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第118回精神神経学会学術総会参加レポ

書籍展示してきました

6月16日(木)~18日(土)まで、福岡で開催された第118回精神神経学会学術総会で書籍展示をしてきました。福岡国際会議場、メインホール(F会場)前のブースでした。来てくださった皆様、会期中にいいねやRTしてくださった皆様、ありがとうございました。そして、書店でも、法人でもない(しかも監修の許斐先生以外は精神神経学会の会員でもない)私たちを受け入れてくださった精神神経学会の皆様、運営に当たっておられた株式会社JTBコミュニケーションデザインの皆様にも、心から感謝いたします。

当日は、725部を持ち込み、会場でのお渡しと発送を合わせて、本当に1冊も残らず、ぴったり725部が旅立っていきました。次の予定があり、3日目の昼過ぎには撤収してしまったため、3日の午後に発送依頼しようと思っていらした先生方、ブースに来てくださった方には申し訳ありませんでした。もしこのnoteをお読みでしたら、Webサイトからも発送依頼できますので、どうぞご活用ください。

実は今、「薬はじめてガイド」の翻訳版(いまのところ英語版ですが、中国語、韓国語、ポルトガル語などもニーズが多いことから、他言語展開も真剣に検討中です)を作成中なのですが、会期中は翻訳チームからも応援に来てくれ、3名での参加でした。快く手伝ってくれたBrianありがとう!

普段は研究者として学会に参加し、会場を回遊しているのですが、書籍展示では3日間ブースに座り続けるという初めての体験でした。結構ハードですね。お隣のブースの設営の手際の良さに感動しながら、書店さんはすごいなあと思いました。ホールから漏れ聞こえる講演に耳を傾けたり、ほかの書店さんのブースを見て回ったり、普段私たちが参加している神経科学の学会とは違う雰囲気を楽しみました。素敵な出会いもたくさんあり、これからの活動がますます楽しみです。

薬はじめてガイドの印刷費はどうやって工面しているの?

今回「無料配布してるけど、印刷費・発送費はどうしているの?」と何名かの先生からご質問をいただきました。さすがに一介の研究者である私たちが、これだけの活動に私財を投じているわけではありません。これまでは、公益財団法人一般用医薬品セルフメディケーション振興財団(2021年度啓発事業助成)、齋藤茂昭記念財団から助成金をいただき、製作費、印刷費、送料を賄ってきました。

これまでに4800部を印刷し配布してきたのですが、そろそろ在庫が3ケタ前半になり、焦りを感じています。今の分厚い紙に印刷した冊子の単価は100円程度です。印刷物という性質上、どうしてもまとまった部数でないと単価が上がってしまうため、だいたい3000部程度(30万円程度)からでないと、増刷が難しいという現実があります(一度に刷る部数が減るにつれて、単価が跳ね上がっていきます)。例えば、1000部単位の大量部数を必要とする場合は、印刷費をご負担いただく形で増刷することも可能です。でも、通常のクリニックであれば数十冊あればしばらくはなくならないのではないかと思いますし、難しいところですね。これだけ社会に必要とされている現状を踏まえると、定期的に増刷するための資金獲得が目下の問題です。

このような理由から、制作チーム内では紙を薄くした廉価版を増刷すべき、という意見と、クオリティを落としたくない、という意見で割れており、話し合い中です。私自身の経験を鑑み、読者さんのなかにも「疲れやすい」「物の存在を覚えておくことが難しい」「身体の動きのコントロールが難しい」などが理由で、物を丁寧に扱うことが難しい状況の人が多いのではないかと推測していました。そのため、多少お茶とか醤油をこぼしても大丈夫な紙にしたいです!と印刷会社にお願いして(※本当に打ち合わせのときに言いました)分厚い丈夫な紙に刷っていました。私個人としては多少ぺらっとした感じになっても、在庫がない期間が出るよりはマシだと思うのですが、どうなのでしょうか。

ほかにも活動継続のためにいろいろと策を練っていますが、いかんせん本業(※一応中の人2名は大学所属の基礎研究者のため、普段は授業とか実験をしています)との両立も必要なため、すぐにプロジェクトにとってベストな動きができるとは限りません。今後も暖かく見守っていただけますと幸いです。

薬はじめてガイドの内容を参考にして、当事者向けパンフレットを作りたい

パンフレットを持ち帰ってくださった先生方の中には、自分たちが情報発信するときの参考にしたい、と言ってくださった方もいらっしゃいました。私たちの薬はじめてガイドの内容を参考にして、別の当事者向けパンフレットを作ったり、他のカタチで情報発信をする、というのは大歓迎です。

私たちがこのパンフレットを作った理由のひとつに、保護者や(教師、上司などを含む)支援者向けのものにくらべて、当事者に向けて書かれた無料の(あるいは低いハードルで手に取れる)情報源がほとんどない、というものがあります。当事者に向けて発信される情報の総量を増やすことこそが私たちの狙いです。今、保護者向けの情報は全国の自治体ホームページから色々なタイプのパンフレットをダウンロードできます。つまり、自分のニーズに合ったものを選べるのです。当事者向けの情報源についても、同じような状況になったら良いなと思います。

私たちのパンフレットは、無料の類書がほとんど存在しないためにどうしても文字中心の情報になってしまい、読むのが難しい人もいると思います。もちろん全部読まなくてもいいように作ってはありますし、Webサイトには読み上げの音声もあるけれども、やはりこの1冊ですべての困っている人をカバーすることは難しいというのが現実でしょう。情報発信できる立場の方は、ぜひ私たちのパンフレットをたたき台に、もっと良いパンフレットを作り、発達障害当事者の選択肢を増やしていってください!

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