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日記

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#希死念慮

東京メトロ

東京メトロ

目をつぶった時まぶたの裏側に映るのは、ノーブレーキで赤信号に突っ込んで大破する車とか、屋上からダイブして段々と迫ってくるコンクリートだとか、何かに衝突して命が途絶える瞬間で、視界が突然真っ暗になっては、また再生される。そんな時もあれば、無限に膨張していく暗闇の中で、視覚も聴覚も奪われて、置き去りにされていくような感覚になることもある。その暗闇の中で、私自身が本来許容しえなかった怒りや悲しみ、寂しさ

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冬の匂いがする

冬の匂いがする

日が沈むのが早くなると、夜が長くなって嬉しい。と言うより、自分の中での感覚的な夜の滞在時間と、実際の夜とのギャップが少なくなるから嬉しい、の方が若干正しいかもしれない。そしてそれと同じ理由で、私は冬の冷たさが好きだ。まだちょっとだけ、息が白くなるには足りないけれど。

こんばんは、四月です。
最近の私は、帰宅早々に電気も消さないまま気絶するように眠り、夜中や明け方に目が覚めては、タイトルもつかない

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十七歳、そして日は沈む

十七歳、そして日は沈む

ウォークマンから流れる音楽が全てだった、自転車で行ける半径が世界そのものだった、あの頃に戻りたいなんて思ったこと、今まで一度だってない。ずっと居場所はここじゃなかった。どこに行っても腑に落ちない。どうせ失くすなら、せめて納得できる失くし方を。そういう風に生きてきたはずなのに、今更失ったものの所在が気になる。退屈が理由で飛び出してから、もうそれが癖になってしまっている。幸せも、不幸せも、全部を並列に

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