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戦闘服からヘッドセットへ

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お仕事物語です💻 コールセンターを舞台に様々なお客様や、電話をとる変わった人などのお話が展開されます🌸  登場人物も、ぶっ飛んでいます💦
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#かりん

戦闘服からヘッドセットへ 29   ~最終回③    大切な戦闘服とヘッドセット~

戦闘服からヘッドセットへ 29 ~最終回③ 大切な戦闘服とヘッドセット~

 朝、リビングのテレビからニュースが流れていた。テレビ局の看板アナウンサーは笑顔で挨拶をしている。
「今年は暑い夏でしたが、やっと涼しさを感じる季節に入りました。あの暑い日々をすでに忘れつつありますが、気温の上昇は年々増すばかりです。今年、2025年は沸騰化時代を少しでも抑えるため、各企業でも政府が打ち出した目標に向けて活発に動いています」

 朝食をとり終えた瑠美は、玄関へ向かう三平を追いかけた

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戦闘服からヘッドセットへ 26 ~熊虎コンビ~

戦闘服からヘッドセットへ 26 ~熊虎コンビ~



~上杉の決意~

  莉理が、長期休暇を終えて出勤するまで、あと2日。

 上杉は、横尾と食堂で遅いお昼を食べながら莉里の事を考えていた。夏に社食で定番となる冷やし中華を口にし、なんら変哲のない定番の味にいつもと変わらない食堂で、上杉の心だけは落ち着く事が出来ずにいた。
 上杉は深いため息をついた。
「なんで、横尾も莉里ちゃんの事を詳しく知らないんだよ」
「いや、続けるとか辞めるとか、人事もで

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 戦闘服からヘッドセットへ 23 ~life plan~

 戦闘服からヘッドセットへ 23 ~life plan~

「熊さん、この前の飲み会、先に帰ってたのか」
 あの日の飲み会から、すでに数日が過ぎていた。
「ん?ああ、お前らに付き合いきれる訳ないだろう。もう40代のおっさんだぞ。体がもたない」

 喫煙ルームには、2人しかいないようだった。
「まぁ、しゃーないな。あと置いていった1万円、多すぎる。一応、使わせてもらって皆にはその分、少なく済ましたけど。悪いから、俺から、多かった分は返すよ」
 そう言って、上

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戦闘服からヘッドセットへ 17 ~虎の過去~

戦闘服からヘッドセットへ 17 ~虎の過去~

「そうかぁ、熊さんがバツイチだったなんて、驚きですよ」
 新藤が笑いながらそう声にすると、三平はお酒がまわってきたのか、にこにこした表情で言った。
「そう言われてみれば、研修の頃とか、佐々木さん怖かったなぁ。同期に反社がいる!って思ったもん」
「おいおい、失礼だな。・・・まぁ、正直な事を言うと、ここに来たばかりの頃は心が空虚だった気がする。今はすごく楽しいけどな。このメンバーが同じチームで、本当に

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