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女子高生×ミニチュアハウス

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後藤葵はミニチュア作りが大好きな女子高生。 つらいときも、悲しいときも、ミニチュアを作っていれば、すべてを忘れられる。 そんな葵のミニチュアが注目を集めて、人生が大きく動き出す。…
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2024年7月の記事一覧

さよならなんか、言わない。 ~あとがきにかえて

 3か月間連載してきた『愛なんか、知らない。』は、本日最終回となりました。  この3か月間…

凪
7日前
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愛なんか、知らない。 エピローグ

「鈴~、どこにいるのお?」  私は鈴を呼びながら、ドアを開けた。  そこには、鈴がいた。 …

凪
7日前
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愛なんか、知らない。 最終章⑰私たちの、居場所

 お正月、大輔さんのご両親に挨拶に行くことになった。  前の晩は緊張のせいであまり眠れな…

凪
7日前
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愛なんか、知らない。 最終章⑯愛を知る家

 それからの1か月は、あっという間に過ぎて行った。  今さらだけど、銀行口座を閉じて、別の…

凪
8日前
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愛なんか、知らない。 最終章⑮ひとすじの光

 塚田さんは、私の表情から何か察したのか、「それは、葵さんに問題があるからじゃないよ。自…

凪
9日前
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愛なんか、知らない。 最終章⑭訣別の時

 その日は、老人ホームのワークショップの日だった。  久しぶりだから、どうなることかと思…

凪
10日前
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愛なんか、知らない。 最終章⑬未来の扉

「それとね、後藤さん、ここまでは過去の話。ここから、未来の話をしたいの」 「未来?」  南沢さんの目がキラキラしてる。 「今、絵本を作らないかって話が来てるのね。私、その絵本を、後藤さんのミニチュアで作りたいの」 「えっ、ええほ、絵本ですか!?」 「私の世界観と、後藤さんの作品の世界観ってピッタリだと思うのね。だから、私が絵本を作るなら、後藤さんのミニチュアを使ってほしいと思って。絵本って言っても、大人も読めるような絵本だから、完全に子供向けにする必要はないみたいだし。どう

愛なんか、知らない。 最終章⑫忘れることなんか、できない。

 その日から、塚田さんと毎日のようにメッセをやりとりした。  といっても、鈴ちゃんが図画…

凪
12日前
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愛なんか、知らない。 最終章⑪幸せな一夜

 塚田さんとディナーする日は、優の言葉を信じて青いワンピースを着て行くことにした。白いカ…

凪
13日前
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愛なんか、知らない。 最終章⑩戸惑いと、ときめきと。

 その夜。心に塚田さん親子と映画を観に行ったことと、塚田さんからのメッセージを報告した。…

凪
2週間前
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愛なんか、知らない。 最終章⑨秋の日、井の頭公園で

 ランチの後、井の頭公園を散策していた時、鈴ちゃんがスワンボートに乗りたいって言いだした…

凪
2週間前
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愛なんか、知らない。 最終章⑧心躍る週末

 塚田さん親子の教室は、鈴ちゃんから「あれも作りたい、これも作りたい」というリクエストが…

凪
2週間前
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愛なんか、知らない。 最終章⑦鈴ちゃんのミニチュア教室

 9月に入って、塚田さんと鈴ちゃんがうちに来た。 「こんにちは~」  二人とも汗だくだ。 「…

凪
2週間前
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愛なんか、知らない。 最終章⑥にぎやかな8月

 お父さんがバッグに荷物を詰めていると、「パパ、これ見て」とリンちゃんは純子さんのミニチュアのところに引っ張っていった。 「うお~、すごい、細かいなあ。これは、この食堂をミニチュアにしてるのかな?」  目黒さんは子供たちに料理を出しているので、私が「そ、そうなんです。このミニチュアを作ったのは、私の恩師なんです」と応じた。 「そうですか。いや、すっごいリアルですね。この椅子が乱れてるところとか、人がさっきまでいたみたいでリアルだなあ」 「! そうなんです、そうなんですよ!