本当はブールミッシュ
ブールミッシュのトリュフケーキ。ショコラ生地の中に、トリュフチョコレートが丸々一粒入っている。幸せの塊だ。
それを初めて知ったのは高校生の時。
K先輩(男子)から、バレンタインのお返しに頂いたのだった。
美味しすぎてK先輩を好きになりかけた。
トリュフケーキがあと一個多かったら告白してしまったのかもしれない。
しかしチョコのお礼にチョコ返しとは、当時、高等なテクニックではないだろうか?クッキーとかマドレーヌでなく。先輩の隠し持った女子力を見せつけられたような気がした。
ともかく、トリュフケーキと出会った私はバレンタインやちょっとしたギフトにブールミッシュを利用するようになった。
義理チョコにしてもお値段以上。差し上げると確実に喜んでいただける。
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たまに食べたくなって、自宅用にも買っていくこともある。
私は夫に「ミールブッシュ買ってきたよ」と言う。
すると夫は5秒くらい混乱する。
夫「ミールブッシュだっけ?」
私「嘘。ブッシュミールね」
夫「そっか、ブッシュミールか」
私「いやほんとはミッシュブールだけどね」
夫「え、え、え、」
「ミールブッシュ」「ブッシュミール」「ミッシュブール」を私はランダムに使っている。
混乱している夫を見るのが楽しい。なんてひねくれた妻なんだろう。
夫は多分まだ本当の名前を覚えられていないと思うから、誰かにミールブッシュのトリュフケーキが、なんて話をしないことを願う。でもこの遊びはやめられない。
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