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英大学院MSc | 金融 | リスク分析 | M&A

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銀行のリスク管理におけるオフバランスシートリスクとは

銀行のリスクマネジメントにおいて、見過ごされがちなオフバランスシートリスクは、リーマンショックでも大きな原因の一つであるといわれている。 バランスシートに載らない情報をどのようにリスク評価するのか、一般の投資家の立場では難しいので、監督官庁や監査法人による定期的な監査が求められるものだと思います。 オフバランスシート(OBS)とは通常、銀行の貸借対照表に反映されていない資産や負債、資金調達活動を指します。OBSの活動には、金融商品の取引や銀行の利益に影響を与える活動が含ま

    • わずかな情報から全体像を考える

      コンサルに転職して最初の研修でMECEを学びました。 MECE (ミーシー)とは、Mutual Exclusive and Collectively Exhaustiveの頭文字で「漏れなく、ダブりなく」という意味です。 1つの問題意識に対して、ロジックツリーを用いて、考えられる原因を漏れなく、ダブりなく明らかにし、その中で一番影響を与えているものはどれか探していく。というのが理想ですが、すぐにMECEなんて理想論だと思い知らされました。。。笑 短期間で成果が求められる現

      • 企業の最適財務構造論

        企業の最適な財務構造は、その企業の業績や経営状況に応じて変わります。 特に多国籍企業を含む場合、国内の理論は大幅に修正される必要があり、最適な財務構造は、税金や倒産コスト、事業リスクに基づいて決定されます。 今回は、最適財務構造論の紹介です。 税金と倒産コストの影響 企業は、事業リスクに対して資本コストを最小化するために、負債と資本の最適な組み合わせを決定します。新規プロジェクトと既存プロジェクトの事業リスクは異なるため、最適な財務構造はその都度変化します。 資本コス

        • リスクの測定方法と活用例一覧

          リスクの測定は、金融や経済の分野で非常に重要な課題であり、様々な角度から分析する手法が存在します。今回は、これまで記事にした手法も含めて、全体像がわかりやすくなるように一覧化するとともに、それぞれのリスク測定手法の実務面での活用について、具体的ににどのような業務で使用されているのか代表的な例もあわせて紹介します。 1. 成功または失敗の確率(二項確率分布) これは、n個の独立したイエス/ノーの実験のシーケンスにおける成功の数の離散確率分布です。各試行が成功する確率をp、失

        銀行のリスク管理におけるオフバランスシートリスクとは

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        • 金融理論
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          企業はどのように外国為替リスクをヘッジしているのか

          2024年になり、日銀が金融緩和政策を辞めると宣言したのに円安が戻らないですなぁ。 2022年にはコロナ禍が去り、各先進国がこれまでコロナ禍中に市場にばら撒いた給付金マネーを回収するべく、金利を引き上げて金融引締政策を行う中、日本だけが金利を上げることができず、海外との金利差を主な背景に円安が大分進んできましたが、私はこの為替変動にかなりやられました。。 為替リスクとは、外国為替レートの変動により、企業の収益、純現金収支および市場価値が変化する可能性を示す指標です。 これら

          企業はどのように外国為替リスクをヘッジしているのか

          確率密度関数を使った信用リスク評価と市場で用いられる信用格付

          信用リスクを扱うのは、今回で3回目。 信用リスクは、金融業界特有のリスクであり、その評価というのはとても難しいんですよね。この世の中は、Aが起きる(原因)とBになる(結果)という因果関係が1対1の関係ではありません。1つの結果は、複雑に絡み合った無数の原因によって生み出されているのです。そして、その原因を紐解くことは現状不可能です。 その不可能をいかに推測にするか、という世界です。 第一弾は、銀行の信用リスク管理、第二弾では、信用評価調整額(CVA)を利用して信用リスクを

          確率密度関数を使った信用リスク評価と市場で用いられる信用格付

          過去のデータを使って将来を予測する。分析前にやるべきこと(ディッキー・フラー検定)

          将来の売り上げを予想するにあたっては、過去5年間の売上や株価を利用するなど、多くのケースで時系列データを利用しています。 そこで注意しなくてはならないのは、使用する時系列データが変なトレンド(非定常性)を持っていないかを確認することです。 例えば、アイスクリーム屋であれば、季節や気温によって売上が左右されることは想像に難くありません。「1年間のうち、夏の間だけ売上が高い」といったトレンドを持っている時系列データは分析に使うことができません。 ここでは、分析前に時系列データ

          過去のデータを使って将来を予測する。分析前にやるべきこと(ディッキー・フラー検定)

          オペレーショナルリスクを正しく理解する

          このオペレーショナルリスクは、「人がマニュアル(手作業)でやるから失敗するんでしょ」や「大企業は稟議書で何重に確認しているから問題ない」と楽観視されることも多い。 しかし、特に最近ではAML/CFTやサイバー、SNSを発端にした外部事象にうまく対応できずに損害を被るといった内部だけで対処できる問題ではなくなってきている。 例えば、 2021年に起きたアメリカの小売ゲーム店GameStopが倒産の危機を迎え、多くのヘッジファンドが当社株をショートしていたところ、掲示板サイトR

