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【実践事例】BtoBマーケティングで成果を残すために行った6つの施策〜立ち上げ、拡大、ナーチャリングのフェーズ別でご紹介

こんにちは。マネーフォワードでマーケティングを担当しているヨネヤマ(@kty_1212)です。前回のnote公開後、多くの方からの反響をいただき「毎月アウトプットしよう」という決意を固めたのですが、忙しさを言い訳にしてあれからから2年も時間が経過してしまいましたw

▼前回のnoteもご覧いただけると嬉しいです。

ミッションも変わり今は上場準備・中堅〜上場企業に使っていただいているマネーフォワード クラウドERPのマーケティング部の立ち上げとマーケティング責任者をさせていただいておりまして、2年の節目として実施してきたことを備忘録的にまとめようかと思います。
新しくBtoBマーケティングのマネージャーになった方やBtoBマーケティング、インサイドセールスに関わられている方のご参考になれば嬉しいです。

この2年間はマーケティングの戦略を考えたり施策を実行しながら、仕組みづくりや仲間集めと本当にたくさんのことを経験させていただきました。
振り返ると、とても濃い2年間だった気がします。
簡単ではありますが。成果を残すために実行したことを3つのフェーズに分けてご紹介したいと思います。

  1. 立ち上げ期:ペルソナ・カスタマージャーマップの作成とデータ基盤整備

  2. 拡大期:潜在層へのリーチ拡大とインサイドセールス連携

  3. ナーチャリング期:戦略的ナーチャリングの強化

1.立ち上げ期

1-1 ペルソナ・カスタマージャーニーマップの作成

私がメンバーにジョインして最初に行ったことが、ペルソナ・カスタマージャーニーマップの作成でした。
担当プロダクトはリリースしてから約1年半ほど経過しており、PMFもしている状態だったのでPdMやマーケティング、営業、インサイドセールスそれぞれで考えている顧客像はあったものの、組織として統一した定義が存在していませんでした。
マネーフォワードではThe Model型の組織形態をとっているため、組織間で微妙に視点がズレるだけで徐々に歯車が噛み合わなくなってしまいます。
その課題を解決するために、ペルソナとカスタマージャーニーマップを作成し、組織の共通言語を作ることで社内での意思統一や視点のズレ埋めを図りました。
私自身はドメイン知識がなかったため、当社のCFOや経理の方にヒアリングやさせていただきペルソナ像やカスタマージャーニーマップを作成しました。(インタビューにご協力いただいた方々にこの場を借りて御礼申しあげます)

カスタマージャーニーマップの制作キャンパス

ただ、カスタマージャーニーマップを作成すれば、潜在顧客の態度変容をすべて把握できるわけではありません。
あくまで社内の共通言語を作るためのコミュニケーションツールとしてとらえていたため、全職種横断してカスタマージャーニーマップワークショップを開催し、複数の職種をまたがったコミュニケーションの機会を作ることを一つのアウトプットとしました。当時はリモートワーク中心だったため、職種間でコミュニケーションする機会がつくれたことは副次的にも良かった点だと思います。
また、一般的にマーケティングのメンバーは普段お客様とお話する機会があまりなく、顧客解像度が低くなりがちだと思います。
カスタマージャーニーマップをもっていろいろな職種の人と話してみるとユーザー理解が進むので、マーケティングに関わる方には特におすすめです!

1-2 再現性を高めるためのデータ基盤整備

立ち上げ期に2つ目に行ったことは、リード獲得の流入経路と商談の紐付けのためのデータ基盤整備です。
まずは過去のリードや商談分析を行ったのですが、獲得経路がわかっているリードが全体の6割程度でした。そして商談にいたっては約5割が創出元がわかっていない状態でした。
「今月、商談目標達成しました!ただ、半分以上はどこから商談になったかわかりません」
という状態です。組織として再現性高く成長していくために、これじゃまずいということで、まずはMAとCRMなどのデータ基盤を整備し、リードや商談がどうやって作られたのかを紐付けていきました。
また、データを整備するだけではなく、ダッシュボードで可視化することでマーケティングのメンバーがいつでも数字を確認できる環境をつくりました。今ではリードの9割近くは商談までの経緯を特定できている状態にまでなり、達成要因や未達の原因を特定することができております。

<現在のデータ連携の仕組み>
①パラメータをMarketoに取り込み
②Marketoでスマートキャンペーンを設定し、パラメータから経路情報やコンテンツ情報を分類
③MarketoからSalesforceへ連携
④MarketoとSalesforceをBigQueryへ転送
⑤BigQueryのデータをLookerStudioで可視化

MA/CRM連携イメージ

2.拡大期

2-1 コンテンツ・セミナーの質の改善と量の拡大

次に行った施策は、商談数増加を目的にニーズ顕在層だけではなく、潜在層に向けたリーチの拡大です。
具体的にはホワイトペーパーなどのコンテンツ制作やオンラインセミナーの質の磨き込みとリーチの拡大を実施しました。

