29歳のデジタル広告マンが転職してCV至上主義から卒業した話
はじめまして。マネーフォワードでマーケティングをしている米山と申します。マネーフォワード クラウドのマーケティング戦略立案から施策実行を担当しています。
前職ではIT系メディアの営業やデジタル広告代理店で営業 兼 プランナー 兼 運用 兼 ディレクターみたいなことをやってました。SaaSで例えると、インサイドセールスとフィールドセールス、カスタマーサクセスを兼任しているようなものと思ってください。(余計分かりづらい?笑)
今回はマネーフォワードに転職してちょうど1年ぐらい経過したので、自己紹介も兼ねて、マーケティング支援会社から事業会社のマーケティング職に転職して感じていることや、どんな仕事をしているかご紹介できればと思います。
現在、広告代理店などのマーケティング支援会社にお勤めの方や事業会社のマーケターで今後のキャリア考えている方のご参考になれば嬉しいです。
【こんな人に読んで欲しい】
・広告代理店やマーケティング支援会社にお勤めの方
・事業会社のマーケティングで新しいチャレンジをしたい方
・WEBメディアの営業や編集されている方
1日24時間では足りなかった新人営業時代
社会人の最初のキャリアはリクルートの出向からスタートしました。広告代理店に入社したはずが、まさかリクルートの名刺をもってゴリゴリの営業をするとは夢にも思っていなかったです。
入社後ひと月もたたないうちに新規テレアポをスタートし、夏ごろには毎週10件ほど商談をしていました。
展示会シーズンになると、出展者のブースに飛び込み営業をして、とにかく新規のお客様に会って会って会いまくることだけを考えていました。たしか年間で350名ほどの方と名刺交換していたと思います。
営業の合間には、ロープレで先輩に鍛えていただいたり、土日に勉強会資料作ったり、飲み会で一発芸をやったり、楽しいとか辛いとかそういう次元ではなく、まさに死にものぐるいで働いたなという感じです。(本気で「なんで1日24時間なんだろう」って言っていました笑)
当時は必死でしたが、今思うと1年目に踏ん張れたことで、仕事の基礎体力が上がったような気がします。
リクルートのFOCUS研修で仕事が楽しくなった
社会人2年目のときに転機が訪れました。会社の研修で、リクルートのFOCUS研修というものに参加させてもらいました。
FOCUS研修はアメリカのトップ営業300名に共通する考え方や営業スキルを体系的にした研修で、リクルートがその日本版を提供しています。この研修がとにかく素晴らしく、私の中の営業の概念が変わりました。
<研修で学んだこと>
1.お客様の役に立ちたいという強い意欲(考え方)
2.お客様との商談の進め方、やり方(スキル)
[出典] ロングセラーの研修を通じて、今求められる営業について考える
研修前はお客様の話など聞かず、営業なんてただサービスを上手に説明すればよいと思っていたのですが、研修後は営業はお客様の課題解決のをする仕事なんだと考え方がかわりました。
研修で学んだことを実践した結果、その年の年間敢闘賞(MVPの次点)をいただくことができ、この頃からようやく仕事が楽しいと思えるようになりました。
トップ営業マンこそ最高の広告コンテンツ
メディア営業の面白いところは、提案して、受注が終わりではないところです。その後の広告を作るところが私は1番好きでした。
受注したお客様のエピソードをヒアリングして記事企画に落とし込んだり、有識者との対談を企画したり、アンケート調査で得られたインサイトを元に記事を作成したり、色々なコンテンツを作ってきました。特にトップ営業の方のヒアリングはとても勉強になりました。
トップ営業の方はお客様の課題を徹底的にヒアリングをされており、共通課題や業界の理解が深い方が多くいらっしゃいます。
「商談のキッカケ」「商談前のペイン」「導入にいたるまでのハードル」「競合を選ばなかった理由」などを営業の方からお伺いし、その情報を抽象化して作りこむと生々しいユーザーの要素を記事に落とし込むことができるので、手触り感のあるコンテンツに仕上がります。
読み物として面白いだけではなく、読者が記事を読んだ後に態度変容に繋がりやすいコンテンツはどういうものなのか、編集ディレクターさんと喧々諤々とコンテンツの企画したことは大変だったけれど、とても楽しかったです。
