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移植前わざと子宮内膜に傷をつけると妊娠率が上がる!?

こんにちは(^ ^)クマです!

今日は着床不全のお話を少ししていこうと思います。


◎着床不全

反復着床不全とは良好胚を移植しているにもかかわらず妊娠に至らないことを言います。

子宮に何も異常がなく(器質的疾患がない)十分内膜も厚くなっており、移植した胚も良好であるのに、子宮内膜の胚受容能が不十分であることから着床不全が生じると考えられています。

原因は様々ありますが、子宮内膜増殖症、粘膜下子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜炎などの子宮内腔の器質的疾患が20〜30%ほどを占めます。

その他にも、卵管水腫のように胚の着床を直接的に阻害するもの、年齢の上昇などに伴う胚の染色体異常の上昇、肥満、免疫学的因子など様々挙げられます。

上記のような原因は可能な限り治療をしていくことが望ましいです。



◎着床の窓

以前ERAの記事でも紹介しましたが、着床には「着床の窓」と言われる胚が子宮内膜に着床できる限られた時期があり、胚と子宮内膜が相互作用することにより胚の接着、内膜への浸潤が可能になります。


少し難しい話ですが、着床前の内膜は、間質の脱落膜変化と内膜の微小絨毛などの膜の突出構造が特徴的です。また、サイトカインや成長因子、転写因子、接着因子の遺伝子発現パターンが変化します。



◎子宮内膜に傷をつけると妊娠率が上がる!?

原因不明の着床不全に対して、移植をする前の周期に子宮内膜に局所的損傷(刺激を加える)を与えると着床率を改善できるという報告があります。

その方法はスクラッチ法と呼ばれています。

子宮内膜を少しだけ削り取ったり、子宮鏡検査にて意図的に器械的な刺激を与えることで着床不全の治療になりうると言われています。

副作用として、施術中の痛みや、血圧低下などの迷走神経反射、性器出血などが挙げられます。

ただ、子宮内膜細胞診に使われる道具を使うことで痛みや性器出血は最小限で済むと言われているので副作用に関してはあまり気にしなくていいレベルと考えていいと思います。



◎スクラッチ法の有用性

とある研究ではスクラッチ法を実施した際の妊娠率などは改善傾向にあるとしています。

スクラッチ法を行った結果、着床率は28%、妊娠率は60%、生児獲得率は50%ほどとなり2倍に改善したとしています。

採卵日に子宮内膜へ局所的損傷を与えた場合は臨床妊娠率が低下するとの結果もあります。

よって、移植の前の周期に実施するとは言え、採卵周期にはやらない方がいいと言えます。



子宮内膜に傷をつけると聞くと怖い気もしますが、それで着床率や妊娠率が上がるのであれば1回試してみてもいいのかなとも感じます。

主治医としっかり話し合い、自分が通っている施設で実施可能かも合わせて確認が必要ですね。


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