リーチの拡大で特に効果的だったのが、Facebook広告とPeatixの集客サービスです。
リスティング広告は実施している企業も多いと思いますが、GDNやYDAを実施する前にまずはFacebookや広告メディアの攻略することから始めるのが良いと思います。

他にもアウェアネスの拡大とリード獲得を目的にした大規模のオンラインカンファレンスの「経理の未来会議」という自社主催イベントも実施いたしました。集客については、FacebookやPeatixも利用しましたが、他にはVerizon(現Boundless)社が提供する広告や紙のDMも効果的でした。
特に紙DMについては、小規模のセミナーではあまり効果がでなかったのですが、大規模カンファレンスとの相性が良いかと思います。

第1回 経理の未来会議

2-2 MQLの優先順位を整理し商談化率を改善

上記の取り組みにより、潜在層へもリーチを広げたことでリード数の拡大には成功したのですが、インサイドセールスがフォローする体制整備が追いつかず、リードフォローの優先順位が付けづらいという課題が発生しました。
そこで、リードを「アクティビティ」と「デモグラ」の2つの観点から商談化率を分析し、MQLをHot/Warm/Coldの3つに分類しました。

MQL分類イメージ

リードの色付けを行いHotを優先的にフォローすることで、全体の商談化率を改善することができました。

3.ナーチャリング期

3-1 ナーチャリング施策の強化で商談数を拡大

潜在ニーズのリードについては、タイミング的にすぐ商談に至らないケースもあります。
そういった潜在顧客に向けては、定期的な接点を持ち続けることで、いざ検討するタイミングで「マネーフォワード クラウド」が第一想起になるような、ナーチャリングプログラムを行いました。
ただ、マーケティングコミュニケーションだけでは潜在顧客の導入意向を「育成する」というのは難しいため、ナーチャリングの大方針として下記2点を意識し取り組んできました。

①コンテンツや体験を通じて好意度をどれだけ高められるか
②システム導入検討のタイミングをキャッチできるか

①については定量KPIを置きづらいのですが、メールからのコンテンツ閲覧数やメール配信停止数などを総合的にモニタリングしています。(ここは科学し切れていないので引き続き研究課題です)
②については問い合わせや製品資料のダウンロードはもちろん、製品ページをじっくり見ている方についてはインサイドセールスからフォローする仕組みを構築し、商談数を拡大することができました。

3-2 Salesforceキャンペーンの活用

立ち上げ期でも触れているとおり、リード獲得経路のファーストタッチは記録されていたものの、実は2回目以降の接点が記録されておらず、商談前のラストタッチを正しく計測することができておりませんでした。

ラストタッチの分析は、新規リードから伸ばしていくフェーズではそこまで必要としていませんでしたが、ナーチャリングを強化するにあたっては欠かせません。そこで活用したのがSalesforceキャンペーンという機能です。
Salesforceキャンペーンを活用することで、ユーザーの全てのタッチポイントをSalesforce内に記録し、初回のリード創出経路だけではなく、商談に寄与したマーケティングプログラムの分析をすることが可能になります。

ただ、この機能は当社の運用ルールやシステムとの相性が悪く、なかなか実装ができなかったのですが、様々な方のご尽力もあり全社レベルで要件定義を揃えることで、ようやく自動的にタッチポイントを記録する仕組みを作ることができました。

タッチポイントが全て記録されたことで、例えばファーストタッチは展示会で名刺交換した方が、1年後セミナーに参加して、その後資料請求をしたという流れが記録されます。その結果、今まで評価できなかったセミナーがきっかけになって商談が創出されていたというアトリビューション分析も可能になりました。
今後はこのデータを活用して、商談寄与のアトリビューション分析を行い、デモグラ×コンテンツのゴールデンルートをみつけたいと思っています。

Salesforceキャンペーンの効果

おわりに

ここまで長文駄文を読んでいただいてありがとうございます!
上記の成果や施策はもちろん私だけではなく自チームや部署の垣根を超えて多くの方の力をお借りして成し得たことです。
(マネーフォワードは本当にいい人ばかりでいつも助けてもらっております。ホントです!)
そして、まだまだマーケティングでやりたいことが山積みで、新しいことへチャレンジをしたい、ビジネスのグロースに携わりたいマーケターを求めています!
少しでもマネーフォワードで働いてみたいという方がいましたら、ぜひ採用ページをご覧ください!
https://hrmos.co/pages/moneyforward/jobs?category=1707296059459596309
(採用枠が多いので分かりにくかったらTwitter(@kty_1212)のDMでお気軽にご質問ください)

また、個人的にも様々なマーケターの方と繋がりたいと思っていますので、転職を考えていない方でも記事について気になることがあればお気軽にDM等でご連絡ください。

本記事が少しでも参考になりましたら、スキやSNSなどで拡散していただけると幸いです。
皆様のマーケティングが少しでも前へ進まれることを願っております。

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