WEBのコンテンツ以外でも、イベントで競合同士が対談するセッション企画なども行いました。ここでは深く触れないですが、オフラインのイベントは本当に大変でした。申込みが少ないとヒヤヒヤするし、当日は一発勝負なので失敗は許されないし、オフラインマーケターの方をとても尊敬しています。
マーケティング支援会社で感じた限界
メディアへの出向を5年した後に、BtoBマーケティング特化の広告代理事業に戻りました。ここでは営業 兼 プランナー 兼 運用 兼 ディレクターみたいなことを行っていました。いわゆるデジタルマーケティング全般のコンサルティングや広告運用ですね。
守備範囲がすごく広くて、コミュニケーション設計(市場分析、競合分析、ペルソナ設計、カスタマージャーニーマップの作成)や、集客施策(SEM、SEO、ディスプレイ広告、ネイティブ広告、DSPなど)、クリエイティブ制作(LPやWEBサイト制作、バナーや動画)やWEBサイトデータ分析など一通りのデジタルマーケティングは経験しました。
多い時は毎週何かしらの提案やコンペに参加していたので、1年も経たずに一通りのデジタルマーケティングの経験をしていました。
前職は株式会社メディックスという会社です。優秀な営業とコンサルがいますので、広告代理店を探している方は是非お問い合わせください。笑
https://btob.medix-inc.co.jp/
※画像はサービスページよりお借りしました
お客様のデジタル領域を横断的に支援させていただく機会も多く、充実した日々を過ごしていました。
マーケティングKPIのCV最大化のために様々な改善活動をしていたのですが、ふとした時「このCVは果たしてちゃんと売上につながっているのか?」と考えるようになりました。
当時、お客様の多くは広告データとMA/SFA(営業管理ツール)が連携しておらず、広告からどのくらい売上に繋がっているか把握されてない会社がほとんどでした。
既存のビジネスプロセス要因や個人情報の問題で複数ツールのデータ連携がされていないことが多く、マーケティング支援会社としてその解消することはとても時間がかかると感じました。
「もういっそのこと、思い切って事業会社の中に飛び込んだほうが、広告データの可視化が実現できるのではないか」と思いはじめ、転職を意識するようになりました。
また、お客様のプロダクトにまつわる調査やコミュニケーション設計はとても好きなので広告運用だけではなくもっと上流のマーケティング戦略に携わりたいと思い、7年間育てていただいた大好きな会社を去る決意をいたしました。
マネーフォワードのデジタル広告担当としてジョイン
もともとSaaSのマーケティングができる会社を探していて、10社くらいは面接を受けていました。
マネーフォワードに入社する決め手は"人"でした。面接をしてくだった方々や入社前に飲みに行ってくれた方々、最終面接の代表などみんなユーザーフォーカスで本気で良いサービスを届けようと考えていることが伝わり、私もこと方々と一緒に仕事がしたいと心から思いました。
お会いした皆さんの「人の良さ」の背景にあったのがおそらくマネーフォワードのミッションやカルチャー(社内ではMVVCと呼んでいます)なのかなと思います。
マネーフォワードのMVVCについて気になる方はこちらのnoteもご覧いただけると嬉しいです!
幸運にも良いご縁が重なり、マネーフォワード クラウドのSMBマーケットデジタル広告担当として内定をいただくことができました。
入社7日目 インハウス化PJT はじまる
入社してすぐに怒涛の日々が始まりました。もともとは広告代理店さんにデジタル広告周りをお願いしていたのですが、私が入社した直後にインハウス化することが決まっていました。
入社前は「今年中にはインハウス化したいですね〜」みたいな感じだったのですが、「これがベンチャー企業のスピード感か!」と驚きとワクワクが止まらなかったのを覚えています。笑
細かい部分は別の機会にご紹介できればと思いますが、担当者4名、1ヶ月以内で月額 数千万円アカウントをインハウス化しました。
インハウス化に合わせて広告文30〜40本ほど、ディスプレイは20〜30本、キーワードは数千見直した結果、移管後1ヶ月後にはCVは125%、CPA95%(マージン抜)という成果を収めることができました。これも一緒に乗り越えたメンバーのおかげです。ご協力いただいた皆様本当に感謝しています!
