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日々掌編短編小説(そよかぜの千夜一夜物語)

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2020年1月1日から、ほぼ毎日掌編小説を執筆中。東南アジア小説をはじめ、興味のあるあらゆるジャンルをネタにして作品を発表しています。ちなみにこちらには「書き下ろし」としてしばら… もっと読む
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2021年12月の記事一覧

ドローンでドロンを試みる 第687話・12.10

「マウ吉兄貴、どこへ行くんです?」「チュー太見ろ。あいつで高飛びをするぞ」壁の奥の穴から…

アホとバカの開放区 第707話・12.30

「そういえば、今更だけど、圭さん、アホとバカの違いって分かる」ベトナム人妻のホアがいつも…

SOUJI 第706話・12.29

「それで、明日俺に手伝えと」「お願い、これ来年から店長になるための最後の試練だと思うの」…

線路の上のチキン野郎? 第705話・12.28

 ここはとある駅のホーム。まもなく列車が来るからと、待機しつつ呆然とあたりを眺めていると…

仕事納めの業務 第704話・12.27

「山本、午後の準備は」「はい、わかっております」「伊藤と頼んだぞ」社会人2年目の山本朋美…

AI時代の年末 第703話・12.26

「こんなものに何の意味があるの?」ある少年は、大人たちの伝統的な振る舞いにいら立った。 …

クリスマスになってから 第702話・12.25

「昨日は会えなくて悪かったな」太田健太はそう言って、待ち合わせ場所で待っていた木島優花に謝った。「いいわよそんなの。本当は今日がクリスマス本番だしね」  昨日のクリスマスイブは健太がバイトでデートができなかった。そのため今日ふたりでデートしようとなったのだ。  こうしてあらかじめ予約していたレストランに入るふたり。カジュアルなイタリアンレストラン。「では乾杯」ふたりはビールで乾杯した。「でも、昨日まで大変だったでしょ。お疲れ様」 「ああ、サンタクロースのバイトな。内定もらっ

クリスマス・イブのデート 第701話・12.24

「おう、美羽、遅れた。悪いな」「ううん、拓海君、私も来たところ」  いつもの場所で待ち合…

700グラムの七面鳥 第700話・12.23

「あ、届いたわ」海野沙羅は宅配便がドアの前に来たことで思わず声を上げる。「ありがとうござ…

冬至という1年で最も夜が長い日での夜の過ごし方 第699話・12.22

「え、もう暗い。さすが冬至だ」俺は帰りの通勤電車に乗っていた。今日は仕事は定時のはず。な…

バスケットボールと遠距離恋愛 第698話・12.21

「こんなところに公園が、あれ、知らなかった。本当に灯台元暮らしだ。この町に3年も住んでい…

デパートでサンタが仕入れたもの 第697話・12.20

「定時で追われそうだ。予定通り今日買っておくわ」「そう?じゃあデパートにしたら」「どうし…

海岸に立つ女 第696話・12.19

「あれは!」いつもいつもの時刻に、近くの海岸でウォーキングをしていた義則は、いつも見慣れ…

Space illumination 第695話・12.18

「おい、これなかなかレアな画像じゃないか」「だろう。これオークションに出したら高く売れるかなあ」男Aは、友達の男Bに得意げな表情でひとつの画像を見せる。 「これはいけるよ。今じゃ考えられない世界だ。何で地面とイルミの光がついているんだ?」驚くBにAは得意げな表情。 「これ我が家に代々のこる宝物蔵にあったんだ。当時の媒体だからどうかなと思ったけど、いやあどうにか再現できたよ。それですぐにコピーした」 「そうか、Aの家は古くからの名家だからな」「まあご先祖はともかく俺はごく普通