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TikTok買収劇 Microsoft交渉離脱の真相を探る

先日より報道のあったTikTok買収に関して、既に見た方も多いかと思いますが、今朝速報が飛び込んできました。

「ん?Oracle??」と、ポップアップ通知を2度見した方も多いのではないでしょうか。

有力候補とみられていた、Microsoft+ウォルマート連合が今回の買収合戦からは離脱し、Oracleが残る交渉相手となったようです。憶測交じりですが簡単に、Microsoft離脱の真相と、今後のOracleとの未来について簡単につぶやきます。

▼TikTokとは?▼

▼TikTok買収劇の発端について過去note参照ください▼

TikTok買収劇 Microsoft交渉離脱の真相を探る

和訳
本日、ByteDanceはTikTokの米国事業をMicrosoftに売却しないことを明らかにしました。私たちの提案は、国家安全保障上の利益を守りながら、TikTokのユーザにとっても良いものであったと確信しています。そのためには、サービスにセキュリティ・プライバシー・オンラインの安全性・偽情報との戦いに関する最高基準を満たすような大幅な変更を加える必要があり、8月の声明でこれらの原則を明確にしました。これら重要な分野でサービスがどのように進化していくのが楽しみだ。

一部報道では買収価格で、OracleがMicrosoftを上回る好条件を提示したのでは?という報道もあったが、それは恐らくないでしょう。

上記Microsoftの声明通り、MicrosoftがTikTok側に対して幾つかの条件を出したと思われます。セキュリティ・プライバシー・安全性・フェイクニュースなど、Microsoft傘下となるべく企業としての信頼性や安全性をTikTok側に要求したのですが、恐らくこれをTikTok側からの承諾を得られず破断となった、ということでしょうか。

さらに、Bloombergでは、今回Oracleも完全買収ではなく、技術提携という新しい単語が放り込まれていました。これもどこまでが真実なのかはわかりませんが、プログラムソースやアルゴリズムはTikTok中国側に残り、あくまで米国事業の運営権のみを買収先に譲渡するだけになる可能性もあるということ。あるいは一定の出資は継続して、米中折半会社となる可能性も。果たして、Oracleは買う価値があるのかどうか・・・。


ニュースの印象からして、米中双方妥協点が見つからず、Microsoft+ウォルマート陣営はtoC向け事業において、買収によるシナジーを発揮できると踏んでの交渉であったが、Oracleに関しては既存事業とのシナジーが一つも見当たらない。つまり、国防事業の一環として政府からの要請に基づき、当初より買収交渉に臨んでいたのではないだろうか。

当然買収による一定の事業収益への貢献はあると思われるが、アメリカIT企業の中でも、最もエンターテイメント事業から遠そうなOracleが買収劇の最終交渉企業になるとはだれも想像していなかったでしょう。

どこの国のどの企業の誰が仲介役を行っていたかわかりませんが、いつまでたっても平行線の交渉において、米中双方の顔がギリギリ立つ形で今回の買収劇を着地させようとしているのだと思われます。

しかしこの後に、米中政府の承認を得られることが必須とされています。果たして今回の妥協案がトランプ大統領に認めてもらえるのかどうかが今後の注目ポイントとなるでしょう。

また、悲しいことに日本は本件蚊帳の外。本来であれば、米中間のテック戦争の仲介役として日本がいれば、世界中から一目置かれる存在として大きな存在感を示せるチャンスではありますが、なかなか難しいですね。

TikTokの件以外にも、HUAWEIの締め出しや部品供給でも、テック領域における米中摩擦はさらに拡大しています。TikTokとは異なり、部品供給メーカーを多く抱える日本としては、存在感をアピールできる最後のチャンスかもしれない。なんとか頑張ってもらいたい。(他人任せ感ハンパないですが)


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