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#戦闘服からヘッドセットへ
戦闘服からヘッドセットへ 24 ~涼やかなイケメンの正体~
札幌の夏は短い。7月に入り、とうとう夏がきた。と思うと、すぐに8月となり、秋がきてしまう。これまでは、そう言われる事が常だった。
平成の時代は、「今年、夏と呼べた日は、一体どの日だろうか?」と腑に落ちずに終わる事が多く、それくらい涼しかったのだ。
これが、一体どうした事か。ここ最近は、温暖化の関係なのか、これぞ夏の暑さ、と呼べる気温を容易に達するようになっていた。
本州の暑さから逃れよう
戦闘服からヘッドセットへ 23 ~life plan~
「熊さん、この前の飲み会、先に帰ってたのか」
あの日の飲み会から、すでに数日が過ぎていた。
「ん?ああ、お前らに付き合いきれる訳ないだろう。もう40代のおっさんだぞ。体がもたない」
喫煙ルームには、2人しかいないようだった。
「まぁ、しゃーないな。あと置いていった1万円、多すぎる。一応、使わせてもらって皆にはその分、少なく済ましたけど。悪いから、俺から、多かった分は返すよ」
そう言って、上
戦闘服からヘッドセットへ 22 〜おバカでウルフルズな夜~
上杉と莉里の前には、飲み会で帰りが遅くなったような学生たちが、楽しそうに駅へ向かっていた。
「前の職場でそんな事があって、今の所に来てから研修の担当をするのは、挑戦だったんじゃ?」
「ああ・・・うん、挑戦だったね。でも、それ以上に、もう一回やり直せるかも知れないって思ったの。初日はすごく緊張したんだけど、思っていた以上に楽しくて」
お酒で気持ちが高揚していたのかもしれない。莉理は、珍しく研修担
戦闘服からヘッドセットへ 21 ~莉里の消えない傷~
瑠美と莉里は、カウンター席からチームメンバーが座る小上がりに合流した。皆が勢ぞろいした飲み会は久しぶりだった。
「おい、それ本当か?」
上杉は驚き、瑠美に向かって声を荒立てた。
「うん、そうだよ」
「そんな状況だったのか、相談してくれたら協力したのに。女が外でタイマンは危ないだろう。せめて職場で話した方が安全だ」
「そうだな。それか、すすきの交番の前とかな」
赤い顔になり始めた佐々木は、真