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日々掌編短編小説(そよかぜの千夜一夜物語)

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2020年1月1日から、ほぼ毎日掌編小説を執筆中。東南アジア小説をはじめ、興味のあるあらゆるジャンルをネタにして作品を発表しています。ちなみにこちらには「書き下ろし」としてしばら… もっと読む
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2021年2月の記事一覧

エッセイvs随筆??「なんでnoteを書くのか」

「ふぁあああ」ある人は大きなあくびをする。時計を見るとすでに日付が越えていた。さきほどか…

釜山旅行で出会った恩人は今?

「うわぁ、懐かしいい」香織は偶然、過去の写真を見つけた。これは2015年に釜山に行ったときの…

魔法少女「彩花」2「脱出」

こちら の続きです。 「あれここは?」魔法少女の彩花は目を覚ますと、見たこともない風景。…

芦ノ湖の水を水田に取り込め

「箱根権現様の許可を無事にもらった。あと与右衛門殿が出してくれた資金があれば、深良の領民…

400字詰原稿用紙で書く400メートル走

「店長って、陸上やってたんだよね」ここはとあるビアバー。海外のビールやクラフトビールを扱…

天皇誕生日に富士山のふもとへショートトリップ

「由美子、すまんなあ。ワシのために一日付き合わせて」「伯父さん、私にとっても今日は、いい…

猫のささやき

「今日は2月22日はニャン(2)ニャン(2)ニャン(2)で猫の日。だからってこの写真を突然見つけるなんて、まるで小説の世界だわ」  鶴岡春香は一枚の猫の絵を見てそうつぶやいた。全身が白いのになぜかしっぽだけが黒い猫。彼か彼女か最後までわからなかったが、春香の家の近くに住み着いていたことだけは間違いない。 「あんまり思い出したくないんだけど」春香が愚痴るのは当然であった。なぜならば忘れもしない7年前のトラウマが、ジワリと襲ってくるからである。  まだ春香がパートナーの酒田洋

漱石の脳の中は?

「こんなところに来ていては、本当はダメなのに、やっぱり見たかったもんな」  ここは日光。…

婆羅島の夕日

「今日は2月20日。忘れられない日ね」  結衣は、家から歩いて行ける海岸に来ていた。時間は夕…

調子良く銚子に向かって見たもの

「先生、ホームページを見る限り、なんとなく調子乗りすぎかと思いましたが、実際にはそうでは…

幽王なるハートの準惑星の物語

「あれは、天王星かしら?」「うん、見せてくれるか」  私、真理恵は昼間コスモスファームと…

突風で取れた屋根を見て取り戻す自信

「ですからうちは、本物の木材を使っておりますから。和の美をですね」 「いや君の気持ちは痛…

食べてみたくなった寒天の味

「お帰りなさい」「どうしたんだ。また何か気合が入っているが」  霜月秋夫が、定時で仕事終…

春一番を感じつつ挽回できた失敗

「今日は暖かい。南からの風が強いということは春一番か」  海野勝男は休みの日を利用して、近所の河川敷に妻・沙羅を引き連れて散歩に来ていた。この日はバレンタインデー。だが管理職のビジネスマンとして日々重要な仕事を続けている勝男は、独身の若者たちのようにチョコレートの受け渡しとは無関係。  子宝には縁がないが、夫婦水入らずで花見の様にビニールシートを持参。沙羅の手作りによる弁当を食べた。その後は河川敷の土手で風は強いものの、春先の温かい日差しを浴びながらゆったりと過ごしている。