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緊張しやすい人が身につけるべきたった2つのポイント

この記事でわかること・読むメリット

緊張した時の対処法
⇨ いろんな場面で実力が発揮できるようになる


大事な試合や面接、プレゼンの場面を
想像してください。

心臓の鼓動が早くなり、呼吸が浅くなり、
手や額に変な汗をかき、、、

「うまくいなかったどうしよう」
「失敗したらどうしよう」と頭をよぎる。

その考えを取り除こうと頑張るが、
かえって不安が大きくなる。

そして、普段の当たり前にできていることが
できなくなってしまう

こんな経験をしたことがあるでしょうか。


このトピックは皆さんが
特に関心を持っているテーマだと思います。

実際、私もアスリートから

緊張や不安を下げるにはどうすれば良いですか?

とよく聞かれます。


そこで今回の記事では、
大事な場面での緊張や不安に
どう対処すれば良いか
を紹介します。

 「緊張」はパフォーマンスを下げない?!


多くの人は
『緊張がパフォーマンスに悪影響を及ぼす』
と考えていると思います。

それは本当でしょうか?

この問いに答えるためには、

「緊張」と「あがり」は違う

ということは理解しなければなりません。

英語だとArousal(緊張)とAnxiety(あがり)になります。


「緊張」とは生理的な覚醒(興奮)反応


「緊張(Arousal)」とは、
主に生理的な覚醒の事を指します。

つまり、

・心臓の鼓動が早まったり
・呼吸が早くなったり
・手に汗をかいたりといった

体に起きる反応の事です。

これは本来、
生物として生き残る上で不可欠な反応です。

例えば、
目の前に敵が現れた時に瞬時に

「戦うか or 逃げるか」

という行動を即座にとらなければなりません。

いつまでものんびりしているとすぐに敵に食べられしまいます。

つまり、緊張が高まるという事は

これから行う活動の為の準備とも言えますし
物事に集中して取り組むために不可欠なもの

とも言っていいでしょう。

「あがり」は緊張にラベルづけをした状態


一方で、あがり・不安(anxiety)とは
緊張が高まった状態を

「ネガティブなもの」としてラベルづけ
した場合に起こります。

例えば、
ジェットコースターに乗るところを
想像してみて下さい。

ジェットコースターに乗ると誰もが

・心臓の鼓動が早くなり
・手が汗ばんだりして覚醒水準が高くなり
・不安や恐怖
といった感情が起こるでしょう。

しかし、人によっては、
この状態を
・楽しい
・スリリング
と捉えてる人もいます。

つまり、同じような体の反応が起こっても

その反応をどう捉えるかで
心理状態が変わってきます。


スポーツ場面でも同じように、
緊張の高まりをパフォーマンス発揮に

ポジティブなものだと感じるか
or ネガティブなものだと捉えるかは
選択する事ができます。

例えば、
タイガーウッズはパットを打つ時の緊張感を
”Thriling(スリリング)”
表現しています。

つまり、
緊張のレベルが
パフォーマンスに影響するのではなく

緊張をどう捉えるかがパフォーマンスに影響する

という事です。

ポイントは「心」ではなく、「体」へのアプローチ


とは言っても、
いつまでも心臓がどきどきしていたり
手に汗をかいていた状態では
目の前にプレーに集中できない事もあるでしょう。

そのような時の対策として
スポーツ心理学では様々な方法が開発されています。

代表的なものとしては
呼吸法や筋弛緩法(きんしかんほう)といった
リラクセーション法があります。

緊張は「体」の反応である事を説明しましたが、
緊張を緩める、そしてあがりを防ぐためには
「体」からアプローチする事が大切になります。


いくら緊張や不安を取り除こうと考えても、

効果がないばかりか、かえって緊張や不安を高めてしまいます。


なので、まずは

ゆっくり長く息を吐く事を意識した呼吸法や、
一度、体に力を入れ、一気に抜く事で
筋肉の緩んだ感覚を味わう筋弛緩法

などを用いて、体の緊張を
少し取り除いてあげる事が重要です。


これらの方法を行なっても、
緊張や不安が完全になくなるわけではありません。

先程も説明しましたが
大事な場面で緊張や不安を感じるのは、
人間に本来備わっている生命維持装置だからです。


しかし、
少しでも不安が低下した事に気づければ、

冷静さを取り戻し、目の前の試合に注意を向けるという、
いい循環に入っていける
と思います。


ただし、
試合本番でこれらのリラクセーション法が
効果を発揮するには、
普段からトレーニングを積んでおく必要があります。


筋力トレーニングと一緒で
試合当日だけ行なってもあまり効果はありません。

普段の練習に取り入れてこそ
本当に大事な試合で効果を発揮してくれます。

緊張で失敗しないための2つのポイント


ポイント1:「緊張」と「あがり」を混同しない

大事な場面だからこそ、緊張が高くなります。

しかし、その緊張が必ずしも悪いわけではありません
その状態をどう捉えるかであなたのパフォーマンスが変わってきます


ポイント2:心ではなく「体」へのアプローチ

そして、不安を緩和させたい時は、

無理に不安を取り除こうとするのではなく、
呼吸や体(筋肉)を使って冷静さを取り戻す事が重要です。


参考文献
Kremer, J., Moran, A., Walker, G, & Craig, C. (2012). Anxiety and Arousal. *Key Concepts in Sport Psychology*, London: SAGA, pp27-37.

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