夏とか煩いから静かにしてくれ
夕立ちが降った。
慌てて傘を出す人や、
凌げる場所に走り出す人たちを横目に、
なんかもういいやって空を仰ぐ。
何処かで雷が鳴る。
雨粒に汗が混じって少しだけしょっぱい。
体温が奪われていく感覚が気持ち良くて、
どうせ自分に跳ね返ってくる苛立ちとか、
金輪際僕が出てくることのないあなたの今後とか、
全部、ぜんぶ気化すればいいのにとか思って、
こんな時用のプレイリストなんかが
存在していること自体が可笑しくなってきて、
もうこの世にいない人間の音楽を聴いている。
すべての雨が海に