表面的に物事をみて、批判したり分かったような気になってはいけない
「生きていることが辛いなら」という歌がある。
これは森山直太朗さんの作品の1つである。
2008年8月に発売された際、この作品は賛否や批判が出た。
それは歌い出しの歌詞にある。
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生きていることが辛いなら
いっそ小さく死ねばいい
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この歌詞に対して「自殺を誘発している」「過激な表現」といった指摘があった。場所によっては放送規制もかかったらしい。
しかし、これは大きな誤解である。
それはこの歌を最後まで聴けばわかる。歌詞を最後まで見るだけでも良い。
本記事では歌詞については書かない。動画のリンクも貼らない。
別に自分で調べろという意味ではなく、何も知らない状態で上記の歌詞を見た方に行動や判断を委ねたいからだ。
あと、本記事がこの歌に関してどうこう言いたいわけではないから。
この歌の歌詞に対する賛否や批判から学べることは、「人間は表面的に物事を見て判断してしまうことがある」ということである。
類似として「一知半解」という四文字熟語が思いつく。これは物事を十分に分かっていない状態である。
場合によっては、一側面を見ただけなのに、まるで全てを知ったような気になってしまうこともある。
当たり前だが、物事の本質に至るには時間と労力がかかる。少しかじった程度で全体像がつかめることはない。
しかし、昨今はスマホで簡単に色々と調べられることから、さも自分が博識であるかのように振る舞う人も少なくない。
また、SNSでは特定の事象や人物の一側面だけみて、その背景や全体像を確認しないまま批判したり、面白がったりすることもある。
――― が、その先に待っているのは気まずさだけだ。
例えば、新入社員は最初のうちは仕事を覚えるので精一杯だ。しかし、しばらくすれば職場にも仕事にも慣れてくる。
中には、「もう自分ひとりで何でもできる」と勘違いしてしまう人もいる。
しかし、そのようなときにソロプレイに走ったり、上司や先輩に分かったような態度をとるとどうなるだろう?
おそらく失敗したり、あるいは何かのタイミングで上司や先輩との実力差を思い知って落ち込むかもしれない。
落ち込むくらいならば成長の糧になる。しかし、取り返しのつかない事態になることもある。
昨今、SNSを中心に誹謗中傷を受けてメンタルを病んだり、場合によっては自死に至ってしまうケースがある。
SNSで自分の日常や考えを発信しただけなのに、その意図と違った解釈をした人たちからバッシングを受けて精神的に追い詰められてしまうのだ。
私はX(旧Twitter)やInstagramなどのSNSを一切やらないが、客観的に見ていて思うこととは、SNSで誹謗中傷する人というのは、明らかに対象者のことや対象者が発信した内容をちゃんと確認しないまま「反応」しているだけにしか見えない。
食物を口に入れて、じっくり咀嚼せずに「これは美味しくない!」と決めつけて口から吐き出すような感じだ。ちゃんと噛めば甘味や旨味が出てくるかもしれないのに、すぐに決めつけて「反応」するのだ。
全体像も把握しないまま、詳細も確認しないまま、ただただ自分の浅い決めつけで批判や否定といった反応をするのだ。
そして、その結果として誰かが傷ついたり、物事の本質が理解されないまま広がってしまうことになる。
カッとなって感情のままに行動して良い結果になることはない。
それは表面的に物事を見て、決めつけて、そして反応することも同様だ。
もしかしたら、批判するのが癖になっているのかもしれないが、何かを誰かを批判したところでプラスになることはない。
場合によっては、批判したことで周囲から「こいつは分かってねーな」と悪い評価を下されることだってある。あるいは、誰かを傷つけてしまったことで、批判した自分自身に後ろめたさを感じることだってある。
では、どうすればいいのか・・・なんて言わないくても分かるだろう。
――― 最後に、「生きていることが辛いなら」という歌について1つだけ語りたいと思う。
この歌はやさしい言葉をかけていない。
しかし、ある意味で人生の「逃げ道」を示しているのだと思う。
逃げ道があると人間は気持ちが楽になる。
「仕事が辛いならば、辞めればいい」
「嫌いな人がいるならば、関わらなくていい」
「飲み会が嫌ならば、参加しなければいい」
このような「~ならば、✕✕でいい」という逃げ道があることで、逆に頑張れたり乗り越えられることもある。
それでもきつければ、そのステージから降りればいいだけだ。そこまで人生に縛られる必要はない。
・・・このようなメッセージを私は受け取った気がした。解釈は色々あって良いと思うし、この歌で救われた人たちも多くいるらしい。
ならば、それこそがこの歌の意義なのであって、歌い出しという表面的な要素だけで批判されるものではないだろう。
ここまで読んでいただき、感謝。
途中で読むのをやめた方へも、感謝。
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