あをによし 【吉野の夏は、あをとかえる】奈良あるき 前編
珍しく休みの土曜日の昨日。
ひーさんと作業を予定していたが、彼女に急用ができたと前日に連絡が入り
フリーになった。
さてどうしよう・・・
そうそう吉野へ夏の間に訪れたいと思っていた
ということで、この日に決定!
本当は本日七月七日、金峯山寺での『蓮華会』『蛙飛び行事』があり、
一度観てみたいと思っているが、仕事で無理なので今年も残念ながらパス。
今回も長い記事(大量の写真)になります。
近鉄吉野線で終点吉野まで。
土曜にしてはだいぶ空いてた車内。
そして終点吉野駅で下車したのは、ワタシを含めて4人!
そのうちお二人は清掃の鉄道関係者。
人が少ないのは嬉しいが・・・なんとも複雑な気分でスタート。
観光案内所前に蛙飛び行事の提灯がお出迎え。
吉野は昨年の秋以来。
紅葉が見事だったケーブル乗り場は、青もみじのトンネルに。
秋の景色はこちらで
もちろん今回もケーブルには乗りません。
歩きます。
盆地では紫陽花はほぼ終わりつつあるが、ここではまだキレイに咲いているものが
たくさんあった。
参道のお店は閉まっているところが多い。
土曜日の午前10時。
ここまでですでに汗だく。
もう見た目気にせずタオルを首に巻く・・・
黒門を通り抜けたすぐのところにある、陶器屋さん?!
かわいいコたちがいっぱいいて、しばし道草。
キョロキョロ寄り道しながら、金峯山寺に着くと
五色幕が下の方でヒラヒラ。
蛙飛び行事の準備の真最中でした。
本堂正面に花道?!の設置工事や
五色幕を大勢の関係者で掲げるところだった。
まずはお参りに脇から本堂に。
中を拝観しようかな〜と思ったが今回はやめて正面からのお参りと
古いお札を納めるだけにした。
一度外へ出て、幕が上がるのをベンチから見学。
あの長さを吊るすのはなかなか大変な作業、布って重いのでね。
しばらくして無事五色幕設置完了!
いいですね〜
五色幕といえば東大寺の法要で見た紫でなく
黒の幕がかっこよく印象的でした。
風がけっこう吹いていて、バサバサ揺らぐ。
さて、蛙飛び行事とは。
同時に行われる蓮華会について一緒にざっくりと記録。
蓮華会
金峯山寺の三大行事の一つで、7月7日は役行者が産湯をつかったと伝えられる大和高田市奥田にある弁天池の清浄な蓮の花を蔵王権現に供える法会です。
蛙飛び行事
大青蛙を乗せた太鼓台が蔵王堂へ練り込み、法要の後、蛙飛びの儀式が行われ、最後に導師の授戒によってめでたく人間の姿に戻ります。
なぜ蛙かというと・・・
金峯山寺の三大行事の一つ。
当日は多くの人で賑わうようだが、前日の準備作業で終われる境内各所。
なんだか舞台裏を見たようで、これはこれでよかった。
行事は観れないが、逆に静かに参拝できた。
また秋のご開帳に参ります・・・
参道のお店も、明日に備えてのお休みなのか?
しかし土曜日よ・・・
いつもの葛のお店でわらび餅粉を買おうと、全開の店先から
「すみませ〜ん」
「こんにちは〜」
と何度叫ぶも、うんともすんとも・・・どういうこっちゃ?
諦めて進む。
門前の通りを歩いていたら、𠮷水神社という看板が目に入った。
今まで何度も歩いた道ですが・・・
今日は吸い込まれるように足が向いた。
こちらも青もみじが見事。
𠮷水神社
参拝後、書院を見学。
潜居の間
源義経と静御前が弁慶等と共にこの吉水院に隠れ住まわれていたと。
たった五日間。
それでも愛するひとと過ごした最後のひとときは、
かけがえのない時間であったのでしょう・・・
切ないですね。
後醍醐天皇玉座の間
後醍醐天皇はこの部屋を南朝の皇居と定められて、吉野朝が始まった。
武士の書院、貴族の書院、なかなか興味深くその造りを観ることかできた。
決して大きくもなく、華美であるわけでもないが
丁寧な造作が見てとれる。
奥に資料?宝物?コーナー的部屋に関係品が展示されていて
ここもなかなか見応えあるものがたくさんでした。
興味深い方々の書もある中
印象的だった後醍醐天皇の筆。
とても女性的な優雅な仮名で書かれている。
そして、古の人も雲を詠うのだなぁ〜と
うき雲のうたの余韻とともに、後ろの小さなお庭に目を向ける。
小さな祠は二つあり、よ〜くみると中にとても素敵な方々。
金峯山寺が見える縁側に腰を落として、
しばらく白龍さんや弁財天さんを眺めていると
ちょうど12時のドンドコが始まり、山に太鼓の音が響いていた。
このリズムがなんともいえないのです。
お腹に響く感じ。
まさに『遠い太鼓』を聴きながら・・・・
義経や静御前がひっそりと身を潜めたこと
後醍醐天皇が南朝を開いたこと
秀吉の盛大なお花見のこと
あまり実感がない遠い昔の話に、遺物や柱や書と想いを馳せる。
決していい話ばかりでなく、むしろここは潜むところ
という吉野のイメージがワタシにはある。
もっと古い時代の大海人皇子などの話のせいか?!
この谷深い険しい山奥に来なければならない理由がきっとあったのでしょう。
まだまだ宝物展示はあります。
狩野派の秀作も。
とても美しい鷹の画で、印象的だったのだが
知識不足でこの画家がわからない。
百峰
調べたが、よくわからない。
保留。
見応えたっぷりの書院と宝物でした。
今までなぜ見落としていたのか・・・
また色々歴史の復習が必要だと痛感した、𠮷水神社拝観でした。
桜だけが吉野じゃない!
といつも思いながら桜以外の季節を歩く。
同じ道を歩いていながら、まだみていないものがたくさんあり
かなり奥の深い場所、吉野。
長くなったので前編ということでここまで。
お付き合いありがとうございます!
後編につづく