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徒然雲 古今東西南北 京都あるき

お彼岸以降、朝晩はほんとうに涼しい。

真夏の間の朝のコーヒーは一杯はホットラテ、2杯目はアイスにして飲んでいた。

でも昨日は涼しく気持ちがいいので、3杯ホットラテ。

ガブガブです。


そんな3杯のラテだけ飲んで向かったのが、またまた京都。

長い記事でございます。


今回は観たい特別展がありましてね。

こちら、完全にフライヤー効果です(笑)

訪れたのは京都文化博物館で開催中の

生誕140年記念『石崎光瑤』展

ここ数年で日本画に興味を持ち始めたワタシには、恥ずかしながら聞いたことのない画家です。

画をみたら知っている作品もあるかな?と思いましたが
実際も初見のものばかりでした。



これは観たくなるでしょ





石崎光瑤

富山県南砺市出身(1884〜1947)
19歳で京都に出、竹内栖鳳に入門。
インド旅行後に描いた作品が文展・帝展の特選になり注目を受けたという。


初めての石崎光瑤の作品、まずは華やか!

色の重ね方、大胆な構図、構図は大胆だが描かれるその画は
繊細で緻密、そんな印象の作品たちだった。

展覧会のコピー通り、絢爛な植物や鳥の鮮やか世界。
でも「若冲を越えろ」はいらないコピーかな。


幼少期からすでにかなりの描く力を持っていたようで

観察力、これは今まで観てきた画家の共通の秀でた才能というか、習性?!

この写生力があっての、独自の表現に繋がる力とつくづく思う。


12歳〜19歳に描かれた昆虫画
自分の子供の時の絵と比べると・・・・
ここから違っているわけです



屏風などに大きく描かれた作品の緻密な画。

そんな中で好きなディテールをいくつか。


『森の藤』




『熱国妍春』




『熱国妍春』
この画家の蒼と碧が美しい





『白山の霊華』




この方、登山家の一面もあり、民間人としては初めて剣岳に登頂しているというではありませんか!
これ、すごいことですよ!
文展・帝展の特選も素晴らしいですが・・・
この方が?!ワタシには衝撃でした(笑)



『信州槍岳之図』
こちらは槍岳




ワタシが絵画展の展示で気になるのが、画家のスケッチブック。

これがやはり大作、名作の基本の基。

デッサン力を具に観れるので好きです。






そんなデッサン帳を収めていたケースがとても素敵だった!


スケッチブックケース
インド更紗かな?



スケッチ


スケッチ


スケッチ






そして印も
緻密




今、鉄斎や不染鉄などに夢中なので、それら墨画に比べるとかなり華やかで
色彩豊かな画たちでした。

植物画、描くひとによりかなり異なり面白い。

ディテールが好きですが、写真では表現できない独自の色や形が描き出せるのが
絵画の魅力かもしれません。


新たに知った表現者の、色と線の大胆で繊細な世界を観た。



さて、会場である京都文化博物館、初めて訪れる場所でした。

近くを何度も何度も歩いているのに・・・
この建物は一度も見た記憶もなく・・・


旧日本銀行 京都支店だった建物。


正面



美術館は本館になる。

鑑賞後、こちら別館を見学。

明治中期の典型的な西洋建築。

辰野金吾の設計・・・なるほど!

銀行ならお任せ!の方。 
そしてあの奈良ホテルの本館も。





天井



シンプル












外装は煉瓦造りで重厚ではあるが、内は木材のシックな佇まい。

この当時の銀行の西洋建築は本当に立派。
天井も高く、上手く素敵に再利用されている建物もあるが、
そうでないところも・・・勿体無い、よくそう思いながら眺めている。



京都散策。


博物館の向かいにある建物が、これまたスッキリ好きなタイプ!


この開口部・・
いいね



その並びには町屋をとても素敵にリノベしたアンティーク屋さんが。

内容も素晴らしくセンスの良いお店でした!





何時間でも見ていられる古いものたち・・・



その後、しばらく御池通を東へ。



ケヤキ並木






寺町通まできたら北へ。









寺町通のお気に入りのお店をいくつか寄り道。


そして、Uターンして寺町通を南へ。

アーケード商店街を通る。
久々にこの道を歩いたら、鳩居堂がすごいことになっていた。
あっちにもこっちにも。
ノリに乗ってます。


途中からあっちの路地こっちの路地と曲がりながら四条まで歩く。

その路地をどこで曲がっても、洒落たお店が現れ驚いた。
ここはないだろう!と曲がってもある。

ちょっとショック。
街の構造もあるが、何か奈良とは違う活気と勢いとセンスがある。

まあ、静かで落ち着いているのが奈良の良さですがね。







四条まで来たので、先日、ならまち月燈さんに教えていただいた、
ふたばの豆餅が手に入ったらいいな〜と大丸へ。

残念ながらこの日は入荷がなかったよう・・・

まあ、また来れるので良いです。

そして出ようとエスカレーターで上がっていたら・・・・

壁に見覚えのある写真が。



星野道夫の写真展の案内。

これは・・・ちょっと豆餅の何ていうんでしたっけ、繋がっているあれ。

以前、ならまち月燈さんとコメントのやり取りしていて出てきた写真家の話。
お互い通った道(影響受けた)ねと。

ということで、またエスカレーターを乗り直して上階へ。


観てきました。

写真展『星野道夫』悠久の時を旅する


不思議なことに昔感じたような感動は受けなかった。

壮大な自然の姿、人を含め生き物の逞しい生命力などは
今でも素晴らしいと思うのですが、シビれる思いはない。

あっ、展示のスタイルも若干見にくく勿体無いとは思った。
デパートの催事って感じでね。


昔ほどの感動がない・・・
その理由が写真に添えられた写真家のことばにヒントがあった。

自然には二つあり、一つは日々の暮らしの中で関わる身近な自然。
もう一つは、訪れることのない遠い自然。そこに在るという意識を持てるだけで
私達に想像力という豊かさを与えてくれる・・・


今のワタシは日々にかかわる身近な自然に感動を覚えることが多い。
小さく些細なことだが、そこで何気なく生きる花や虫や草に心惹かれる。

もともとも大自然よりも街の姿や、人の住まいに興味を持ってはいたが
一度は観たい壮大な自然もあった。

いつしか遠い自然は想像もしなくなったかも・・・


そんなことを歳を重ねた結果の今の自分かな、と思った。


またこんな言葉も。

寒さが人の気持ちを暖かくする。


遠く離れていることが、人と人の心を近づけるんだ。



今回は彼の写真ではなく、言葉が心に響きました。



盛りだくさんの観たもの感じたもので、頭いっぱいで帰路についた。


西に東に南に北に歩いて、また古きを学び新しきを知った京都あるき。

古都だが変化する街。



お付き合いありがとうございます!




【今日のおみやげ】

アンティーク屋さんで目が合った、雲龍柄の小皿。

雲と龍




以前、黒いコットンストールを購入したお店で、また布モノ。

インディアンコットン
ベンガル地方(確か)でタオルとして使われる
1日何度も水浴びする時に使用とのこと
赤も可愛かったが・・・
やっぱり




おしまい





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kumokichi
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