるみかんもあれば、梯子を使って登っても採りにくいみかんもあるので、大変根気のいる作業でした。翌日は全身筋肉痛に……。収穫作業の間、「自分たちのように若くても大変な作業なのに、高齢者の方はもっと大変だろうな」と、農業で長らく課題とされている”高齢化”がどれだけ深刻な問題なのかを身を持って実感しました。

【意見交換会】

意見交換会では、農家の現状や町と農家さんの協力体制について、また御浜町の観光や産業の割合など、たくさんの質問が飛び交いました。学生からだけではなく、御浜町の関係者からの質問もあり、学びの多い大変充実した意見交換会でした。御浜町や農家の現状、また人やコストの観点から十分な取り組みができない理由などを知ることができました。この意見交換会はとても素晴らしいものですが、アイディアや考えは実行に移されてこそ価値があります。次回以降の御浜町でのクラチャレで同じ質問をしないような工夫や、考えたアイディアが実行されていく仕組みが必要だと感じました。

【観光】

熊野古道でハイキングをしました!
少しハードでしたが、御浜町の良さを感じることができました!

観光の日の前日まで体力仕事をしていたため、体力がもつか心配でしたが、素晴らしい景色を見ながら、サイクリングやハイキングをしました。普段では感じることができない綺麗な海と山が幻想的で、非日常的な経験でした。また、夜はBBQをしてジビエ(鹿やイノシシ)の燻製をいただきました。御浜町に関することから個人の人生相談まで様々な話をさせてもらい、とても貴重な時間になりました。

■ラベルデザイン考案

1人1人のアイディアを活かして納得いくまで時間をかけて話し合いました!

今回の「クラチャレ定期便」では、私たちが収穫したみかんを搾汁し、みかんジュースとして販売しました!(みかんジュースの販売はすでに終了しています。)

▼クラチャレ定期便について詳しくはこちら
https://corp.kuradashi.jp/news/22-05-27-1/

また、みかんジュースのラベルを参加学生で考案することになりました。

みんなで話し合ってできたラベルがこちらです!

朝日を用いた。御浜町は熊野古道の一部であり、神の住む町ともいわれていることに着目し、「神宿る御浜」の文言を採用。縁はみかんのオレンジをメインにして、原料を贅沢に使用し原価も非常に高いので、高級感のあるトーンにした。
夕日を用いた。御浜町の尾呂志地区で栽培された酒米を用いた颪(おろし)という日本酒が御浜町の推しポイントであることに着目し、日本酒のラベルをイメージしてデザインを考えた。参加学生の手書きで書かれた文字を使用することでオリジナリティを出した。

このラベルにした背景には、

・御浜町のみかんは作り手の減少&生産量の縮小により、おいしいにもかかわらず、都市圏に出ていないため人々に認知されていないこと 
└そのため、生産量の多い有田や三ケ日みかんに流通量・認知度の観点で負けているという現状がある
・生産量が少ないことを逆手に取り、御浜町のみかんを「幻のみかん」とブランディングし、プロモーションしたいと考えがグループ内で一致した
・4本1セットで販売されること・より多くの御浜町の魅力を伝えたいと思った
・特に七里御浜の海岸から見える朝日と夕日が推しポイントだった

という事実や想いがあります。

■学び

ミクロとマクロの食品ロス
私はクラダシで長期のインターンシップをしていて、オフィスでは仕入れを担当するMD部を通してパートナー企業からの出品背景を聞き、販促方法を考えています。しかし、今回現場からの声を聞くことで、一概に食品ロスとは言えない内情があることが分かりました。例えば、一見問題のなさそうな小さな傷のついたみかんは出荷こそできないものの、肥料として次年度以降の栽培につなげることができます。ミクロで見たらロスになってしまっているのかもしれませんが、マクロで見るとみかんを有効に使っており、容易に食品ロスが発生しているとは言えないことが分かりました。もちろん、味に問題はないので、販売できるに越したことはありません。継続的に地方とつながりを持ち、食品ロスとは言い切れない農作物の在り方を考えたいと思います。また同時に、社内ではそのような食品の有効活用ができるような仕組みを作りたいと思いました。
【横浜国立大学3年 荒関 尊】

チャレンジの7日間
クラチャレ期間は自分のできることとできないことを見極める7日間でした。これまで関わったことがない様々な立場の方たちと交流をすることで、自分にはない視点を学んだり、バイタリティを感じたりと、新たな刺激を受けました。町の魅力を肌で感じたり、みかん農家の苦労を理解するだけではなく、分からないことを他の人に聞いて頼れたこと、人の行動を見てフォローに動けたこと、自分の経験としてこれまで出来なかったことをできたという自信が、今後も僕を生かす手伝いをしてくれると確信しています。
【広島大学3年 有吉 亨介】

