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プロ野球 2022年ワーストユニフォームを語る特集

前回の「2022年ベストユニフォーム特集」に引き続いて、今回はその逆。
2022年シーズンに新たに登場したユニフォームの中で、個人的によくないと思ったユニフォームを語っていく。

我ながら大晦日という日にネガティブな話題ってどうなん、という感じではあるが、今年のうちに膿を出し切ってすっきりとした気持ちで新年を迎えると同時に、2023年のプロ野球ユニフォームの前途を記念しようという算段。

年末年始、お手隙の際にでもゆるりとお付き合い頂ければと思う。

なお、ここで述べているのはあくまで私個人の主観100%のみによって構築された「感想」であり、紹介したユニフォームを好きだという方の感性や人格を否定・批判・攻撃する意図は断じてないということはあらかじめ断っておきたい。

ベストユニフォーム特集はこちら↓

DeNA「YOKOHAMA STAR NIGHT 2022」

引用:Full Count

堂々の今年ワースト。
あくまで個人的な価値観にのみ基づいた物言いであることは断っておきたいが、やはり野球のユニフォームとして「最低最悪」と言わざるを得ない。

このユニフォームに端を発する形で1つ記事を書いてしまったくらいである。

手前味噌ながら、この記事はかなり魂のこもった力作だと思っているので是非ともご一読頂きたいのだが、簡単に要点をまとめるとこんな感じだ。

“ファンが選手と同じユニフォームを着る”のか、
“選手にファンと同じユニフォームを着せる”のか。

「一体全体何様なんだよ」みたいに言われてしまうかもしれないが、これほどまでに自分が何様でもないことを悔しく思ったことはない。

ロッテ「Mother's Day」

引用:スポーツ報知

スターナイトは「嫌」あるいは「呆」の感情を抱くユニフォームだったが、このユニフォームに感じたのはどちらかというと「怒」に近い。

広告を出すだけならまだいい(嫌だけど仕方ない)。
しかし一介のスポンサーがユニフォームデザインに干渉するとは何事なのか。

しかも、よりによってピンクリボン運動への協賛という意味合いも含まれるマザーズデイのイベントに、このような「スポンサー案件」を被せてくるというのだから、こればかりは企画した方の神経を疑わざるを得ないのが現状だ。

なんでも、「ロッテ球団のピンクリボン運動への協賛活動」に協賛してのことらしいが、それならその運動に直接働きかけて自らが主導する協賛活動を行えばよいのでは?
そういう問題ではない?

「フランクミュラーによるデザイン監修」などと謳っているのも気に食わない。
単に既存のデザインの一部に既存のデザインを乗せただけ。
これが果たして「デザイン」なのだろうか

プロ野球のユニフォーム舐めんなと言いたい。

楽天「EAGLES EARTH GREEN」

引用:サンスポ

楽天は、毎年企画ユニフォームの発表を楽しみにしている球団の一つ。
それは一重に大岩Laryy正志氏が長年に渡ってデザイン監修を務めているからで、実際に良デザインの宝庫なのだが、今年は少し異変があった。

というのも、球団が出した企画ユニフォーム発表のニュースリリースの中に大岩氏の名前がクレジットされていなかったのだ。

「楽天 ユニフォーム 発表 20〇〇」と検索してもらえると分かるのだが、2012年の「イーグル・スター」以降、楽天の企画ユニフォームのリリースには毎年必ず大岩氏の名が(体裁こそ違えど)記載されている。

今年(2022年)以外は。

今回の「EAGLES EARTH GREEN」ユニ(a.k.a. ネギユニ)を見た時、一番最初に思ったことは「あれ、もしかしてラリーさん降りた?」である。

大岩氏はインタビューなどで自身のユニフォームデザイン哲学の一つとして「生地に柄を入れない」ということを挙げている。
ちょうど、今回のようなグラデーションがその代表例。つまり、大岩氏が今回のようなユニフォームをデザインするとは考えにくいのだ。

グリーンの楽天ユニと言えば、2013年の「TOHOKU GREEN」。
優れたデザイン性もさることながら、球団初の日本一に輝いた年ということもあって今なお語り継がれる名作ユニフォームだが、何を隠そう大岩氏によるデザイン。

