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日々掌編短編小説(そよかぜの千夜一夜物語)

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2020年1月1日から、ほぼ毎日掌編小説を執筆中。東南アジア小説をはじめ、興味のあるあらゆるジャンルをネタにして作品を発表しています。ちなみにこちらには「書き下ろし」としてしばら… もっと読む
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2022年8月の記事一覧

映画のシーンで 第949話・8.31

「みんなうまそうにビールを飲んでるな。やっぱり早く出よう」夕食をそそくさと終えると、誰に…

湯上りの不機嫌 第948話・8.30

「ごめん、ちょっとゆっくりしすぎたわ。でもエドワード!いいお風呂だったわね」日本語堪能な…

越前の海岸へ 第947話・8.29

「なにかさ、通勤中に異空間に紛れ込んだって、会社の後輩が変なこと言ってたけど、こうやって…

異空間に紛れ込む 第946話・8.28

「きょうもコンビニで弁当か」と言いながら決まって同じ弁当を買う。朝の通勤前のひとこま。朝…

ビーチから向かった先 第945話・8.27

「これってやっぱり遠浅の海かな」朝早くから声に出して呟きながら海を眺めている。この海が本…

逃げる 第944話・8.26

「はやく、早く逃げないと!」私は走る。ただひたすら走った。とにかく逃げる、逃げるのだ。こ…

動物海苔巻き 第943話・8.25

「え、いったいどうなっているの?」ある白い動物は意識が戻ると、首から下が、何か黒いものに巻き付けられていることに気づく。 「お、俺もだよ」隣を見ると黄色い動物も同じ状況になっている。そのさらに横にいるのは黒い動物。意識を失っているのかまだ気づいていないようだ。どうやら同じ町に住む動物の仲間たちが同じように拘束されていることがわかった。 「な、なぜ僕たちがこんな目に」白は記憶をたどろうとするが、まったく思い出せない。そもそもここはどこで、なぜ拘束されているかがわからないのだ。

ありえないことは起こるのか 第942話・8.24

「うん、あれは何だ?」自分が温泉に入っていると、正面から不思議な存在を発見した。よく見る…

呂 第941話・8.23

「うーんと大体3時間かしらね」列車の中にいる女は時計を見た。時刻は午前11時。女は今ひとり…

モヤモヤとスッキリ 第940話・8.22

「あいつ結局、海には行かなかったのか......」8歳年下の弟からのメッセージを確認した兄はた…

夏の日曜日の過ごし方 第939話・8.21

「よかった。蚊に刺されずに済んだ」すがすがしい目覚めの朝を迎えた。窓から太陽の日差しが照…

死を覚悟して突撃する 第938話・8.20

「お、しまった、出口はどこだ」大きなハエは、間違えて人の家の中に入った。「お、あそこ、あ…

タヌキの創作? 第937話・8.19

「今日の夜はやけにバイクが多いな」夜が寝静まった深夜、片道2車線のバイパス道路には、今日…

湖以外を回ってみる  第936話・8.18

「滋賀県に来たが、今回は琵琶湖を避けられそうだ」新幹線に乗って滋賀県へ、米原駅で下車した。滋賀県といって思い出すのはどうしても琵琶湖だが、琵琶湖だけが滋賀県ではない。そのことを検証しようとやってきた。  米原の北には長浜があり、西には彦根と城下町があるが、いずれも琵琶湖に面している。だから今回はどちらもパス。米原からは近江鉄道に乗る。近江鉄道はJRよりも湖の反対側を走るから、ちょうどよいと思った。ところが、いったん彦根駅で合流してしまう。 「まあいいか、それでも途中の鳥居本