          オペレーショナルリスクを正しく理解する

          銀行が頭を抱える流動性リスク

          今年の米シリコンバレーバンク(SVB)の破綻をきっかけに、国際的な議論では、常に流動性リスクが話題となっている。 流動性リスクとは、 その言葉の意味のままに急に現金が必要になった時に、ほいっ、とすぐ現金を渡せるかというお金の流れるスピードに沿ってお金を用意できるかということであるが、 これは、銀行にとってこの流動性を確保するというのは大変に難しいことであり、常にジレンマを抱えている。 流動性とは ある資産や証券がその本来の価値を反映した価格で、市場で迅速に売買できる度合

          銀行が頭を抱える流動性リスク

          信用リスクの評価方法とクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)

          今回は、信用リスク第二弾!! 今回は、信用リスクの実際の評価(分析)の方法と信用リスクを移転(スワップ)する手法です。 特にクレジット•デフォルト•スワップ(CDS)はリーマンショックでも有名になった信用リスクを移転させるための有用な金融商品ですが、 CDS自体が、信用リスクを測る指標としても活用されています。 (例えば、今の仕事では、楽天のCDSのスプレッド(保険料)の動きを毎日チェックしていたりします。) 用語の確認 PART 1 まずは、信用リスク分析に関する用

          信用リスクの評価方法とクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)

          ポートフォリオ最適化理論

          ポートフォリオ(Portfolio)とは、 金融商品の組み合わせのことで、特に具体的な運用商品の組み合わせを指します。「ポートフォリオを組む」ということは、どのような投資信託を購入しようか、株はどの銘柄で何株ほど持つか、などの検討をするという意味です。 このポートフォリオを個人ベースの身近なもので考えると、現金や普通預金、定期預金、投資信託、株式、国債なんかが含まれます。 よく言われているのが、 自身の総資産のうち、半分の50%は普通預金や定期預金、国債なんかの無リスク

          ポートフォリオ最適化理論

          購買力平価説と金利平価

          購買力平価説とか、完全市場とか、 現実には成り立たないって分かっているのになぜ習うのか。 ずっと疑問だったのですが、期末試験を目前にして理解しました。 これらの仮説って、結構実務で使うんですね。 企業が海外への投資計画や融資計画を立てる時、多くの不確実な予想データを使いますが、 購買力平価説だったりMM理論で、ある程度前提条件を固定してあげないと、分析とか推測だとか、何もできなくなっちゃうんですよね。 一物一価の法則 (the Law of One Price, LO

          購買力平価説と金利平価

          FXマーケットの概要

          春期の期末分析レポートに追われ、ご無沙汰になっていました。 今回は、FXマーケットの概要です。 FXとは、 "Foreign Exchange"の略称で、日本語にすると、"外貨為替"。 よく「FXで絶対に勝てる」とかいう詐欺業者を見かけるので、FXというワードを知っている人は多いと思いますが、、 FXマーケットとは単純に、日本円→米ドル→ユーロ→…と通貨を交換するマーケットなんですね。 ただし、その交換レートは常に変動し、その都度のレートで交換したり、ある一点の将来のレ

          FXマーケットの概要

          銀行の流動性リスク

          そもそも銀行というのは、 消費者から「いつでも引き出せる預金」(=短期負債)を集めて、 企業に長期に貸し出して利子を取る(=長期債券)という、 長短の金利差で儲ける、銀行のビジネスモデル自体が脆弱性を生み出している、とてもタフな業務なんだなぁと。 流動性とは ある資産や証券が、その本来の価値を反映した価格で、市場で迅速に売買できる度合いを示す。また、銀行が即時および短期の債務を満たすための現金をどの程度持っているかを示す指標でもある。 長期的に金融機関の支払能力を脅か

          銀行の流動性リスク

          過去データから将来を予測する 2 (ARCH,GARCHモデル、ベイジアン他)

          前回に引き続き、今回はARCHモデル、GARCHモデル、Interpolation、ベイジアン予測といった手法を見ていく。 前回は以下参照。(分析の前提条件も記載してあるので、まだの方は是非) 分散自己回帰(ARCH)モデルAutoRegressive Conditional Heteroscedasticity models 分散不均一性を示す時系列データに適用されるモデルで、分散自己回帰モデルや分散不均一モデルと呼ばれる。金融時系列データへの適用事例が多い。 この

          過去データから将来を予測する 2 (ARCH,GARCHモデル、ベイジアン他)

          金融取引におけるリスクヘッジ手法とは (金利先渡契約、スワップ、オプション)

          金融はある種、タイムマシンのようなものだなぁと、 金利先渡契約 (Forwards rate agreements, FRA)金利先渡契約 (FRA)とは、 資産ではなく、将来の金利を原資産とするデリバティブ契約。 FRAを締結する目的は、 将来のある時点における借入または貸付のための一定の金利を固定化することにある。 一方の当事者は、FRAで指定された固定金利と契約決済時の市場金利の差額を(合意された想定契約額に基づいて)他方の当事者に支払うことになる。(原金利はLI

          金融取引におけるリスクヘッジ手法とは (金利先渡契約、スワップ、オプション)