いろいろなことに思考を巡らせた7日間
はじめて訪れる御浜町、はじめてのみかんの収穫、はじめて出会うみかん農家さん、御浜町役場の方々、ツーリズムみはまの方々、そしてクラチャレのメンバー。普段とは違う環境で、御浜町の課題やみかんのフードロスの問題、それに対する自分の考えなど、様々なことを考え話し合った、とても刺激的な7日間でした。それだけではなく、七里御浜海岸から望む朝日、波のさざめき、雲のうつろい、焚き火の揺らめきなど、一時も同じ表情をみせない、豊かな自然の中で過ごすなんでもないひとときは、情報に溢れた現代社会、常に目的や効率に追われて過ごす日常生活では味わうことのできない、心の安らぎを感じることができました。
【日本大学通信教育部3年 中島 沙紀】

外から見ているだけではわからない
今回は農業や地方の暮らしの経験から、私が興味を持っているケニアの村に何か活かせることがあるのではないかと思い参加しました。そのため開催中は現地の課題に徹底的に向き合い、御浜町に住んでいる人の声をよく聞くようにしました。事前に調べた中で、高齢化による農業人口の減少、みかん農家の食品ロス発生などが課題だと認識していました。しかし、実際に話を聞くとそれらの課題は私の想像以上に深刻だと感じました。例えば、高品質のみかんを提供したい農家さんは、少しでも傷のついたみかんを商品として出すことはできず、加工品にするにも時間とコストがかかるため、簡単にはいかないという課題がありました。他にも町役場では、御浜町という小さな町の規模にあった政策しかできないということが課題でした。実際に体験し、異なる関わり方をしている方達とお話ししたからこそ学ぶことができた課題がたくさんありました。外から見ているだけではわからない課題解決の難しさの現状を痛感しました。
【東洋大学国際学部4年 宮下 亜美】

非現実的な体験 
普段東京で暮らしている私からすると、クラチャレはとても新鮮で学ぶことの多いインターンシップでした。テレビのニュースや新聞などで地方創生や人口減少問題について報じられ、目にする機会は多かったのですが、実際に現地の人から直接話を聞けたことは、今後社会問題を考えていく上で非常に大事な機会になったと思います。私が参加している北海道での取り組みは、外国の方の力を借りないと作業が賄えないのが現状でした。その中で参加した今回の御浜町のクラチャレでは、場所から気候まで、全てが北海道の環境と違いました。今後も少子高齢化という日本全体の問題に対して、1個人として携わっていきたいと思います。
【東京国際大学国際関係学部3年 池田 青輝】

地方が活性化するには、外部の力もあってこそ
今回のクラチャレでは、複数回参加した立場から活動を行いました。滞在中は地元の多くの方々との交流の中で、地元の方の「少しでも御浜町を活性化させていきたい」という柔らかくも熱い思いをたくさん感じました。一方で、御浜町だけでなくほかの地域にも共通していたのは、「外部の人・地域の協力ではじめてひとつの町が活性化する」ということでした。御浜町は「関東の地域では食べられないみかん」「毎日違う色の海」など、大きな魅力を持っています。そんな魅力あふれる町を、外部の立場ながら関係人口の一人として、大学生の強みである”発信力”を生かして魅力を伝えていきたいなと感じました。
【東京女子大学3年 松永 侑貴惠】

■事後報告会での提案

▼現地で感じた、御浜町の課題

御浜町の課題の多くが人口減少に起因するものでした。最終的に人口減少にアプローチするべく、知名度や環境の整備について御浜町での取り組みを考え、提案することを決めました。

▼私たちが提案する解決策

■全体の感想

今回、御浜町のクラダシチャレンジに参加して普段私たちが住んでいる所ではできない体験が多くありました。例えば、海をはじめとする景色や、御浜町という場所の素晴らしさが1つ。他にも、みかん収穫を経験してわかった後継者問題やブランドの問題。御浜町の若い世代が都市圏に流れ出てしまうという事実。現地の人と話すと事前に私たちが調べたことよりも正確で細かい数字が出てきました。その情報も踏まえることでより現実的な議論ができ、今後の新たな可能性を見つける良い機会であると感じました。今回は私たちが御浜町を訪れましたが、このような機会を今後も継続することが御浜町の為であり、より良い未来の為だと感じました。

■最後に

改めて、御浜町クラダシチャレンジを開催するにあたりご協力いただきました、多くの皆様、本当にありがとうございました。

クラダシチャレンジは今後も全国様々な地域で開催する予定です。
クラチャレ公式InstagramやFacebookグループにて、優先的にご案内するため、是非以下をフォロー&グループへのご参加をお願いいたします!

▼クラチャレ公式Instagram
https://www.instagram.com/kuradashi_challenge/

▼クラチャレFacebookグループ
www.facebook.com/groups/kuradashistudent/








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?