そのような背景を踏まれば、尚のこと大岩氏デザインのユニフォームだとは思えない。
自らの出世作と言ってもいいユニフォームに、自らの哲学とは相反するアレンジを施すだろうか。

実際、ご本人におよる作品集の中にも今回の「EAGLES EARTH GREEN」は含まれていない。

個人的に、グラデーションが施されたユニフォームに対しては例外なく拒否反応を示してしまうのだが、それに加えて大岩氏を手放してしまったこと、そして大岩氏の手を離れた途端に安易なグラデーションに手を出してしまったことなど、残念ポイントというか“失望”ポイントが結構多かった。

今回のユニフォームも、緑(常盤色)の爽やかな色合いやヘルメットの艶やかさなど、評価すべきポイントも多々あるだけに、余計に残念に感じるところである。

その他、選外のユニフォーム

  • DeNA「I☆YOKOHAMA SERIES」
    スターナイトのところで紹介させてもらった記事でも少し触れているのだが、「野球のユニフォーム」であるという意識がどうも希薄であるように感じる最近のDeNAのユニフォームを象徴するプロモーションが印象的だった。
    ユニフォーム紹介の特設サイトを覗いても、出てくるのは横浜の街並みをバックにこのユニフォームをオシャレに羽織って見せる一般人モデルの画ばかり
    別にこういうタウンユースを意識に入れるということ自体に文句があるわけではないのだが、まずは選手が着てどう見えるかが重要なのではないか、選手が着てカッコいいから自分も着たいと思わせるのが順序なのではないか、という気持ちがどうしても拭えない。
    で、肝心なデザインはと言えば、こちらも私の好みとはかけ離れた総柄スタイル。やはり、DeNAのデザイン担当さんとは殆嗜好が合わないようである。

  • 巨人×Yohji Yamamoto
    「世界的ファッションデザイナー×野球ユニフォームはロクなことにならない」という歴史がある中、ヨウジということもあってかシックにまとまっているという点では良い。
    前回の記事でも言及した企画ユニフォームにおける新機軸(上カラー+下ホワイトのテンプレセパレートではなく、上下同色カラー)に沿ったユニフォームであることは間違いなく、そういう意味でも好感度は高くなるはずなのだが…
    やはりどうしても気になるのが「Yohji Yamamoto」のロゴが配されているというところ。
    メーカーロゴですら正直言って入れて欲しくないのに、ユニフォーム制作とは実質無関係なブランドのロゴが入る(しかもこれまで見てきたどのメーカーロゴよりもデカい)というのは、大幅なマイナスポイントとせざるを得ない。
    特に目障りだったのが帽子前面に大きくあしらわれていたロゴ。後述する橙魂ユニや練習用の帽子にも見られた、YGマークをまたがるようにロゴが配されるというこの手法。
    どうにも「いーこと思いついた!こうすれば何か特別感出るでしょ!」的な安易な発想が透けて見えるし、手癖のようになってはいないかという危惧も…

  • 巨人「橙魂シリーズ2022」/中日「昇竜2022」/阪神「ウル虎の夏2022」
    この3つに共通するのは「もうそろそろイベントコンセプト自体の見直しも視野に入れません?」という提言をしたくなる、ということ。
    言ってしまえば、ネタ切れ感が凄いのだ。
    中日は毎年恒例の家庭科エプロン。
    巨人は橙魂2012モデルをモチーフにするという、いわば「企画ユニの復刻ユニ」的なことをついにやり出した(そんなんアリかよ…)。
    そういう意味では、阪神はウル虎10周年ということで過去9モデルのマッシュアップというコンセプトを打ち出しており、イベント自体に一区切りつける良い機会を作ったとも言えるが、果たして…
    因みに、今年のウル虎では2012年のユニフォーム変更以降では初となるオリジナル背番号・背ネーム書体を採用していたのだが、イカれたド派手デザインのせいで全くフィーチャーされなかったのが非常にもったいなかった。

以上、2021年NPB ベストユニフォームを語る特集でした。

1年間お付き合いいただきありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
良いお年を。

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