CVだけ追い求める広告運用から卒業
インハウス化をきっかけに、パラメータの整理をしたことで、広告データと売上基盤をきれいにつなげ、広告の成果をCPAではなくCAC(顧客獲得単価)で見ることができるようになりました。
今までトライアルをCVとしてCPA改善に努めていたのですが、実はトライアル数は多いけど、有料プランにご登録いただいていなかったり、トライアル数は少ないけど有料プランの登録率は良かったりいろいろなデータが見られる様になりました。
当然、媒体やデバイスによっても有料プランの登録率が異なります。広告データを売上基盤につなぐことでCVやCPA追いかけるだけの広告運用は卒業し、CAC最適化を目指せる環境を構築することができたのです。
今回はデータのつなげ方みたいなお話は割愛しますが機会があればまとめたいと思います。
広告経由の新規契約数が3倍以上!
広告の成果を可視化する環境構築ができたことで、色々な施策を積極的にチャレンジできるようになりました。
・半年で20本以上のLP作成
・40〜50訴求ほどクリエイティブテスト
・ディスプレイ広告を最大9媒体を運用
・ディスプレイのCVは最大で月間20倍以上に拡大
上記のような色々な施策をPDCA回しながら1年間行ったことで、広告経由のQの新規契約数を3倍以上にすることができました。頑張っていただいたメンバーの皆さんに本当に感謝です!ありがとうございます!!
※作成したLPの一部
新しいディスプレイ広告KPIのチャレンジ
私は2020年12月から副部長を任せていただくことになり、広告以外の新規ユーザー獲得全般を担当することになりました。そこでわかってきていることは、当たり前ですが広告だけでユーザー獲得の最大化はできないということです。
オウンドメディアで調べ物していただいた方が、ディスプレイ広告をみて、もしかしたら最後は自然検索でCVしていることだってあるはずです。CVに至った方がどのような経路で流入して、最終的に利用していただいたのかを分析し、施策を考えることはとても楽しいですよね。さらにその先の売り上げまで追える環境が出来上がっています。
上記の一環として、今後取り組んでいくことは、ディスプレイ広告の再来訪寄与度調査です。すでに1回目の調査は終えておりディスプレイ広告で新規流入した方は後日、検索で数十%ほど再来訪してくれていることがわかりました。ディスプレイ広告をきっかけにマネーフォワード クラウドを認知していただき、詳しい情報を探しに再度WEBサイトに訪問してきていただいているということです。
このようにデータを用いて新たな広告KPIを設定し、どんどん新しい施策に取り組めていることが個人的には非常にワクワクしています。
チャレンジできる環境が整っている
約1年間マネーフォワードで働いてみて感じることは、とにかく自分の意志と根拠があればスピード感もって新しい施策にチャレンジできるということです。
広告代理店にいるときは新しい施策を提案してもリソースの問題や意思決定者の説得に時間がかかり実施まで1ヶ月以上かかることがほとんどでした。マネーフォワードの場合、部署内で合意が取れれば最短当日にでも新しい施策にはじめることもできます。
広告代理店などのマーケティングの支援会社にいると様々な会社で経験を積めることがメリットですが、スピード感もってどんどんチャレンジしたい場合は事業会社のほうがやりやすいかなと思います。
チャレンジしたいマーケター大募集
最後に宣伝になってしまいますが、上記の様にスピード感を持ってチャレンジをしたいマーケターを大募集中です!
トップダウンではなくボトムアップで新しい施策をどんどんトライできる環境です。毎年40〜50%ほど成長している会社で新しいマーケティングに一緒にチャレンジしてみませんか?
ポジションはデジタルからオフラインのイベントマーケターまで様々です。
まずは話だけでも聞いてみたいという方は私のTwitterまで、お気軽にDMください!
皆さんのご応募を心よりお待ちしております!
<募集しているポジション>
BtoBデジタルマーケティングリーダー(広告運用)
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