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飲食店の配膳ロボット導入で人件費がどれくらい削減できるか考えてみた

こんにちは。編集担当の佐藤です。

人件費の高騰や人材の不足などの従来の課題に加え、非接触サービス提供の重要度が増したことで、一気に広がりを見せている配膳ロボット。

今回はそんな配膳ロボットについて。配膳ロボットを導入することで飲食店にとってどの程度のコストメリットがあるのか考察してみたいと思います。

コストメリットを計算する上での前提条件

佐藤 健斗_2021-06-18_14-43-32_113

本記事では、弊社が取り扱っている配膳ロボット"Lanky Porter"を例にして、飲食店における配膳ロボット導入のコストメリットについて考えてみたいと思います。

実際に稼働させた場合、どの程度の業務が代替でき、どの程度コストカット可能なのか。詳しく考えるにあたって必要なLanky Porterの特徴を簡単に下記にまとめてみます。

・配膳ができる
・下げ膳ができる
・座席案内ができる
・販売促進・広告宣伝ができる
・オーダーはとれない
・お会計はできない

Lanky Porterの簡単な特徴をまとめると大体こんな感じ。Lanky Porterを含め配膳ロボットにはオーダーやお会計といった機能は付いていません。つまり座席案内や配膳、下げ膳などの業務はロボットが、オーダーやお会計などの業務は人がそれぞれ切り分けて行う必要があります。そのためLanky Porterを稼働させる場合でもホールスタッフが最低1人以上は必要であるという前提での考察となります。

上記のような前提を踏まえ、今回は収容人数40人~50人(10~13テーブルほど)、営業時間が11:00~22:00という条件のもと、飲食店でLanky Porterを稼働させることでどの程度コストメリットがあるのかを考察していきます。

配膳ロボットを活用した場合のコストメリットは?

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ホールスタッフの適正人数は、以下の計算式より算出します。

「収容人数÷4(=適切なテーブルの数)÷4=適正人数」

つまり収容人数40人~50人程度(10~13テーブル)の飲食店におけるホールスタッフの適正人数は3人ほど。これはあくまでピークタイムの人数であり、アイドルタイムはより少ない人数でお店を回すことが可能です。

このことから各時間帯ごとのホールの人員配置を以下のように想定します。

平日
11:00~12:00 (2人) 
12:00~14:00 (3人)
14:00~17:00 (1人)
17:00~21:00 (3人)
21:00~22:00 (2人)

土日祝
11:00~15:00 (3人)
15:00~17:00 (2人)
17:00~21:00 (3人)
21:00~22:00 (2人)

この想定人員からホールスタッフを1人減らし、減らした分の労働力を配膳ロボットに置き換えます。但し、平日14:00~17:00のアイドルタイムはホールスタッフの人員が1人しかいない想定のため、この時間帯は変わらず人員を1人残したままにします。(つまりこの時間帯のみ配膳ロボットはアドオンとなります。)

上記の想定をもとに考察を進めると、平日は1日あたり8時間分、土日祝日は1日あたり11時間分の人件費が圧縮できる計算になります。1ヵ月が30日、その中で平日が21日、土日祝が9日だと考えると、1ヵ月で実に267時間分もの人件費の削減が可能となります。

平日:8時間×21日=168時間
土日祝:11時間×9日=99時間
168時間+99時間=267時間

最新の地域別最低賃金の平均は902円。先ほど算出した配膳ロボットLanky Porterの導入によって圧縮される労働コスト267時間分と掛け合わせると下記のようになります。

267時間×902円=240,834円

つまり、収容人数40人~50人、営業時間が11:00~22:00という条件の飲食店において、配膳ロボットLanky Porterを稼働させた場合に生じるコストメリットは、最大で240,834円-Lanky Porterの稼働にかかる費用となります。

配膳ロボットの稼働費用はおよそ~100,000円/月程度。Lanky Porterの導入費用を月々80,000円とすると、Lanky Porterの導入によって毎月最大約160,000円のコストメリットが生じることになります。

