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韓国つれづれ

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韓国についての、あれこれを、つれづれと。
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2018年5月の記事一覧

軌道のあった街 -京城軌道ものがたり 4-

軌道のあった街 -京城軌道ものがたり 4-

ときは戦前、1930年代。朝鮮随一の大都市として成長著しい京城の町、その東の玄関となる東大門・興仁之門のすぐ前に、京城軌道の駅はありました。

京城軌道の当初計画は市街電車の終点であり朝鮮鉄道との接点でもあった往十里から郊外の渡し場・舟運の船着き場として賑わった纛島を結ぶもので、京城の街に直接乗り入れる路線は当初計画には無かったのですが、京城府(現ソウル市)の政府との様々な交渉があったようで、当初

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墓石の村に、行った日。

墓石の村に、行った日。

韓国の各所にあったタルトンネ。
ソウルや仁川だけでなく、釜山にも、あります。と言いましょうか、釜山は市街地の多くが、いわゆるタルトンネに近い「まち」だったりします。いや、タルトンネより、先に出来ていたのかも。

(朝鮮戦争休戦後の釜山の様子)

朝鮮戦争の際、韓国側は劣勢に立たされ、日に日に北側の軍に攻め込まれてゆきます。今の北側各地からの避難民(映画「国際市場で逢いましょう」の冒頭に出てきた興南

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南仁川に、行った日。

南仁川に、行った日。

韓国には、高度成長期を支えた労働者などが集まるバラック街があります。たいていは小高い丘や山の斜面にあることから「月に近い街」ということで「タル(月)トンネ(集落)」と呼ばれています。

タルトンネについてのnoteは、こちらに。
https://note.mu/ktnh/n/n2b7f64dc40d9

そんなタルトンネですが、山あいにあるとは、限りません。
労働力が必要な場所に、自ずと出来るもの

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タルトンネに、行った日。

タルトンネに、行った日。

高層建築が建ち並ぶソウルの街、世界的になったK-popのアイドルたち、輝く灯りに彩られた夜。韓国の今のイメージは、そんな感じじゃないでしょうか。

そこに至るまでには、様々な努力もあってのこと。特に「漢江の奇跡」と呼ばれる、1970~80年代の急速な経済成長があり、88年のソウルオリンピックで、「近代的な韓国の姿」を晴れて世界に向けて発信した、という流れがありました。

そんな韓国の高度成長の裏に

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