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消雲堂綺談

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私は怪談奇談が好きで、身近な怪異を稚拙な文章にまとめております。
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2023年10月の記事一覧

災害の多様性「自死災害」

災害の多様性「自死災害」


「自殺は絶対にいけません」

どんな不幸や悩み事があっても自分を殺すなんてことはやめた方がいいのです。僕なんか若いときには不幸も悩みもないくせに「いつ死んでもいいぜ」なんてバカな事を言っていました。バカですね。死ぬのは痛いし苦しいですよね。電車に飛び込めばグチャグチャな轢断死体が多くの人に見られるし、その路線の鉄道会社や電車を利用している乗客の方々など、たくさんの人に迷惑をかけてしまいます。自宅

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芸能人連続自死事件 弐

芸能人連続自死事件 弐

「不思議な手紙ですね・・・」異能は低い声で呟くように言った。
「不思議ですか・・・?血の通った私には、その感覚はありません」ちなみの気を損ねてしまったのだろうか? 少しだけ不機嫌な表情になった。
「気を悪くなさったのならお詫びします。そうですね、血の通わぬ他人の僕から見れば不思議な手紙だなと思ったのです」
「気になったのはハリガネムシのことです」
「ああ、カマキリの・・・」
「そうです。お兄さんは

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芸能人連続自死事件 壱

芸能人連続自死事件 壱

*あくまでも作り話です。実在の人物事件とは無関係です。

「依頼」

その日、神田明神下にある探偵、伊能清春の事務所に女性の訪問客があった。異能の事務所は明神下側の階段「男坂」の中腹の踊り場にある。男坂の階段を昇降する参拝客は少なかった。旧型コロナ禍であり、非常事態宣言なるイベントのような出来事が数度続いていたから外出は自粛されていたからだ。

訪問客の女性は櫻田ちなみと名乗り、異能が勧めるソファ

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