アイドルタイムに中休みがあるお店の場合

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もちろん全ての飲食店が上記の条件に当てはまるわけではありません。例えば、営業時間が11:00~15:00、17:00~22:00とアイドルタイムに中休みがある飲食店で考えてみます。中休みがある飲食店の各時間帯ごとのホールスタッフの人員配置は以下のように想定することができます。

平日
11:00~12:00 (2人) 
12:00~14:00 (3人)
14:00~15:00 (1人)
15:00~17:00 (0人)
17:00~18:00 (2人)
18:00~21:00 (3人)
21:00~22:00 (2人)

土日祝
11:00~15:00 (3人)
15:00~17:00 (0人)
17:00~18:00 (2人)
18:00~21:00 (3人)
21:00~22:00 (2人)

ここから人員が1人、もしくは中休みである平日14:00~17:00と、土日祝日の15:00~17:00を除く時間帯のホールスタッフ1人を配膳ロボットに置き換えると、平日は1日あたり8時間、土日祝は1日あたり9時間分の人件費の圧縮が可能です。これを先ほどと同様に計算してみると・・・

<配膳ロボットの稼働で削減可能なホールスタッフの労働時間>
平日:8時間×21日=168時間
土日祝:9時間×9日=81時間
168時間+81時間=249時間

<削減した労働時間を賃金に換算すると>
249時間×902円=224,598円

<削減した人件費からロボットの導入費を引くと>
224,598円-80,000円=144,598円/月

このように収容人数40人~50人、営業時間が11:00~15:00、17:00~22:00とアイドルタイムに中休みがある飲食店の場合でも、毎月最大で約140,000円のコストメリットが生じることになります。

土日祝日のホールスタッフはそのまま残しておく場合

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次にお客さんの多い土日祝日は、念のためスタッフの配置をそのままにしておき、平日のみ配膳ロボットを稼働させるパターンで考えてみます。

この場合、単純に平日のアイドルタイムを除く時間帯のホールスタッフ1人分を配膳ロボットへと置き換えるだけなので、前項同様に8時間×21日=168時間分の人件費の圧縮が可能です。

<削減した労働時間を賃金に換算すると>
168時間×902円=151,536円

<削減した人件費からロボットの導入費を引くと>
151,536円-80,000円=71,536円

つまり、お客さんの多い土日祝はホールスタッフを減らすことなく、お店をよりスムーズに回すために配膳ロボットを利用し、平日はホールスタッフを1人分減らし、配膳ロボットに置き換える。といったオペレーションであっても、毎月最大で約70,000円のコストメリットが生じる計算になります。

1日3時間分の人件費削減で配膳ロボットはお得に!

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配膳ロボット導入によるコストメリットをいくつかのパターンでご紹介しましたが、要するに1日3時間分の労働力を配膳ロボットに置き換えることができれば、Lanky Porter導入のメリットがあると考察することができます。

Lanky Porter導入費用=月々80,000円(仮)
→80,000円=アルバイト88時間分の人件費
→88時間÷30日(1ヵ月)=2.9333....
=2.93時間/日の人件費削減でLanky Porterがお得に

今回は収容人数40人~50人ほどの大きさの飲食店を例に挙げて考えてみました。ここまで規模が大きくないお店の事業者様も配膳ロボットを導入することで、1日あたりどの程度の人件費が削減できるのか、といった視点からご自身のお店でどれくらいコストメリットがあるのか考察してみてはいかがでしょうか?

実証実験にご協力頂ける事業者様、大募集中です!

今回ご紹介した通り、外食業界にとって大きなコストメリットの可能性がある、配膳ロボット。

ちょうど今、キングソフトのAI・ロボット推進チームでは、私たちが取り扱う配膳ロボット"Lanky Porter"の実証実験にご協力頂ける事業者様を大募集しています。全国の外食業界に携わっている方々、ぜひこの機会に配膳ロボットを店舗で試験的に稼働させてみませんか?

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稼働にあたっては、弊社チームメンバーで全面的にサポートいたします。
実証実験なので、もちろん※基本的には費用はかかりません。もし実証実験へのご協力、ご参加にご興味があるという事業者様がおられましたら、ぜひ下記よりお問い合わせ頂ければと思います。まずは詳細を聞いてみたいというお声も大歓迎です。ご連絡、お待ちいたしております!

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