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コルクアートの軌跡 第4話 制作

第4話 コルクアートの作り方
    気になる?どうやって作っているのか

目次
・コルクアートの作り方
・下絵デザイナー・ハヤシコウさん
・NHK world やYahooニュース、日経新聞などで紹介されました

・コルクアートの作り方

第3話までは、なぜコルクアートを始めたのか?きっかけの話、過去の話をしてみましたが、ここから先は、どうやって作るのか?これから何をしたいのか?という現在と未来の話をしてみたいと思います。

ワインの染みたコルク1粒ずつの色合いを点描画の要領で配置していき、遠く離れて全体像を眺めてみると点と点が滲んでひとつの絵が浮かび上がってくるモザイクアートのようなイメージのコルクアート。

コルクには着色をせず、染み込んだワインの色合いだけで描く、というのをルールに決めて、まずは大量のコルクを集める必要がありました。

白ワインのコルクは基本的に色が染み込まず、赤ワインの色がコルクのグラデーションを作っていきます。

色の淡いコルクは、同じく色の淡い(葡萄の果皮の色が薄い=ピンクや明るい赤)ワインからもたらされ、色の濃いコルクは、色の濃い(葡萄の果皮が紫や濃紺=濃い紫や黒みがかった赤)ワインのコルクから付与されます。

さらに、ボージョレヌーヴォーなどに代表される、出来立てのワインをすぐに消費するタイプは、ワインとコルクが接している時間が極めて短いため、
コルクの色合いも淡い傾向があります。

逆に、ワインの色合いは淡いピノノワールのような品種でも、瓶の熟成を10年ほど施したもののコルクは、染み込んでいく期間の長さに比例して真っ黒い色となっていきます。

コルクを見ると、味わいも想像できたりするのが楽しいのですが、このあたりを理解しつつ大量にコルクを集めていき、1作品に2400個使用するのであれば、都合よくすべての色合いが必要数集まるわけではないため、およそ倍くらいのイメージで5000個ほど集めていきます。

引っ越しのダンボール満タンで、だいたい800~1000個くらいなので、5~6箱というと、体積のイメージが湧きますでしょうか。

収集後、色の全くついていない、白いコルクから、しっかりと色の染みた真っ黒いコルク(赤ワイン=赤ではなく、例えばボルドーの20年熟成などのコルクは、まさしく真っ黒い色をしています)までを、ざっくり10段階ほどに色分けしていきます。

これを100円ショップなどに売っている収納BOXに敷き詰めていき、なるべく色合いのブレがないように仕分けしていきます。

・下絵デザイナー・ハヤシコウさん

同時に、描くモチーフとなる人物の写真を決め、デザイナーのハヤシコウさんに下絵を起こしてもらいます。

下絵は、いわゆるモザイクアートの要領で、写真をベースに丸い点々の10段階くらいのトーンで描いてもらいます。この下絵の時点で、誰が見てもその人と分かる仕上がりの場合ほぼ完成後の姿もイメージできます。

コルクのサイズが直径2cmほどですので、仕上がりの絵のサイズを大きくすればするほど解像度は上がっていくのですが、サイズを倍にすればコルクの数も倍必要になり、大きくなるため飾るスペースも限られてきますし、また車に乗らない、エレベーターに入らない、など運搬してお届けしたりすることを考慮してサイズは縦120cm×横90cmと設定しました。

この中に納まる人物画の構図を設定するのが難しい場合もあり、例えば胸のあたりまで上半身を入れて描くとなると、顔の面積に割り当てられるコルク数が少なくなっていき、例えば黒目1粒、白目2粒くらいで瞳を表現することになり、人物を特定するのが難しくなったりします。

ですので、僕が描くコルクアートは全体的に表情のアップの構図が多くなっています。

グラデーションの色分けに加え、全体の構図、光の方向と影の印影など、コルクを用いる絵に落とし込めるようにするには、プロのデザインの力が必要になってきます。この辺りをコルクアートを始めるにあたり相談させてもらったのがワインも大好きなデザイナー・ハヤシコウさんなのでした。

Mz Corbino Design (コウさん代表)

・NHK world やYahooニュース、日経新聞などで紹介されました

これまでお話してきました

コルクアートを始めたきっかけ
どうやってコルクを集めるのか?
制作はどのように行うのか?

メディアの皆さまも関心があるところだったようで
TVやラジオ、ウェブ媒体、様々なメディアから取材を受けました。

アーカイブとして残っているリンクを2つ、記事をひとつご紹介致します。

NHK World ~Zero Waste Life~
Portrait in Cork 15分動画 (7分くらいのところから)

Yahoo クリエイターズ 3分動画 最初から
好きなワインで夢を追い続ける 2400個の廃材コルクで描く肖像画

日本経済新聞 (有料会員記事)
コルクアート 飲んで描いて

次回の第5話は、こういったメディア取材とも関係するコルクアートの広め方、SNS発信の良手・悪手をお話いたします。

・・・第5話に続く・・・

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【8/17】
第1話 体験したレストラン業界・ワインビジネスの裏側
     次々と働き手が去ってしまう理由
https://note.com/kuboblanc/n/n5f4d6001f302

【8/18】
第2話 コルクアートのはじまり
     飲食業界での挫折をへて
https://note.com/kuboblanc/n/n9a499d893a96

How?do you do it.

【8/19】
第3話 コルクが集まり続ける仕組み
     15万個ものコルクが集まったわけ
https://note.com/kuboblanc/n/ne78a17da8fba

【8/21】
第4話 コルクアートの作り方
    気になる?どうやって作っているのか
https://note.com/kuboblanc/n/n83e98bd2d72d

【8/22】
第5話 コルクアートの広め方
    SNS発信の良手・悪手
https://note.com/kuboblanc/n/n858965bc9945

What?did(do) you do it.

【8/23】
第6話 コルクアート70作品の軌跡
    選んだモチーフの理由
https://note.com/kuboblanc/n/nb8f464909db1

【8/24】
第7話 新作のモチーフは 「   」
     イタリアワインのラベルを飾って発売へ
https://note.com/kuboblanc/n/nfec0b36e62d6

【8/31】
第8話 作品を通して伝えたいこと
https://note.com/kuboblanc/n/n41cdbbbdbd86

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