春一番を感じつつ挽回できた失敗
「今日は暖かい。南からの風が強いということは春一番か」
海野勝男は休みの日を利用して、近所の河川敷に妻・沙羅を引き連れて散歩に来ていた。この日はバレンタインデー。だが管理職のビジネスマンとして日々重要な仕事を続けている勝男は、独身の若者たちのようにチョコレートの受け渡しとは無関係。
子宝には縁がないが、夫婦水入らずで花見の様にビニールシートを持参。沙羅の手作りによる弁当を食べた。その後は河川敷の土手で風は強いものの、春先の温かい日差しを浴びながらゆったりと過ごしている。