第一章 国から派遣された者達2
「まずはここより近い町へと向かい悪しき存在の情報を集めましょう。今の段階では何処に行けばよいのか分かりませんので」
「はい」
「さて、神子様。本日の検診のお時間です。町へ向かうのには少し歩きますので体力がないと途中で倒れてしまいます。ですから検査して体調をみてみましょう」
村を出て少ししたところで彼が目的地について語る。それに返事をしていると文彦がそう言って声をかけてくる。
「まさか服を脱いで身体を見たりするんじゃねえだろうな」
「簡単に熱はないかとか脈を診たりして体に異常がないかなどを見るだけですので服は脱がなくても大丈夫ですよ。そ、それよりも神子様の前で服を脱ぐなんて破廉恥な発言はお控えください」
「お前が顔赤くなってどうするよ。まあ、服を脱いでみないんなら別にいい」
伸介の鋭い追及に彼が頬を赤らめながら答えた。それに溜息をつきながら返事をすると服を脱がなくても大丈夫だって事に安堵する。
「で、では。はじめさせて頂きますね」
「は、はい。お願いします」
文彦の言葉に神子は返事をすると人生初めての検診に緊張しながら脈を診てもらったり熱はないかを調べてもらう。
「少し脈が速いようですが、何かご不安な事でもあるのでしょうか」
「す、すみません。今まで検診なんてした事がないので少し緊張してしまって……」
見抜かれていることに頬を赤らめ恥ずかしがりながら答える。
「誰でも最初の検診の時は不安で仕方ないですからね。脈はいずれ落ち着くと思いますし、今日は旅をするのに特に問題はないですね」
微笑み彼が言った言葉に皆最初は同じなのだと思た途端安心してほっと溜息を吐き出す。
「神子様の体調に問題がないならこのまま町まで向かうが、それでよろしいか」
「はい。私は大丈夫です」
検診が終わるまで待っていた隼人が言うと神子はそれに答える。そうして再び歩き出した。
基本長編か短編の小説を掲載予定です。連続小説の場合ほぼ毎日夜の更新となります。短編の場合は一日一話となります。 連続小説などは毎日投稿していきますが私事情でPC触れない日は更新停止する可能性ありますご了承ください。 基本は見る専門ですので気が向いたら投稿する感じですかね?